中部憲兵隊司令部付通訳・九十九豊勝?
九十九豊勝は、性に関する風俗を中心に日本、世界各地の土俗を蒐集して東洋民俗博物館を開いたことで知られている。九十九のことを簡単に紹介したWebページでは、多くの趣味人が掲載されているKokeshi Wiki様がある。
しかしながら、九十九の伝記的事実や書誌についてはまだまだ知られていないことも多いと思われる。加賀紫水の発行していた『土の香』の復刊第1巻第2号(発行:1945年10月)の「交信欄」には九十九からの短信として、敗戦後に中部憲兵隊司令部付通訳として勤め始めたことが紹介されている。九十九によれば、これが18年ぶりの官庁への奉職になるという。上記に紹介した記事によれば、九十九は昭和3年(1928年)に教員を辞めて東洋民俗博物館を設立しているので、「18年ぶりの官庁への奉職」とは官庁で仕事をするのは教員を辞めて以来という意味であろう。九十九はお札博士・フレデリック・スタールの日本滞在時の通訳をしていたので、その経験を生かしたのだろうか。
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