「なぜこの会社なのか」企業分析から答えを見つける

面接で聞かれる「なぜこの会社に入りたいのか」という質問や「競合他社と比べてなぜうちの会社なのか」「自社が課題としていることや改善すべきことは何だと思うか」といった質問にいつもどう答えたら良いのか分からなかった。
御社にはこんな製品があるとか、こんな大きな市場を持っているとか影響力があるからとか、その会社のすごいところを褒めるような形になってしまっていた。だが褒めるだけでは不十分だった。

企業のホームページを調べても、良いところしか書いてないし、得られる情報は限られているし、競合他社も同じようなビジネスをやっていて、違いが見えづらかった。その会社の改善点を聞かれたところで、経営者でも専門家でもないし、学生のレベルで分かることは限られているのではないかと思った。その分野一本で受けているならまだしも、複数業界で見ている場合は、全部そんなに深く調べてもいられない。

この質問への答え方を見つけるにあたり、私は自身の兄弟との会話からヒントを得た。兄弟は金融機関で働いている関係で、毎日新聞を読んで市場の動向や世の中の動きについて情報収集するのだそうだ。まだ若手社員で自社製品を顧客に勧めるにも経験や知識が豊富ではないが、新聞にあった記事を参考に持ち出して話をすると、説得力が増すそうなのだ。私はこの会話から、新聞にて情報収集を行うということをひらめいた。

大学の図書館では新聞記事の検索ができた。私は自分の受ける企業を検索にかけてみることにした。新聞記者は書く記事の分野に対して詳しく、専門的な知識を持っているはずだ。その企業の社員ではないために、良いところも悪いところも公正に分析、批評して記事を書く。過去の市場にも通じているし、未来の予測も立ててくれているのだ。記者の分析だけでなく、その業界の社長さんたちが集まって意見交換をしたイベントの記事も見つけた。社長さん同士の会話や、意見を直接知ることができたのは大きかった。この情報はとても有益だった。

なぜこの会社なのかという問いに対して、新聞記事から得た情報をもとに、その会社のビジネスや課題、現状を上げ、それに対して自分は何を実現したいのか、どのように貢献できるのかを熱弁することが、説得力があり、相手が納得する答えだったのだ。
実際に新聞記事に書いてあったことを用いて面接で質問に答えると「よく知っているね」とか「よく勉強しているね」と良い評価をもらえるようになった。

企業研究の方法はたくさんある。新聞を調べなくても内定にたどり着いた人はたくさんいる。この方法は実はまだマイナーなのかもしれない。しかし入手できる情報に限りを感じた場合は、調査方法の1つとして検討してもらえたら良いのではないかと思う。他の調査方法とは違った観点での分析や評価などが得られて、他のライバル学生との差別化ができるようになるかもしれない。

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