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社会で生きていく上で最も重要な科目は「現代文」

立て続けにもう一本。
小説『六人の嘘つきな大学生』は、就活中の六人の大学生の間で巻き起こった争い合い。
「就活という、立った数時間で学生の人となりを分かる訳ないだろ!」という主張が随所に散りばめられていた。
そんな小説を読んで就活を思い出す。

去年の十月まで就活していたのに、もう何年も前のことのようで自分の記憶の色褪せ具合に驚く。
僕は理系大学院生で、技術職志望だった。
修士一年の去年の夏にインターンを三社。
そのまま一つの会社から内定を頂いたので、かなりスピーディーに就職活動は終わった。

そうやって就活をしていて思った。
表題の通り、社会で生きていくために一番必要なのはきっと「現代文」なのだと。

現代文という科目は本当に重要だ
文章を読んでどこが筆者の言いたいところなのか。
どの単語の重要度が高いのか。
それを分析する学問。

「大学の一番最初の講義は入試試験にある。」
これは確か予備校の先生の発言だったと記憶している。
特に現代文は、その大学に入学しようとしている、もしくは入学する人間にどういった文章を読んでほしいのか。
(何なら過去問となってその先々の受験生にまで講義をし続けることになる。)
大学の重要視している物事を、文章を利用して間接的に教えてくれる。
それが現代文だ。
実際、多くの東大受験生が、口を揃えて原研哉氏の『白』を、記憶に遺る問題文に挙げるように、受験生の記憶に遺る問題文は多い。
直近の「仮面」についての文章も面白かった。

大学は彼らが大事だと思うモノを、入試現代文の文章としてそれを伝える。
受験生は何が伝えたいのかを咀嚼し解答用紙に書き連ねる。
与えられた文章から何が重要で何を伝えたかったのか。
これらを理解する現代文という科目は非常に重要なのだ。

就活も同じだ。
企業はインターンや様々な資料を就活生に与える。
それらの中で企業が大事だと思っていることを理解できている就活生を採用する。
壮大な現代文だ。

「御社の企業理念に共感した」。
僕はこの歯の浮くような一文が好きじゃなかった。
好きじゃなかったし、なんなら嫌悪していた。
だから絶対に使わなかった。

「就活」という現代文ではそれじゃ0点だと思う。
企業理念という文章の中で、どこが大事だと”思った”のか。
企業活動のどの分野が重要な単語だと”感じた”のか。

企業は現代文だ。
重要な単語を切り貼りすればいいってもんじゃない。
何が大事と彼らが思っているのか。
それを読み取り自分の言葉にする。
それは決して血の通っていないゲームなんかではない。

そしてこれは何も就活だけじゃない。
相手の重要視していることを汲み取り寄り添うことは、対人関係だろうがビジネスだろうが全てに通ずるスキルなのだと思う。
読解力というものはそういうスキルのことなのだろうな、きっと。


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