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歌舞伎趣味誌『梨園』の発行者・松岡一男が登場するある日記

 以下の記事で愛知県旧起町(『土の香』を発行していた加賀紫水も在住)に住んでいた松岡一男が発行していた歌舞伎趣味誌『梨園』のことを紹介したが、この人物が登場する日記を発見した。その人物は夏目漱石の弟子であった森田草平である。森田の日記の一部は『森田草平選集』第5巻(理論社、1956年)に収録されているので、松岡の登場箇所を引用してみたい。(この日記は国会図書館デジコレで閲覧できる。)

(昭和二十三年)
六月七日(月)(前略)尾洲起町の松岡一男君へ返事を出しておく。(講演依頼に対する返事)
六月二十七日(日)(前略)起町の松岡一男宛て、伊藤証信との対談を断る手紙を出しがてら、鬚剃りに行く。(後略)
八月二十五日(水)(前略)起町の松岡一男へ礼状を出す。(後略)

 森田が松岡と書簡のやり取りをしている。松岡と森田の間にはどのような交流があったのだろうか。また、松岡は森田以外の文藝関係者とも交流があったのだろうか。ところで、『森田草平選集』には森田の日記が一部しか収録されていないが、最近『森田草平資料選』(2023年)が出版されこの本に日記も収録されているようである。

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