レオもマムシも飛び跳ねる

マムシが出たという。そこは春には桜のきれいな並木道だけれど、この時期にはマムシがうろついているそうだ。

「マムシはピューっと飛ぶのよ」と、お客さんが教えてくれた。どうやら飛び掛かってきて、散歩中の人や犬に噛みつくらしい。

そんなマムシを、鷺が喰らうんだそうだ。あの白くて、どことなく鶴を思い出させてくれて、遭遇するとなんとなく嬉しくなってしまうあの鷺が、蛇を好物にしているらしい。マムシの毒というのは人間ばかりに有効なのだろうか。

そういえば、小学校の頃の担任が新聞の読者欄、というかギャグの投稿欄に割と頻繁に採用されていて、その際のペンネームが「マムシ」だった。ま〇む〇〇〇し、というのが本名だったからだ。

大して好きでは無かった、その担任のことを思い出した。もうさすがに退職しているだろう。今でも投稿、続けているのだろうか。

テレ玉を「3チャン」と言われることに慣れない。北海道の実家だと、3チャンはNHKだった。でもここでは3チャンはまごうことなきテレ玉で、テレ玉は言わずもがな3チャンなのだ。

北海道ってアメリカにおけるテキサスなんだろうか、とか我が家で話題になったりもしたが、実際のところはよくわからない。テキサスのことだって「スティーブ的視点」でしか知らない程度だ、本当は。

西武ドーム、今はメットライフドーム、そこでは今日、西武対阪神の試合が行われた。獅子対虎、なんともかっこいい。

何年か前、県内の小学生みんなに西武ライオンズの野球帽が配られていて、あれはちょっと大人でもうらやましかった。

試合中、というか可愛いおねえさんたちがダンスをするぜいタイムに、レオの着ぐるみの人がバク転をする。それはもう華麗で、マジ中の人すげえ、と毎回思わされる。

ところで西武に「川越」という選手がいるの、なんとも埼玉らしくって最高だ。

「60歳にもなると仕事が無いのよ」「資格のひとつも持っていないと、とてもじゃないけれど仕事にありつけない」、そう、お客さんのひとりが私に愚痴った。

「資格のひとつ」を持っていても、メンタルがついてこないと仕事なんて満足にこなせないのを私は知っている。そして、「資格のひとつ」も持っていないけれど(正確にはワープロ検定だかは持っているらしいけれど)、うちの夫はDTMで曲を作り、なんやかんやお金を派生させている。

こういうところでもジェネレーションギャップというか、なんというか、格差じゃあないけれど、いわば差みたいなものが生まれているんだなあと、そんなことを思う。

今の世の方が昔よりかは幾分か、幸せなのかも知れない。稼ぐ術は探せばなんぼか見つかる、きっと誰でも。きっとウーバーイーツとかもそんな塩梅なのだろう。私は浜ちゃんのCMが好きだから使うなら出前館にしたいところだけど。

とはいえ我が家とて、企業に勤めて働いているからこそ生活が成り立っているのであって、制作物だけではまだまだ暮らしていけない。比重が逆になるくらいにしていきたい—と、前向きに思えるほどなのできっと、私のメンタルは今夜はずいぶんと安定している様だ。

シティハンターのOPの大沢誉志幸さんの楽曲の作詞が、かの銀色夏生さんによるものであることに、今日気づいた。

高校時代、銀色夏生さんの本にはものすごくお世話になった。めっちゃくちゃ読んだ。あの世界観が、漂うにおいみたいなものが、好きだった。

夏の日の夕暮れ時みたいな、半そでで風を受けて歩く河川敷みたいな、そんな空気感を描く作家さんだと思った。日は少しずつ暮れて、誘蛾灯に集まるみたいに虫たちがバチバチと飛んで、どこかでは手持ち花火に興じる人たちの声がしているのを、銀色夏生作品を読むたびになんとなく心に浮かび上がらせることができるように思った。

そんな銀色夏生さん、埼玉大学に通われていたらしい。この間私も車で通った、あの大学の前の道を、銀色さんも歩いたのだろうか。「学生街の喫茶店」が否が王にも頭の中に流れてきた、あの(少なくとも私にとっては)いかにも学生街な道を。

それを知られただけでも、埼玉に来て良かった、そんな心地になった。

ときどきとても寂しいけれど、とりあえず、立たねば。歩まねば。

座り込んだままでは、私はきっと、どこにも行けないのだから。


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テレビ埼玉のCMに出演中です。良かったら是非ご覧くださいね。

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