編集は仕事でなく「生き方」

働き方改革という言葉が世に流布されて久しい中、何が「仕事」の範疇か、線引きで悩むときがあります。

先日打ち合わせいただいた医師が、「香西の仕事を請けるために年休の届けを出さないとだめなんだ」と笑って話されました。学会参加も基本は業務扱いですが、期間中に開催される理事会の時間は年休を申請するんだとか。

編集という言葉が表す概念は仕事にとどまらない、生き方のひとつではないかとよく思います。

歩いているときに湧くアイディア。電車でザッピングする医療ネタ。人と談笑しながら日本酒をかたむけるときに生まれる企画。バルのカウンターでメモするインタビュー内容。ひとりでハイボールを空けながら書きつらねるタイトル案。旅先で酔っ払うとつい見て回る医療施設。

・・・後半、飲んでばかりの人生みたいになってしまいましたが、そういうことだと思います。

インプットもアウトプットも、こだわることを諦めない。謙虚に行う。卑屈にならない。立場や所属に基づかない。見る目を慣らさない。媒体方針をずらさない。バイアスはかけない。ほかの「業」界を知り続ける。ポジティブとネガティブ両方やってみる。

そうやって過ごす生活のすべてが編集という点に収束していきます。仕事論と生き方論に区別がない。それが編集だと思います。


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