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"海外生活"を送る全ての人に捧げたい「魔女の宅急便」


わたしは2017年〜2019年まで2年と3ヶ月「海外生活」を送っていた。

最初の3ヶ月はフィリピンのセブ島で語学留学。その後の2年はワーキングホリデーを利用してオーストラリアへ。

もちろん今となってはいい思い出ばかりだけど、当時は正直辛いことの方が多かった。「外国で一人で暮らす」というのは楽しいことばかりではない。それなりの苦労も経験した。

そんな心折れそうになった時に、決まってわたしが見ていた作品がある。それが

"魔女の宅急便"だ。

何度も何度も繰り返し見てはこの作品から勇気をもらっていた。


今日は「留学」や「ワーホリ」を考えている全ての人に伝えたい。
魔女宅こそ、海外生活のバイブルだと_!


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▼魔女の宅急便とは

1989年に宮崎駿監督によってアニメ化された作品。

魔女と人間の間に生まれた少女キキ。しきたりに従って13歳の春の満月の夜に、魔女の住んでいない街で独り立ちすべく、相棒の黒ねこジジとともに旅立つところから話は始まる。

みなさんおなじみのスタジオジブリを代表する作品である。今や見たことない人の方が少ないんじゃないか?ってほど有名なお話だ。わたしも幼少期から金曜ロードショーで何度見たか分からない。

ではこの作品がなぜ、留学生やワーホリ民のバイブルになるのかお話ししてゆきたい。


▼住みたい街を決める喜び

留学やワーホリを考えた時、まず一番先に決めるのが"行きたい国"である。

キキが「魔女がいない街」で独り立ちしなければならなかったように、私たちは「日本語が通じない国」で独り立ちしなければならない。

限りある中で、自分がどの国で生活し、何をしたいのかを明確にしないと先には進めないのだ。わたしもカナダ・NZ・オーストラリアのどこに行くかかなり悩んだ。でも、どこに行くのもわたしの自由だ。わたしが決めていい。

"住みたい国を自分で決める"

なんだかワクワクするような響きだが、魔女宅でもキキはまず「住みたい街」を自分で選択するのだ。

彼女は結果、海の見える「コリコ」という街に定住する。

気に入れば住めばいいし、嫌なら街を変えればいい。この点においてはワーホリも同じだ。いつまでも一つの街にいる必要はない。国さえ決めてしまえばあとは全て自由なのだから。


▼どこにでもいる古株の存在

キキが故郷を発ってからコリコに行くまでの間に、"先輩魔女"と出会うシーンがあるのを覚えているだろうか?

キキのラジオからルージュの伝言が流れ、ぼんやり夜の空を飛んでいると「あらあなた新人?」と声をかけてくる、あの可愛い先輩魔女だ。

その先輩魔女は、もうじき修行が明けるから胸をはって故郷に帰れるとキキに話す。
「知らない街に住むのは大変ですか?」という質問にも、そりゃあ色々あるけど自分には占いという特技があるからと返答。なんとも頼もしい。


留学やワーホリ先でも必ずそういう「先輩」(歳は関係ない)という名の古株に出会うものだ。自分より先にその国で暮らし、色々な経験をすでにしている人のことを指す。

海外生活の序盤でそういう人に出会うと、つい自分と比べてしまうものだ。すごく羨ましくなるし、落ち込む原因にもなる。「自分もこんな風になれるのか」「本当にやっていけるのか」そんな考えが次第に頭を占領してゆくのだ。

無理もない。慣れない生活や見えない今後に不安を抱くのは当たり前のこと。

でも、大事なのは「自分がどうしたいか」。この先輩魔女もキキに「あなた何か特技があって?」と聞いてくる。そしてこれはキキが"自分には何ができるのか"考える良いキッカケになったとも言える。
私たちも、他人と比べるのではなく「いまの自分」にできることを考えなければならない。海外だからといって無理はせず、まずは等身大の自分で始めなければ。

他人は他人。自分は自分。 この精神は海外生活においてとても大事である。


▼自分にできる仕事を探そう

キキはやがてコリコの街で「おソノさん」に出会い"グーチョキパン店"でデリバリーの仕事を始める。
これはキキが「いまの自分にできること」をしっかり考えた結果だ。

生活のためには海外といえど「仕事」は必要だ。学生でも時間内で働けるし、ワーホリでも十分フルタイムの仕事には就ける。大切なのは「自分に見合った仕事選び」だ。

VISAの期限が決まった外国人を採用してくれるところは多くはない。日本で全く経験のない仕事に就かなければならないこともあるだろう。
よっぽど語学が堪能だったりすれば別だが、大概は仕事を選べる立場ではない。条件も良いとは言えない職場もあるだろう。

そんな中でも常に「自分には何ができるか」を探しながらやって行くことが大切だ。今までの経験をもとに、自分との対話が必要になってくる。


▼暮らすは物入り

仕事と暮らす場所が決まったキキは、早速日用品を買いにショッピングへ行くのだが、そこでふと呟くこのセリフがわたしは大好きだ。

"Just daily living takes a bit of money..."

「暮らすって物入りね...」
生活するにはお金がかかるわねって意味なのだが、13歳でそれを知るキキ。海外生活なら尚更細かいところに出費がかさむ。
"トランクひとつでやって来て、必要なものは現地調達"これが基本だろう。最初は何かとお金がかかるが、自分の好みで全ての生活用品を揃えてゆくのはやはり楽しい。

キキのこの一言からも、なんだかんだ新しい生活への期待感が垣間見えるし大人びていて好きだ。

海外のスーパーは日本とは全然違うし、本当に楽しい。いろんなプロダクトがあって自炊派のわたしには天国のようだった。ついつい買いすぎて両手いっぱいに抱えて帰ったことも何度もある。
そんな「海外ならでは」な生活を目一杯楽しんで欲しい。


▼大切な人たちとの出会い

最初コリコに到着したキキは、その街の人々が冷たいことに少しばかり落ち込む。そんな中でも徐々に「おソノさん」や「トンボ」のような友人ができたり、老婦人やウルスラとの出会いで考え方や価値観に影響を受けたりしてゆく。

海外生活でもそうだ。最初は戸惑うことも多く、孤独を感じたり落ち込む日も多い。知らない土地で一人で暮らすというのはそういうものだ。
でも、少しずつ人との出会いがそんな辛さを和らげてくれる。

時に、心からの理解者に出会ったり
一生ものの友人と出会えたり
素敵な恋愛を経験したり

よき人間関係というのはたった1日では築き上げることはできない。海外だからこそできた友人や、交流はこの先もずっとあなたの財産になる。

だから、もし今が孤独でもどうか負けないで欲しい。あなたにとって大切な人との出会いというのはいつか絶対に訪れるだろう。


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▼おちこんだりもしたけれど...

"おちこんだりもしたけれど、私はげんきです"

これは糸井重里による、映画公開当初の魔女の宅急便のキャッチコピーである。

留学もワーホリも魔女宅も、本当にこの一言に尽きる。これほどぴったりな言葉があるだろうか?

「海外生活」と聞けばキラキラしたイメージがあるかもしれない。でも実際は苦労も多いし、文字通り「落ち込む」ことだっていっぱいある。でも、一生懸命に毎日を過ごすうちにやがて街が・人が好きになれる。

そんな日々が自分の財産となって一生忘れない素敵な思い出になるだろう。

これから海外生活を考えている人、現在海外で生活している人、またはわたしのようにかつて海外生活を経験していた人。
様々だろうが、もし肩を落としそうな時にはぜひこの「魔女の宅急便」をあなたの目線で見直して欲しい。きっと今のあなたに響く言葉たちがあなたを救ってくれるはずだ。


落ち込む日があっても良いじゃないか。


そう思えるきっかけになってくれたら嬉しい。




それでは、また。


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