認知症介護日記57 「祖母にとって最後のOB会?」

8月16日の夕方、祖母は高校のOB会に参加した。
先日我が家にOB会のお知らせが届いた時から祖母は参加する気満々だったが、僕は祖母が今の状況で会に参加することを喜べなかった。

当たり前のことだが、OB会にはその高校を卒業した者しか参加できない。
ここ数ヶ月間、祖母が外出する際には常に僕か父が一緒にいたが、僕も父も違う高校卒業なので今回は一緒に参加することができないのだ。

「会の最中に下のトラブルがあったらどうしよう」
「トイレに行った後に会場に戻れなくなって、ホテル内を徘徊したらどうしよう」

など、認知症(要介護3)の者が単独でOB会に参加というおそらく普通ならありえないチャレンジが行われるとなると、心配性の僕はいつも以上に心配だった。

17時受付開始だったので、17時前に会場であるホテルに到着後、僕の提案のもと父が協力者を探した。

協力者の条件は以下の通りである。
・祖母の性格を理解してくれる(=長年の親睦関係)
・祖母が認知症だということを知っている
・可能であれば女性(トイレの関係)

幸いにも協力者(Yのおばちゃん)が現れた。
Yのおばちゃんと祖母は50年以上の付き合いである。

Yのおばちゃんが「20時半ぐらいには終わるよ。こっちは心配せんでいい」と言ってくれたからこそ、僕も父も安心して送り出すことができた。

会場内に入れなかったため、僕も父も祖母が楽しんでいたのかがわからない。
閉会後、父が祖母にいろんな質問をしたが、全て「覚えてない」の回答だった。
覚えてないのは残念だが、僕も父もできることはやったので満足している。

P.S. 祖母を迎えに言った際、高校時代にお世話になった代表理事(当時)と話すことができた。僕がトイレに行っている間に父が現状を話したらしく、僕と会うなり「今大変かもしれないけど大丈夫。まだ若いんだから、これから未来はいくらでも変えられるよ。」とアドバイスと熱い握手を2回もらった。高校を卒業して6年経つのに、未だに僕のことを覚えてくれてて嬉しかった。

P.S.2
8月17日15時、僕はいつもの喫茶店で作業をしている。
昨夜も父と祖母と一緒にきたが、今はコーラを飲みながらパソコンで作業をしている。先ほど喫茶店のママから昨日祖母と交わした会話の話があった。

「おばあちゃん、Yのおばちゃんのことわからなくなったらしい。」
「今度、Yのおばちゃんにお礼した方がいいと思うけど、さっき言ったことは言わないでね。」

Yのおばちゃんをついに忘れたか…逆に誰を覚えているのだろう?
そろそろおじ家族も危ないかもしれない、と思った。



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