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ゴルフの蒐書家・三巻俊夫

 『昭和戦前蒐書家リスト 趣味人・在野研究者・学者4500人』(トム・リバーフィールドさん編集, 2019年)に、三巻俊夫という人物が載っている。この本によれば、三巻は『日本蒐書家名簿』(日本古書通信社, 1938年)に登場し、蒐集分野は「ゴルフに関する文献、紀行文」となっている。三巻に関してウェブで検索してみると、以下のブログで紹介されていた。

三巻は『人事興信録 第11版』(人事興信所, 1937年)にその略歴が紹介されているので以下に引用してみたい。

三巻俊夫 台北州会議員、台湾石材(株)社長、台湾倉庫(株)専務取締役、東海自動車運輸、南邦自動車、台湾新聞社各(株)取締役 山口県在籍(中略)故陸軍少将三巻弘義の二男大岡大三の兄にして明治十二年九月出生大正七年分家す明治三七年京都帝大法科を卒業し直に台湾銀行に入り各所の支店長を経て大正五年台湾倉庫会社の創立せらるるや同社専務取締役に挙げられて今日に至る傍ら前記各会社の重役を兼ぬ台北州会議員に推され台湾ゴルフ倶楽部専務理事にして曩(さきに)に台北市協議会員たり 趣味 謡曲ゴルフ(後略)(一部を現代仮名遣いにあらためた。)

三巻の趣味はゴルフとなっているが、ゴルフに関する書籍の蒐集も含んでいたのだろう。ちなみに、『日本蒐書家名簿』と『人事興信録 第11版』の両方で三巻の住所は「台北市築地町1-8」となっているので、両方に登場する三巻は同一人物と言える。

 三巻には、『在台三十年』(1939年)という著作が国会図書館デジコレで閲覧(ただし、図書館送信)できるようなので、機会があれば読んでみたい。

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