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サンクコスト効果・コンコルド効果って何?

目安時間:7分

当記事は、
ビジネスや就活で役立つコンテンツを5分程度で読めて、直ぐに実践できるをコンセプトにTHEProfessional運営メンバーが執筆したものです。

今回は心理学のある面白い心理バイヤスを紹介します。

マーケティングを学びたいという方は必読です。

タイトルにもある通り、
「サンクコスト効果(コンコルド効果)」
です。

サンクコスト効果とコンコルド効果は名前は違うだけで同じものです。

今回はサンクコスト効果とはなんなのか。
どういった状況でその効果が現れるのか。

についてご紹介していきます。

サンクコスト効果って何?

”サンクコスト” は英語表記で ”Sunk Cost" と書き、
それゆえ日本語では "埋没費用” と呼ばれることもあります。

サンクコストの定義に入る前に有名なたとえ話をしてみますので、皆さんならばどうするか考えてみてください。

あなたは、50キロほど離れた街で開催される、ベースボールの試合を観戦する予定を立てました。あなたは既に前売りの観戦券を50ドル(約5500円)で購入しています。ところが、試合当日の天気は大荒れで試合の行われる球場に行くのはとても危険で困難です。さて、あなたはどうしますか。

1:試合会場にいく
2:家で大人しくテレビ観戦をする

サンクコスト効果の影響を受けやすい人は、この選択においておそらく「1.試合会場に行く」を選んだのではないでしょうか。しかし合理的に考えれば、嵐によって試合に行く途中に事故にあったり、通行止めに合って試合に間に合わない可能性もありますし、試合ならば今後また行くこともできるので、「2.家で大人しく中継を見る」を選択する方が得策と言えます。ここには、既に払ってしまった50ドルというお金に対し、「試合に行かなくてはもったいない」という心理的バイアスが働いているのです。

しかし次の場合はいかがでしょうか?

試合当日の天気は、先ほどと同じく大荒れです。ただ、観戦券は運よく友人からプレゼントされたものです。さて、あなたはどうしますか。

1:試合会場に行く
2:家で大人しくテレビ観戦をする

おそらくこの場合だと皆さんの多くが、「2:家で大人しくテレビ観戦をする」を選ぶと思います。なぜならこの観戦券は自分で購入したものではなく、人からもらったもので、「もったいない」という感情が薄れるからです。

この2つのケースは、人の判断が、過去にお金(コスト)を支払ったかどうかで、合理的で無くなりやすいことを如実に示しています。


サンクコスト効果の実際の例

実はサンクコスト効果が現れる例はたくさんあります。

<つまらない本を購入してしまった例>

例えばあなたが本を3000円で購入したとします。少し高いですよね。

あなたはその本を第5章のうち第2章までを読み終わり、その本からは得るものは何もないし、面白くないと感じてしまいます。

合理的に考えれば、つまらない本にいつまでも時間を割くよりは、次の面白そうな本を見つけて読み始めた方が時間の効率的には良いのですが、既に支払った3000円という、本を買うにしては少し高いコストが頭をよぎり、
「もったいないから最後まで読もう」という判断に至ってしまいがちなのです。


<食べ放題の例>

焼肉屋さんなどに行くと「2980円で90分食べ放題!」という店があると思います。
よく見るのは、時間内にあとで払う金額のもとを取ろうと必死になって食べ進めて、既にお腹がいっぱいになってもまだ食べる人です。
これは典型的なサンクコスト効果です。
合理的に考えれば、ある程度食べた段階で食事としての役割である「美味しくお腹を満たす」という作業は終えたはずなので、食事も終えるはずなのです。しかし、2980円で食べ放題という言葉に気を取られて、お腹を満たすということよりも、払うことが決まっているお金に対する「もったいなさ」から食べ続けるわけです。

経済学的にはこれを「限界効用逓減の法則」という言い方をします。
目の前にその人にとって魅力的なものが無限にあったとしても、ある一定以上まではその人の満足感や幸福(=効用)が上がるが、それ以降効用は上がらないというものです。
(例:年収、アイスクリーム、食べ物など)

限界費用逓減の法則について詳しく知りたい方はこちら(※順次公開予定)


サンクコスト効果の応用例

ではサンクコストが実際にマーケティングにおいてどのような使われ方をしているのかを見ていきましょう。

例①「レアガチャ」
皆さんは携帯ゲームはしますか?ちなみに私は以前ガンホーの出したパズドラに猛烈にはまっていた時期があります。w
こういった携帯ゲームには度々、「ガチャ」や「ルビー」などの課金をしてゲームをより有利に進めたり、より多くのキャラを得たりすることができるものがあります。
この中でも、以前「コンプリートガチャ」というものが社会問題となりました。あるレアアイテムを得るためには、レアガチャを引いて特定アイテムを全て入手しなければならないようになっていました。
さらにこの支払いについては後払いだったので、中高生の大量買いが起こってしまったことで問題となりました。

皆さんも気をつけましょうね。w

例②「ディアゴスティーニ」
分冊百科と呼ばれるディアゴスティーニは、定期購読することで、組み立て式の「車」や「プラモデル」の一部を毎月手にすることができ、数ヶ月後にようやく1つのおもちゃが完成するものです。過去のコストへのもったいなさという心理バイアスをうまく利用したビジネスと言えます。


まとめ

いかがでしたでしょうか。ここであなたが意識しなければならないのは、常にサンクコスト効果にとらわれない合理的な判断をするということではありません。
重要なのは、「自分の判断軸を持つ」ということです。社会人になったら遊べなくなるという将来のコストを考えて、今遊びたくなる大学生の心理(食べ放題と一緒)は、必ずしもその人の人生において間違いとは言い切れないのです。
自分が合理と感情の間で、しっかり考えて納得することが大事だと思っています。勉強も大事ですけどねw

この記事はビジネスの基礎力を身に着ける、外コン/外銀/ベンチャー/企業を目指す若者向けのコミュニティ、The Professional運営が書いたものです。
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執筆担当 樋口
THE Professional 運営
福岡出身。趣味は釣りとバスケとカラオケ。
EC領域での採用業務経験あり。将来的には都会の喧騒から抜け出し、田舎で小洒落なカフェを開いて隠居したい若者。