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何がきっかけになるかわからないから色々やっとくといいよ

…という内容のお話をしたいと思います。

もしかすると誰かの役に立つかもわからんので。

先日、テレビ埼玉さんからお仕事をいただいた。

ディレクターさんが基本的に何でもOKしてくださったので、撮影中の写真なんかも自由に撮れたのだけれど、なんやかんやこれっくらいしか撮れていない。

夫と私が生計を立てる為に勤めている会社の所長に見せたら「Mステみたいですね!」と褒めてくだすった。ちなみに所長も元バンドマン…うちの職種、バンドマン率すごい高めです。

実際、テレビの現場というのはエグいくらいやばかった(語彙力…)。

プロのカメラマンさんや音響さんがたくさんいらしていて、プロの仕事を間近で見てしまうともう、それがどれだけ重みのあることなのかを自覚せざるを得ないというか…うまく言えないけれど「全力でやらなきゃ」と何度も思わされた。勿論、全力でやったんだけどもね、いかんせん私不器用でな…(´・ω:;.:...

ちなみに夫の方はそこそこライヴ慣れしているせいか、めちゃくちゃいい動きをして余裕で撮影に臨めていた。すげーな。

さて、ディレクターさんがどうして我々にこんなでかいお仕事を与えてくださったかと言うと、

「埼玉のメタルバンドで検索したら、すぐ出てきたから」だそうだ。

実際、ググるとマジで我々のバンドが出てくる。

そしてディレクターさんが我々のことをよく知る為に読んでくださったのがどうも、このインタビュー記事だったらしい。

この「そうだ埼玉.com」さんというメディア、別件で問い合わせたら「せっかくバンドやってるんだし『そうだ埼玉』を楽曲カバーしてくれたら、インタビューもしますよ!」とお声がけいただいたので、それに乗っからせていただいたのだ。

バンド結成から去年くらいまで本当、私はかなり必死で、どうにかしてバンド活動を軌道に乗せたいと四苦八苦していた。

いかんせん、家計を維持していく為にはライヴをばんばん打つわけにはいかない。というかメンバーがそもそも二人きりのバンドなので、仮にライヴをするにも準備がいろんな意味でえらくかかる。

これまでバンド活動といえば、圧倒的にライヴを打つことの比重が大きかったと思う…どこも、どのジャンルも。ライヴをやってこそバンド活動、やらないでバンドを名乗っているのなんて、お遊び—みたいな風潮が強かった。

「うちらはお遊び扱いされているよね」、夫が酔うとよく言っていた言葉だ。

しかし、調べていけばどうも、たとえばベビメタあたりだと「ファンを増やしてからライヴを打つ」という戦略で勝負していたみたいだし、それもあって私は「ライヴはファンが増えてからやりたい、どうせなら満員御礼の初ライヴにしたい」、そんな風に考える様になった。

そうなると、別の方法で広報活動をしていかねばならない。

その中にあったのが、インタビュー記事を書いてくださるメディアを探すことだった。

(↑ この記事もその内のひとつ。本当にありがたかったなあ。)

インタビュー記事って、あるだけでちょっと特別感が出る気がする。

実際、上記の記事に関してNACK5(埼玉のFMラジオ局)のパーソナリティーさんがTwitter上で反応してくれたり、目に見えた反響もあった。

ただ、これだけ素敵に仕上げてくださったインタビュー記事があったとて、やっぱり世間の目は厳しく、ライヴをしてこなかった自分たちに「お遊び」という評価がなされている実感は、私たちから消えることは無かったのだ。

(念の為断っておくけど、記事が悪いとかでは無い。インタビューしてくださったメディアには本当に感謝の限りです。その節はお世話になりました。)

そういう中でいきなり舞い降りた依頼こそが—テレ玉さんによるものだったのだ。

インタビューを受けたことがまさかここで力を発揮するとは正直、思わなかった—というか想像の斜め上すぎた。

けれども「インタビュー、受けておいて良かった…」、そうつくづく実感させられたことは、言うまでも無い。

のろけみたいになっちゃうんだが、うちの夫の作曲能力はそれなりに高いのだと思う。バンドメンバーなので多少謙遜を入れた書き方をしたけれど、実際に今回の撮影で依頼された楽曲も、一日で作り上げてしまって、ディレクターさんに驚かれた。

引き出しの豊富な人なのだ、多分。90年代Vロックからブラックメタルまで何でも好きだから、その(いい意味での)雑食さが彼の引き出しを増やしたのだろう、まあ、Jポップは好かんみたいだけれど。

そういう彼の楽曲が、これまであまり評価の対象にされなかったことが、私としても悔しかった。それは私の広報不足であって、もしも彼が名の知れたメタルバンドにでも引き抜かれてそこで楽曲を作ったらば、きっと「神曲だ!」なんて持て囃されるに違いない。

そういうものなのだ、知られてさえいれば評価は変わる。

それを知っているバンドは、たとえばバラエティ番組に出、たとえばYoutubeで突飛なことをしたりして、実際に世に出て活躍していたりする。

知られていないというだけで、売れるものも売れなくなる。売れればいいというワケでは無いのだけれど、「売れる」の中には「名前が売れる」も含まれる。名前が売れていないと、それだけでお遊びのレッテルを貼られる。いくら楽しんで活動していても、真剣にやっているのにお遊びだと言われ続けるのは、やっぱりしんどいというものだ。

だから「このテレビ出演が我々ThickFogの名を広めてくれます様に」—そう、どうしても願ってしまう。

そして、ついでに。

高校時代に憧れて、けれども金銭的に着られなかったブランドのお洋服でバンド活動ができる幸せよ。

私生活ではしまむらの(でもね、可愛い)お洋服ばかりで過ごしている私ですが、やっぱりバンド活動では、ゴシックロリータとかゴシックとかそんな塩梅でやっていこうかなと思います。

そうすることが、鬱屈した高校時代に在った自分の心を、今からでも救う気がするから。


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