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謎の男・平澤哲雄の渡欧送別講演会の演題が判明―ヤフオクで驚きの発見

 ここ1年くらいヤフオクを利用するようになったが、たまに予想外のものが出品されていることがある。先日たまたまヤフオクを調べていたところ、拙noteでも度々取り上げている謎の男・平澤哲雄に関する資料を発見して驚いた。

以前以下の記事で紹介したように、1924年に平澤は妻である吉村勢子と何らかの理由(大阪毎日新聞の海外特派員、国際連盟関連の団体に参加などが理由であると推測しているが、実際のところは不明。)で渡欧しているが、同年2月17日にそれを祝して平澤の渡欧送別会が開かれている。以下の記事で紹介したものだが、この送別会の詳細を再掲しておきたい。

平澤哲雄氏 渡欧送別講演会 二月十七日(日曜)正午於上野自治会館

今度世界哲人の私的連盟の事業に我国より選ばれて近東各地西欧各国に旅される平澤氏の文化上意義深き行を壮んにする為め送別講演会を催します

主催平澤送別講演会幹事 南方熊楠、西田幾多郎、遠藤隆吉、大山郁夫諸氏

講演者 団伊能、北れい吉、吉江喬松、片上伸、平澤哲雄、紀平正美諸氏
平澤氏の行に資する為め特に会費金五十銭といたします

講演 東京日日新聞社

この案内は1924年2月14日の「東京日日新聞」に掲載されたものだが、講演会の内容までは書かれていなかった。しかしながら、この講演会の当日もしくは事前に講演会を聴く人々に配られたと推測される資料をヤフオクで購入でき、当日の講演者の講演内容が分かったので、以下に写真を掲載したい。

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写真では資料の大きさが分かりにくいが、大きさはたて約11.4cm×横約9.2cmである。講演会で平澤は「我国民文化土壌の革新」という講演をしたことが分かる。平澤はインドの哲学、美術、仏教に大きな関心を持っていたので、これらを通しての革新を主張していたのだろうか。

 ところで、この資料は何であろうか。上記の写真をみると分かるが、資料の下の方には切取り線のようなものが付いている。講演会場へ入場するためのチケットの半券のようなものであったのだろうか。いずれにしてもこの資料が元々どこにあったのかが気になるところである。



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