奏一夏

不幸とは作家にとって物語の始まりである https://pont.co/u/thou…

奏一夏

不幸とは作家にとって物語の始まりである https://pont.co/u/thou__

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博愛

今まで見た夜空の数なんか覚えていない 星座を見つけようと思ったこともない 太陽が出るまであ…

奏一夏
1年前
16

例年より遅めの梅雨明けニュース。太陽の光は容赦なく地面を揺らし、蜃気楼の中を駆け抜ける。太陽の手から逃げた場所は木の下闇。蝉の声、草木が笑う。夏はもう止まらない。

奏一夏
4日前
1

指先はいちばんよく見えるお洒落らしい。手荒れも落ち着いたので、オレンジと水色のネイルをした。光が当たるとラメがキラキラ動くので、なんだか天の川に見えて嬉しくなった。

奏一夏
10日前
2

誰の手も届かないあの月まで飛んでいきたいと、彼は言った。
そこに私は居ないのかと聞いた。
彼は優しく言った。
君は元から月の住人だ、と。
月が綺麗に見える夜は、彼を呼んで一緒に月を見上げている。
だから彼は私の故郷を月だと言ったんだ。
大丈夫、あなたを置いて月には帰りませんよ。

奏一夏
1か月前
3

人生という喜劇

将来の夢は一軒家に住んで庭をたくさんの花でうめつくすこと。 その頃に既婚でも未婚でも、田…

奏一夏
1か月前
3

連日猛暑

窓際に座って雲のない空を見上げる 扇風機は生ぬるい風を攪拌させて 夏の空気は休まることなく…

奏一夏
1か月前
4

君の声を信じて

雨上がりの夜道で気づく、自販機から温かい飲み物はなくなっていた。 一日の長さや、散ったサ…

奏一夏
3か月前
7

春に紛れる

春風が眠る夜に、泣かないようにと抱きしめる。 地元の桜が咲く頃、この街の桜は、所々に青を…

奏一夏
3か月前
5

輝いて

深く沈む夜に愛を 昇りゆく朝に昨晩の夢と欠伸を 遠くに泳ぐ雲を横目に歩く あっという間に 輝…

奏一夏
3か月前
3

カントリーロード

どこまでも続く田んぼ道や、晴れた日に見える雪染まりの山 異常気象の暖冬でも、朝の空気は凍…

奏一夏
4か月前
3

寄生

知らない誰かを簡単に知ることが出来る世界 何も知らないのに知ったフリをする世間 知りもしな…

奏一夏
5か月前
4

本当は、ずっと、ずっとあなたに愛たかったです

奏一夏
5か月前
1

謙虚な様を見せて根は強欲。「自分なんか、」というたったの五文字に守られた欲望は自身の世界に入り込んだ瞬間にしか見えない。その世界に入り浸ってしまえば終わりなんだと思う。辿り着く先は、愛する君を破壊することだからだ。

奏一夏
5か月前
1

私がどれだけ言葉を紡いで辿っても、心血を注いで詠っても、届かない。それが私の無力さだ。

奏一夏
5か月前
1

止まった秒針

早く、泣かずに眠れる夜を教えてほしい。 アルコールで流そうとした憂鬱は根が深くて抜けなか…

奏一夏
5か月前
4

終わりが来る前に、人はいつも慣れるんです。慣れるから終わるんです。慣れてほしくなかったから終わりにしたんです。気持ちは増えないのに孤独だけが増える。思い出は簡単に消えるのに寂しさはずっと消えない。だから私は書き続けられるんだと思います。

奏一夏
6か月前
2

博愛

今まで見た夜空の数なんか覚えていない 星座を見つけようと思ったこともない 太陽が出るまであ…

奏一夏
1年前
16

例年より遅めの梅雨明けニュース。太陽の光は容赦なく地面を揺らし、蜃気楼の中を駆け抜ける。太陽の手から逃げた場所は木の下闇。蝉の声、草木が笑う。夏はもう止まらない。

奏一夏
4日前
1

指先はいちばんよく見えるお洒落らしい。手荒れも落ち着いたので、オレンジと水色のネイルをした。光が当たるとラメがキラキラ動くので、なんだか天の川に見えて嬉しくなった。

奏一夏
10日前
2

誰の手も届かないあの月まで飛んでいきたいと、彼は言った。
そこに私は居ないのかと聞いた。
彼は優しく言った。
君は元から月の住人だ、と。
月が綺麗に見える夜は、彼を呼んで一緒に月を見上げている。
だから彼は私の故郷を月だと言ったんだ。
大丈夫、あなたを置いて月には帰りませんよ。

奏一夏
1か月前
3

人生という喜劇

将来の夢は一軒家に住んで庭をたくさんの花でうめつくすこと。 その頃に既婚でも未婚でも、田…

奏一夏
1か月前
3

連日猛暑

窓際に座って雲のない空を見上げる 扇風機は生ぬるい風を攪拌させて 夏の空気は休まることなく…

奏一夏
1か月前
4

君の声を信じて

雨上がりの夜道で気づく、自販機から温かい飲み物はなくなっていた。 一日の長さや、散ったサ…

奏一夏
3か月前
7

春に紛れる

春風が眠る夜に、泣かないようにと抱きしめる。 地元の桜が咲く頃、この街の桜は、所々に青を…

奏一夏
3か月前
5

輝いて

深く沈む夜に愛を 昇りゆく朝に昨晩の夢と欠伸を 遠くに泳ぐ雲を横目に歩く あっという間に 輝…

奏一夏
3か月前
3

カントリーロード

どこまでも続く田んぼ道や、晴れた日に見える雪染まりの山 異常気象の暖冬でも、朝の空気は凍…

奏一夏
4か月前
3

寄生

知らない誰かを簡単に知ることが出来る世界 何も知らないのに知ったフリをする世間 知りもしな…

奏一夏
5か月前
4

本当は、ずっと、ずっとあなたに愛たかったです

奏一夏
5か月前
1

謙虚な様を見せて根は強欲。「自分なんか、」というたったの五文字に守られた欲望は自身の世界に入り込んだ瞬間にしか見えない。その世界に入り浸ってしまえば終わりなんだと思う。辿り着く先は、愛する君を破壊することだからだ。

奏一夏
5か月前
1

私がどれだけ言葉を紡いで辿っても、心血を注いで詠っても、届かない。それが私の無力さだ。

奏一夏
5か月前
1

止まった秒針

早く、泣かずに眠れる夜を教えてほしい。 アルコールで流そうとした憂鬱は根が深くて抜けなか…

奏一夏
5か月前
4

終わりが来る前に、人はいつも慣れるんです。慣れるから終わるんです。慣れてほしくなかったから終わりにしたんです。気持ちは増えないのに孤独だけが増える。思い出は簡単に消えるのに寂しさはずっと消えない。だから私は書き続けられるんだと思います。

奏一夏
6か月前
2