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石川三四郎とアメリカ

 以前投稿した記事でも紹介したように石川三四郎の自伝的な文章である「浪」はありがたいことに青空文庫で閲覧することができる。

この文章中で自由民権運動の関係者であった茂木虎二郎、橋本義三と青年期から交流があったことを知った。その部分を以下に引用してみたい。

(前略)私が十五歳の時、私を東京に呼んでくれたのは、郷里の先輩、茂木虎次郎(後に佐藤となる)といふ米國法學士の新歸朝者で、私の家に來てくれて、直接私に出京を促すので私はうれしくて飛びたつばかりでした。明治廿三年(一八九〇年)右の茂木氏とその同窓の橋本義三氏(後の粕谷氏、衆議院議長)との共同家庭の玄關番になつたのは、それから間もないことでありました。そこで初めて社會主義の話を聞き、佐藤氏がアメリカで見聞したシカゴ無政府主義者の大ストライキの物語などを聞いて私は少年の血を湧かしました。(後略)

上記の引用文中にあるように、石川は彼ら経由で社会主義やアナキズムについて知ったという。これらの知識がアメリカに渡った自由民権運動関係者を経由して石川に影響を与えたということが非常に興味深い。ちなみに茂木、橋本はアメリカ滞在中に南方熊楠とも交流があったことで知られている。

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