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柳田国男と交流のあった謎の男・岡田建文の伝記的な論文を発見

 『怪談前後―柳田民俗学と自然主義』大塚英志(角川選書, 2007年)という柳田国男に関する研究書があるが、この本に「岡田建文」という謎の人物が登場する。数年前、同書を読んだときにこの人物の詳細を調べたことがあったが、以下のブログから心霊主義の関係者ということが分かった。

このブログによると、岡田は大本教の関係者であり、戦前に多くの書籍や様々な雑誌に文章を投稿していた文筆家であったという。このブログ以外にウェブ上で読むことのできる岡田建文に関するまとまった文章は私が当時調べた限りではなかった。しかしながら、先日あらためて調べてみると、『島根史学会会報』第55号に「松江の郷土誌『彗星』主幹・岡田建文の霊怪研究」西島太郎という論文が収録されており、この論文がウェブ上で閲覧できることが分かった。参考のために以下にこの雑誌のリンクを貼っておく。2017年7月に発表された論文であるようだが、ウェブ上で公開されたのは2020年5月であるらしい。

この論文は岡田の生涯の詳細がまとめられており非常に興味深い。特に私にとって興味深かったのは、心霊主義のブームが地方まで広がっており、その普及に貢献した地方発行の雑誌があったということである。岡田の発行していた『彗星』は島根県で発行されていたが、他にも地方で発行されており心霊主義を普及させようとした雑誌があったかどうかは気になるところだ。

(文章中の名前は敬称略)

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