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『キネマ旬報』に『土の香』の加賀紫水が登場

 先日、国会図書館デジコレを検索していた際に、『土の香』を発行した加賀紫水が『キネマ旬報』の「ファンの趣味欄」に投稿していることに今さらながら気が付いた。第198号(1925年7月)よりその部分を引用してみたい。

各地主要館優秀プロ及チラシ交換切望。ファン謄写誌のレター交換希望す。愛知県起町紅潮詩社、加賀紫水

ここでは加賀が各地域の同好者に交流を呼びかけている。加賀は『紅潮』という文藝雑誌を発行していた(注1)ので、紅潮詩社は加賀の主宰していた団体であろう。『土の香』はまだ発行されていないので土俗趣味社以前の加賀主宰の団体である。興味深いのは、加賀は「ファン謄写誌」の交換を呼びかけているが、当時このような個人誌が多く存在したことである。「ファンの趣味欄」には、映画の趣味誌の案内が多く載っているがおもしろい。これらの雑誌で現在も残っているものがあるのだろうか。古本市での出会いを楽しみにしたい。

(注1)加賀紫水「細道を回顧する」『百人一趣』下巻(土俗趣味社、1946年)。この文章は『尾西市史』下巻(尾西市、1998年)に収録されており、国会図書館デジコレ(個人配信限定)で閲覧可能。

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