個人の最適化しか考えない教員は要らない

学校で働くほとんどの教員のITリテラシーは極めて低いと言われている。
それは未だに黒板とチョーク、ノートと鉛筆を使って授業が行われていることだけを見ても明らかだ。

GIGAスクール構想により、この3.4年で学校のICT環境の整備はほぼ完了している。
1人一台端末の配布に始まり、各教室の電子黒板やWi-Fi設備、デジタル教材など
ICTを活用した授業や活動を行う準備は整っている。

にも関わらず、学校でのICTの活用は今ひとつ広まらない状況だ。

それは教員のITリテラシーの低さが問題だと考えられてきたが、私はそれが1番の原因ではないと考えている。

教員の質が低下しているとはいえ、これだけ情報化が進んでいる世の中にいて、教員のリテラシーが高まらないことが不思議だ。
教員が多忙過ぎて、ICTを学ぶ余裕がないという意見もあるが、それは教員に都合の良い言い訳だ。

学校でICTの活用が広まらない1番の原因は、
教員が個人の最適化しか考えていないことだ。

教員はわざわざICTを取り入れなくても、今まで問題なくやってこられたのだから、ICTを取り入れることは短期的にはマイナスになる。
ベテランならなおさら若手に混ざってICTに四苦八苦することはない。
「そういうのは若い人に任せるよ」などと意味不明な角度から言い放ち、自分の立場を守りつつ自分を変えようとはしない。
そういう教員は若手に対して昔のやり方を押し付け、それを受け入れない場合は「無関心放置プレー」を展開し、新しい道を模索することはない。

要するに、教員達は自分さえ良ければいいという考えの人間が多いのだ。
これが、学校が変わらない1番の原因なのだ。

全体の最適化を考えれば何をするにもICTを活用する以外に選択肢はない。

ICTを活用し、教科書からノート、プリント、テスト、通知表、要録、抄本、たより類など、全ての紙がなくなれば、膨大な予算が捻出できる。これは学校全体、業界全体にとって良いことしかない。
それと同時に、書類の回収、管理、返却などの業務もなくなり、効率的である。

本来であればやらない理由はないのだが、
リテラシーの低い者がはびこるこの業界では個人の最適化が優先され、全体最適が阻まれてしまうのだ。

教員一人ひとりが学校や業界全体の最適化を考えなければ、日本の教育に未来はない。
グローバルに世界をリードする人材など夢のまた夢である。

学校や業界全体のことを考えられない者が、日本のことを考えられるはずもないが。

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