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佐々木喜善にもアプローチしていた?趣味人・伊藤喜久男

 以下の記事で紹介した『佐々木喜善全集』第4巻(遠野市立博物館、2003年)だが、ここに収録されている佐々木喜善の日記には、多くの出版関係者、当時発行されていた雑誌が登場するので民俗学の出版史の資料としても活用できる可能性がある。

たとえば、昭和7年7月14日の条に「関徳弥、旅の趣味会、郷土風景社に手紙を出す」という記述がある。ここで登場する関徳弥は宮沢賢治とも交流のあった歌人、郷土風景社は拙noteでも度々言及している谷川要史の発行していた雑誌『郷土風景』の発行元である。

旅の趣味会はおそらく趣味人・伊藤喜久男が主宰していた会であると思われる。串間努「日本における趣味誌発行の歴史 第五回昭和戦前伊藤喜久男さんのこと」雑誌『旅と趣味』第6号(2011年)によると、伊藤が旅の趣味会を結成したのは昭和3年(1928年)であるという。伊藤は佐々木とも交流があったと思われることがわかったが、両者はいつごろから、どのようなきっかけで交流が始まったのだろうか。

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