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カントリーロード



どこまでも続く田んぼ道や、晴れた日に見える雪染まりの山
異常気象の暖冬でも、朝の空気は凍てついて
肺に流れ込む酸素は白い息となって空中に消えた。
故郷なんてものに愛着はなかったはずなのに。
朝焼けを見て思い出すのは、夏の噴水公園、冬の通学路、春の桜絨毯に、秋の稲刈りが終わったまっさらな景色。私がどれだけ大人になっても変わらないものは確実にあったのだ。
故郷を飛び立つ3日前、学生時代の親友が会いに来てくれた。
「ご飯ちゃんと食べるんだよ、頑張りすぎないんだよ。」
全部温かかった。
新たなスタートに恐れはないが、今までの経過に寂しさはある。私が居なくても変わらない故郷。
それがきっとどれだけ大切なものなのかは、「ただいま」の4文字に深く染み込んでいると思う。
それまで、どうかみんな、元気でいてください。
私も元気でいるから。いつまでもありがとう。

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