まるてぃん

行動デザイナー兼脳外科看護師。 現在、育休中につきサバティカルタイムとして隙間時間をつ…

まるてぃん

行動デザイナー兼脳外科看護師。 現在、育休中につきサバティカルタイムとして隙間時間をつかって、ウェルネスや行動デザインの知識を健康と投資に落とし込むメソッドを構築。 wellness investment clubとして行動デザインコンサルティングを行っている。

マガジン

  • Metamorphose magazine(メタマガ)

    Metamorphoseとは、変化のことを指します。 脳がメタモることで、習慣が生まれ、人生が変わります。 自分のみならず、誰かの変化のきっかけとなればと日々綴っています。 メタモる後押しとなるような記事も集めています。 予言は成就します。 変わる、変われるという思いが全てのはじまりとなります。 発する言葉や思考により、人生は可塑的に変化します。

最近の記事

「教わる」より「教えろ」

「教わる」よりも「教える」ほうがやる気が出る 自分のこれまでの行動を思い返してみてほしい。 例えば、自分が得意としている趣味や仕事の領域において、助言を与えてもらったり、説教されたり、講釈を受けたりするよりも、逆に自分が「教える」立場であったほうが、悦に浸ったり、俄然やる気が出た覚えがあったはずである。 ここで、最初にネタバラシをしておくと、 必要なのは、 〝自己効力感〟 である。 ある研究では、食事や運動の習慣を変えられる自信があると答えた人ほど、減量に成功する

    • 完璧を目指さない

      ときにはゆるさが大事ダイエットにおいて、陥りがちなのが、自分の理想を掲げ、そこに向かっていく道筋を完璧に仕上げたいあまりに、ちょっとしたつまづきが、ドカ食いややけくそ食いを招いてしまうことである。 こうした効果は、「どうにもなれ効果」と呼ばれる現象で、さまざまな研究結果から明らかになっている。 小さな失敗のせいで、自信が崩れ落ちてしまい、もう絶対成功できないと思い込んでしまうのである。 これに対抗するには、一度や二度のちいさな失敗は些末なこと、とるに足らないこととして

      • 習慣の動物

        40%のデフォルトを利用する小説家の村上春樹氏はあるインタビューでこう語っている。 〝とにかく自分をペースに乗せてしまうこと。自分を習慣の動物にしてしまうこと。一日十枚書くと決めたら、何があろうと十枚書く。〟 習慣を形成することは、今日明日でできることではないが、一度、それが形成されてデフォルトにしてしまえば、これほどに怠惰なことはない。 モチベーションに関係なく、日々の日常となり、やらないと気持ち悪くなる。 やらないといられなくなる。 そこまで持っていくのが理想

        • 怠惰とハサミは使いよう

          怠惰は悪いとは限らない怠惰と聞くと、イメージするのはネガティブな要素である。 早起きしたいのに、ついSNSで時間を潰して夜更かししてしまう、ネットフリックスやアマゾンプライムで映画やドラマをイッキ見してしまう、自炊したいと思っていてもついファストフードに頼ってしまうなど。 しかし、怠惰には、膨大な時間と労力を無駄にするのを防いでくれるメリットも併せ持っている。 人間には最も楽な道を行こうとする習性あるので、それを適切に利用すれば、行動変容を促すことができる。 ある病

        「教わる」より「教えろ」

        マガジン

        • Metamorphose magazine(メタマガ)
          18本

        記事

          制限とは、自由である

          コミットメント装置本日も書籍『自分を変える方法』(ケイティ・ミルクマン/ダイヤモンド社)を参考資料として、実生活へと落とし込んでいきたい。 行動経済学では、「人間は必ずしも柔軟性と自由を選好するのではなく、ときには誘惑を避けるためにその逆を選好する」という考えがあり、「コミットメント装置」と呼ばれている。 コミットメント装置とは簡単にいうと、 〝より大きな目標を達成するために、自分の自由をあえて制限するような仕掛けのこと〟 である。 例をあげていくと、 まずはフ

          制限とは、自由である

          目標にひとさじの「甘み」を

          現在バイアス悪い習慣は頑張らなくても、すんなりと日常に入り込んでくるのに、逆に良い習慣は簡単には作られない。 悪い習慣と違って、すぐ目の前の報酬が得られるわけではないからこそ、挫折する確率が高い。 人の基本設定は遠い未来の報酬よりも近い将来の目先の利益に報酬系を刺激されやすくできているがゆえである。 行動経済学的にいうと、「現在バイアス」と呼ばれるものである。 いますぐ報酬が得られる誘惑を、遠い先に得られるもっと大きな報酬よりも優先してしまう習性であり、万国共通だとい

          目標にひとさじの「甘み」を

          The Gold Experience

          片づけTips前回の続きである。 今回はナッジ理論の片づけへの落とし込みである。 書籍『自分を変える方法』(ケイティ・ミルクマン/ダイヤモンド社)に紹介されているナッジを片づけtipsへと昇華していきたい。 いつ始めるか?何か新しい習慣を形成したり、行動変容を促すのに最適な時期やタイミングを考えることは、〝何を、どのように、どこでやるか〟を考えるのと同じくらい重要である。 いつやるか? 人は何かを変えたいと思うとき、新たなスタートのように感じられる瞬間を探そうとす

          The Gold Experience

          The Gold Transition

          Zauberkugelわたしは、片づけとは〝魔法の弾丸〟であると考えている。 魔法の弾丸とは、医学領域で使われる概念である。 1900年代に梅毒に著効する抗生剤のサルバルサンが開発された。 この開発の背景にあった概念が〝魔法の弾丸〟である。 名付け親が免疫学の基礎を築いたドイツのノーベル賞受賞者パウル・エールリヒという人物なので、ドイツ語で〝ツァウバークーゲル(Zauberkugel)〟という。 銃から発射された弾丸が特定の標的に命中するのと同じように、侵入してくる微

          The Gold Transition

          衣食住の思考フレームワークvol.2

          冷蔵庫編前回に続いて、グラフィックデザイナーの佐藤可士和さんの思考プロセスをフレームワークとして活用していきたいと思います。 前回はこのフレームワークを用いて、クローゼットの中身を整理するというイメージトレーニングを行いました。 今回は冷蔵庫でイメトレです。 まずは、前回同様に1.状況把握からです。 この状況把握が全ての始まりになります。 冷蔵庫の中身を全部出して、目の前に展開して見える化していきます。 次に2.視点導入です。 明らかに賞味期限が切れている食材や

          衣食住の思考フレームワークvol.2

          衣食住の思考フレームワーク

          ロジカルシンキング衣食住を整えるということにおいて、片づけは根幹をなしています。 この片づけは、むやみやたらに目の前のものをただ整理整頓するだけでは、収拾がつかなくなってしまったり、中途半端に終わってしまったり、途中で飽きてしまったり、やる気がそがれたりしてしまいます。 結果、挫折してしまう憂き目にあいやすいのです。 自分の内にある〝WHY〟(目的、大義、ゴール、価値観、アイデンティティなど)を中心として、それを補完する形で〝ロジカルシンキング〟を導入するといった手法が

          衣食住の思考フレームワーク

          資本主義をハックするvol.3

          衣食住=環境2016年にGoogleが自社のニューヨークのオフィスである実験を行ったそうである。 多様なお菓子が置いてあり、それらを自由に食べられるスナックスタンドを起点に、2箇所のドリンクバーを設置し、ひとつはスナックスタンドから1.8mの距離に位置し、もう一つは5.5m離れた場所に設置。 従業員400人の行動をしばらくの期間追っていったところ、どのドリンクバーを使用したかによって、行動に如実に差が出たという。 スナックスタンドから近いドリンクバーを使った人のほうが、

          資本主義をハックするvol.3

          資本主義をハックするvol.2

          Enough is enough文明病の原因、それはあまりにも何もかもが、 〝too much〟 多すぎるということに起因している。 「進化的ミスマッチ仮説」というものがある。 ヒトが、良い方向に進歩していくことで、望ましくない結果を得るというもの。 資本主義経済の中で、人類史上類を見ないほどの豊かさを享受できる一方で、その副作用が生じている。 詳しくは、別のnoteにて書かせてもらっている。 進化にマッチさせる身の回りを片づける、衣食住を整えるということは、

          資本主義をハックするvol.2

          資本主義をハックするvol.1

          文明病資本主義社会が高度化する中で、人類史上において類を見ないほどに便利で住みやすい世の中になっている。 起元前にかつて栄華を誇っていたエジプトやローマ、ギリシャやペルシャといった国やその王族よりも、よほどいい生活を送れているだろう。 インターネットのインフラがあまねく整備されたことで、現代人が1日に受け取る情報量は江戸時代の1年分にも相当するという。 ここ10年で比較すると、個人の受け取る情報量は530倍にもなっているというのであるから脅威的である。 しかし、文明が

          資本主義をハックするvol.1

          片づけはWHYで仕留める

          WHY10割衣食住を整える上で10割といっても過言ではないと思っているのが、まずはとにもかくにも、自分の〝WHY〟を明確にすることにあります。 それを中心に据えることで、迷いが生じてもブレなくなります。 衣食住において住む家や使うモノ、自分の細胞を構成する要素となる食材たちをヒトに見立て、〝WHY〟に共感するメンバーで構成するイメージです。 わたしはこれまで、家にあふれるモノや冷蔵庫の食材は使役するもの、使わないものは押入れの奥に追いやり、空いているスペースは無駄とばか

          片づけはWHYで仕留める

          ナラティブベースな片づけ

          エビデンス&ナラティブ今日は衣食住を整えるための具体的な思考方法について綴っていきたい。 衣食住を整える際には、自分がまずはいかに〝認知のクセ〟というか、〝非合理的な判断〟を下しやすいかということを認めてあげることからはじめなければならない。 そうしないと、事あるごとに自分が思っていることと真逆のことをしてしまった時などに、いちいち自己嫌悪に陥ってしまう。 それを繰り返していくうちに、「学習性無力感」に陥り、自分を変えることを諦めてしまうこととなると思う。 〝やっても

          ナラティブベースな片づけ

          トランジション

          ヒトが変わる3つの方法 経営コンサルタントとして有名な大前研一氏の言葉にこんなのがある。 〝人間が変わる方法は3つしかない。1番目は時間配分を変える。2番目は住む場所を変える。3番目はつきあう人を変える。この3つの要素でしか人間は変わらない。最も無意味なのは、『決意を新たにする』ことだ。〟 わたしは、これまで、このうちの2番目の「住む場所を変える」ということは、引越しをして大きく環境を変えることだけだと思っていた。 しかし、衣食住を整え、脳をメタモる過程で、わたしはこれ

          トランジション