修士に行きたい方必見!ノンゼミノン卒論時間なしコネなしでも大丈夫!院試突破術①

今日も今日とて質問箱リクエストに答えていくことにする。ただし、この記事はどちらかというと、文系寄りかつ専門職大学院(ロー、MBA、公共経営大学院、会計大学院、公認心理士試験向けなど)ではない院試向けなので、その点ご留意いただきたい。

さて、突破術を見ていこう。なお、あくまで個人的な体験に基づく推奨であり、スケジュールは目安なので早めの準備に越したことはない。 

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やること1:学部3年冬(受験3か月前)まで:どんな研究をしたいか

これは実は一部専門職大学院を除いてはGPAよりも、日ごろの行いよりも、英語試験よりもその他学力試験よりも大事である。なぜかというと、これがしっかりしていないとマジで落ちる。

え、院って勉強するところでしょ?学力さえあればいいんじゃないの?と思ったそこのあなた。院は知識を身に着ける場所というより研究する場所なのだ。

というわけで、何を研究したいかを考えよう。この時点で具体的な研究計画書が書ければベストだが、そこまでしなくても大まかにでも決めておこう。ゼミに所属していて、卒論の方向性が決まっている人はそれをベースにし、ノンゼミもしくは学部と分野を変えたい人は先行研究がどうかはさておいて、研究したい対象についてメモ程度でいいので書き出しておこう。

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やること2:学部3年春休み(受験2か月前)までに:大学院研究

やること1の時点かそれ以前にある程度検討はついている方もいらっしゃるかもしれないが、どこを受けるかを考えよう。この時のポイントを2つ整理しよう。

1.学歴社会的思考は捨てよ

2.ある1つの研究科名に囚われるな

まず、1について。これをやりがちな方はかなり多い。特に、大学受験に失敗した人が学歴ロンダ目当てでネームバリューというか、学部の入試偏差値がどうなのかを重視しがちである。同時に、なまじ大学受験に成功したがために学部の偏差値にこだわるケースもまた見られる。

確かに、学部偏差値が高ければ研究力もあるという見方も強ち間違ってはないが、あなたが志望する分野の研究力が必ずしも高いとは限らない。例えば、とある欧米の国の指標によれば、経営学の研究力は一橋大学より早稲田の方が微妙に高いらしい。が、日本の院はみんなで仲良く研究していこうというよりは、個人プレーなので大学院は大学の研究力そのものがよくても先生に力がないと意味がない。そもそも、先述の通り、日本の大学院は一部専門職大学院を除いては研究するところなので、大学院は一部専門職大学院を除いては自分の研究内容がマッチしている先生がいないとマジで落ちる。その前に、「大学院」に入るのに「学部偏差値」を気にしてどうする。

2について。今まで散々やれビジネスだ、やれ金だと言ってきたので、経済学か商学研究科にいると思われがちなのだが、実は政治学研究科なのだ。これに関して、どういうことかを実際の私の研究テーマから読み取りながら研究科選びの練習をしてみよう。

私の研究テーマは「ファシズム・ナチズムの政治マーケティング」である。

まず、タイトルから3つぐらい察しがつくかもしれない。1つは、「政治」なので政治学研究科、2つ目は「マーケティング」なので経済学や経営学、商学、3つ目は「ファシズム・ナチズム」という昔の事柄なので歴史、つまり文学研究科である。他にも、政治マーケティングはある程度メディアを活用するのでジャーナリズム系という考え方もある。あるいは、これを「オリンピックを利用した」というところに特化させればスポーツ科学研究科(スポーツ史)も考えられる。あとは、政治にせよマーケティングにせよ、人間の活動による社会現象なので、社会学研究科もありうる。さらに、史学や社会学でも何でもそろっているリベラルアーツ系、そして「教育を利用した」というところに特化させて教育学研究科というのも考えられる。

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こんな具合で、具体的に興味があるテーマについて分解して考えてみよう。ここまで分解しようがあると、院試の面接で詳細に説明する分時間稼ぎができるが、他の研究科じゃダメなの???なんて聞かれたりもするかもしれないが…

というわけで練習問題をやってみよう

練習問題:次の2つの研究テーマについて、行けそうな研究科を3つ以上答えよ

①「ワーグナーの作品の政治性について」

➁「X JAPANはなぜ売れたのか」

解答はコメント欄か質問箱、Twitterでどうぞ。正解は解答者に個別通知するので、質問箱を利用するならメッセージ機能を使っていただけると助かる。

こんなトレーニングできる時間あるわけないだろー!!!という文系の方は文系研究科の研究室をしらみつぶしに探してもいいかもしれない。比較的なんでもアリな研究科として、社会学やリベラルアーツ系、人間科学などのような一瞬何の学問なのかパッと答えられないような研究科から探し始めてみよう。なお、理系研究科で良さそうな研究室もアリかもしれないが、その場合は合格後の単位取得が私文脳には辛いらしいのでご注意を。

どの大学から調べていいかわからない人は行きたい大学名や自分の大学から探し始めてみよう。特に、自分の大学の研究科を受ける場合は推薦制度がある場合もあるので、一般より(書類や筆記、英語試験という意味で)楽に入試を突破しやすい。この推薦制度は大学によっては、その大学を卒業していれば社会人入学であっても適用される場合もあるのでよく調べてみよう。

やること3:学部4年4月~、受験1か月半前~:研究室訪問

しらみつぶし法で自分の研究内容と少しでも被りそうなところが見つかれば、このご時世研究室訪問は憚られるので、コンタクトを取ってみよう。研究室訪問が気軽にできるご時世になったら時間が許す限り訪問しまくろう。先生の雰囲気も知れるし、研究テーマとのマッチングを詳細に知ることができる。研究者データベースに乗っている論文である程度は判断できるかもしれないが、完全に把握するのは意外と難しいので実際に訪問してみよう。

ここまでやっても、学歴「逆」ロンダをしない限り、マッチする先生が見つからないけど普通にロンダしたい気持ちを捨てられない場合は学部を再受験する、研究計画書がいらない専門職大学院に行く、イギリスやオーストラリアにありがちな1年制の科目履修中心の院に留学することを推奨する。学士や編入の場合は研究計画書が求められがちなのでご注意を。

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やること4:学部4年4月~、受験1か月半前~:学部志望校決め

まずは、出願条件から整理しよう。この時点で、注意したいのはGPA、学部時代の専攻、卒論提出の有無である。

GPAについては、主に学内推薦でありがちである。概ね2.5~3程度を求められるが、これを読んでいる時点で学部4年生もしくは既に卒業しているが、巻き返しが不可能なレベルで低い場合はGPAを求められるところは切るしかない。次に、研究科によっては学部時代の専攻と一致していないとダメというケースもあるので要チェックである。卒論については、東大の某研究科やICUのように卒論提出を義務付けられている場合があるので、ノンゼミで指導を受けられる見込みもない場合は避けた方が賢明だ。ちなみに、私はそれが理由でICUや東大の某研究科は諦めた。

その次に、筆記試験や英語試験について調べてみよう。筆記試験に関しては、個別の事情に応じて選ぼう。個別の事情を主に5つに分けて説明する。

1.できるだけ試験が少ない方がいい。

2.GPAが低く、筆記試験に自信がない。

3.GPAが高く、勉強は得意だ。

4.とにかく院に行かない選択肢はないので倍率が低ければ何でもいい

5.やりたいことがニッチすぎてそもそも選択肢がなく、筆記試験を受けざるを得ない

1,2のいずれかに該当する方は書類のみもしくは書類と面接で決まるようなところにしておいた方がボロが出ないので、できるだけその方向でやっていこう。1,2に加えて倍率が低いところという条件が揃えば「ゆる受験」になる。

3の場合は英語試験でボロが出た時の保険になるので、筆記試験がお勧めだ。5の場合は現実を受け入れて粛々と勉強しよう。学部と研究科が一致する場合は日ごろの復習、社会人の方の場合は学部時代に買ったような教科書を読み込もう。学部と研究科が一致しない場合は、有斐閣アルマあたりの初心者向けのような学部1年生が読みそうな本を読むか、院試向けの予備校に頼ってみよう。

続いて、英語試験について。英語が得意な場合はどんな試験でもある程度対応できるので、気にしなくても大丈夫だ。が、時間がない人は英語試験が課せられるところか、スコアシート提出(主にTOEFL ibt, IELTS academic module, TOEIC)でもスコアで足切りがないところにしよう。スコアシート提出型の場合は、今の現状のスコアでも足切りされないところを選ぶゆる受験型にするか、時間が許す限り受けまくるといい。

とは言ったが、早稲田の某研究科のように、全部授業が英語とかでない限り、スコアが低くても何とかなる。実際に、院の同期でTOEIC500(英検にして準2級程度)で受かった人もいるし、某都内国立大学の院なのに大学側から課せられた英語が100点満点中10点でも受かった例があるのでどうか落ち込まないでほしい。予備校に頼るのもまた1つの手だ。

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まとめ:研究内容と研究科の先生のミスマッチを回避せよ。あと、早めにやることに越したことはない

何度も言うが、研究内容と先生のマッチングが一番大事である。

あとは準備についてだが、私は書類提出と面接型だったので、3か月でもまあまあ何とかなった。が、筆記試験や英語試験を受けざるを得なくて、筆記試験や英語試験がある程度足切りに使うと公表している研究科を受ける場合に備え、院に行きたくなったら勉強は早めにしておくに越したことはない。特に、英語試験の準備は早ければ早いほどなんとかしやすい。

次回はいよいよ研究計画書を書いていく。それでは。

おまけ:ラスベガスの某ホテルの水族館にいたイルカ

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