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なんで始まったら終わってしまうんだろう。

いつしか気持ちが薄れていって恋人との明日を望まなくなるのかと思うと、恐ろしくてたまらなくなる。

気づく過程の一つ一つの中に気づきたくない過程がある。気づくまでの過程には気づかず、気づき終わった途端に発覚する事実は優しい。気づく過程すらも気づく時、そのさきの未来の終わりを感じて悲しくなる。

恋人へ向ける視線や瞳に映る一つ一つのカットに恋人フィルターがあるとしたら、それは時間と共に弱まり薄れてオリジナルに戻っていく。オリジナルでも愛せるのかそれらを、受け入れられるのかそれらを。自信がない。

恋人の顔はタイプじゃない。
ただ、後から好きになることもこの世の中には存在する。ここに。
おでこが狭くて一重で、笑うと目尻にシワができて口角をやや上げて微笑む。おろした前髪よりもかきあげスタイルが似合う骨格が綺麗な人である。スキニーがよく似合う人で、履き慣れて少し擦れた淡い水色のスキニージーンズが一番好きだ。最近はブルーライトカット搭載のメガネも新調してさらにおしゃれになった恋人。職場でも褒められるらしい。

いつから、恋人フィルターがついたのだろう。
いつから、恋愛感情を抱くようになったのだろう。

経験値が浅いことを以前綴ったのだけど(なぜかちょくちょくいいねされてる)どうやら恋愛体質ではないらしい。
心の底から人を好きになることはないんだと思っていた、中学時代も、高校時代も、周りの女の子たちが色気たち口紅やアイプチ・カラコンなどが流行って「可愛い」を追求しながら恋愛にも積極的で、いつも話を聞く側だった。
「彼氏いるの?」って聞かれるのが苦痛だった。
「いつからいないの?」って聞かれるのは地獄だった。
高校生なのに彼氏いないのとか高校生なんだから彼氏がいるとか、どこの常識をわたしに照らし合わせて声かけてるんだよって思っていた。

初めて付き合った人は友達の紹介だった。
高校1年生の春、仲良くなりたての友達から唐突に紹介された。その男の記憶はもうほとんどない。ここに綴れるほどの思い出もない。そのくらい短い相手だった。わたしのはじめての相手であるのに、その記憶のほとんどは抜け落ち寂れている。思い出したくもないと一時期記憶に蓋をしていた頃もあったような気もするがそれももう曖昧だ。当時はいい人じゃなかったと思っていたけど、今思うと自分のことを見すぎて相手を想いやるとか向き合うとか考えてなくて相手のことを知ろうともしなかったと思う。浅はかで幼稚なお付き合いだった。

それからもいくつかいい雰囲気になりそうな人はいたし、付き合った人もいたけど、やはり短い相手となって終わっていった。
わたしの第六感というものだろうか、強すぎるこだわりがそうさせるのだろうかわからないが、いつもどこかで「この人じゃない」「合わない」と毎回嫌悪感にも似た感覚を覚える。神経のもっと奥の方、心よりももっと繊細なものの何かがいつも正しい答えを訴えかけているような気がしていたし毎回わたしはそれに従っていた。世の中では「直感」と呼ぶものかもしれない。

その「直感」に引っかかってしまう人たちばかりだった。ずっと。
専門学校時代も社会に出ても、魅力的な人はいるのにいつもどこか引っかかってもう一歩先に進むことができなかった。

違うって自分が自分に教えているみたいに。
なんとか相手を見つけたいと思って焦ってもわたしの直感はそれを許さない。もう誰でもいいやって思っていた時もわたしはわたしのその行動を許さない。
人を好きになれる感情を、恋愛感情を抱けることがどれほど貴重で尊いのか思い知った。そして22歳くらいのとき、わたしは人を好きになれない恋愛感情を抱けないタイプなのかもしれないと思った。もともとあまり人に興味がなかったし、相手からアプローチされないと自分から意識を持とうとしなかったから。今まで本当に好きだったことなんてない。心からの好きという感情を経験したことなんてない。きっとこれからもないんだと思った。

そんな時に今の恋人である。
なんで好きなのかわからない。わからないけど好きなのだ。わたしの直感は何も言わない。黙ったまま。付き合う前にはじめて手を握られた瞬間も直感は働かなかった。まるでこの人だよって言っているみたいに。

ようやく見つけた、手放すのは惜しすぎる。

だけれど始まればいつか終わるものだとよく言われている。わたしもそう思う。出会いがあれば別れがあるように、いつしかこの気持ちにも終わりが来るのだろうかと思うと恐ろしくなる。
手に入れた感情を失う時が来るのかと、また手に入れられるのかと不安になる。どうして終わってしまうのだろうと、涙を流す夜もある。

考えてもしょうがないことだってよく知っている。
ただの惚気にしか聞こえないことも。
恋人への最大のラブレターなのかもしれない。(意味不)

いつか、恋人へ向ける視線が変わるときがくるかもしれない
ネガティブな感情を吐き散らすときがあるかもしれない
かもしれないに縛られて苦しい深夜を、アイスコーヒーで流し込むこともあると思う。いつだってネガティブはわたしの隣で一緒に歩いている。

うまく付き合っていきたい。恋人とも感情とも。

以前も抜粋した本からまた抜粋して終わり。
救われる言葉がたくさんある。
(+1cmという本から)

誰かにとって恋に落ちなかった理由は
他の誰かにとってはどうでもいいことかもしれない。
あなたが今、恋愛できないのは短所のせいなんかじゃなく
その短所を大したことないと思ってくれる誰かに
長所こそが大切だと認めてくれる誰かに
まだ出会っていないからだ。
恋愛って出会う人との運次第だ。

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