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綺譚 地底世界の住人たちが創造するもの

地底世界。
この世界の真実を知っている人間は、ほとんどいない。

そこには、数えきれないほどたくさんの存在がいる。
しかも、その多くは人間以上に知的であり、気まぐれである。

似通った存在同士がつながる種族ともいうべきグループはある。だが、とにかくそれぞれが個性的である。
混沌と秩序の間を行き来しながら、独特の生態系を形成している。

彼ら彼女らは、人には見えない微細な身体をもつ。
それゆえ、普通の人間にはまず見えない。

見えない姿形といえども、ごくたまに、地底世界の存在と意思疎通できる人間がいる。
希有な特性を持った人間による伝聞が、物語や絵画、あるいは詩歌などで描写されてきた。
例えば、西洋の物語では「ノーム」や「ドワーフ」などと呼ばれている。
日本の文化では、多種多様な妖怪たちとして描かれることも多い。

この地球は、物理的な世界だけで出来ているわけではない。
人間の形而上学的な身体と同じように、オーラやエーテルと言われるエネルギーボディがある。
そうした人間には不可視の地底層に、彼ら彼女らは住んでいるのだ。

彼ら彼女らによる地底世界の活動は、人間たちの住まう地表世界と、決して無縁ではない。

実は、地底世界の住人たちの領分は、とても繊細で知的、そして芸術的な活動領域である。

例えば、死せる肉体を分解し、再び母なる地球に戻していくのは、彼らの領分だ。
人間はしばしば「肉体が土に返る」というが、地底世界の住人たちは、土壌を制御する。

土壌の中には、現代を生きる人間にはまだ解明し切れていない、細やかな成分がある。
地底世界の住人たちは、その成分のことを、実に事細かに知っている。
たくさんの成分を鮮やかに使うのが、彼らの得意技なのだ。
土壌にいる微生物たちと連携しながら、土壌がひとつの生命であるかのように、その活動を統御している。

ときに地底世界の住人たちは、その秩序の間隙を縫って、宝物をつくりだす。
それは金塊であり、美しい宝石である。
人間を強く魅了する、それら美しい鉱物たち。
我々人間は、彼ら彼女らが余興としてつくり出すもののおこぼれを、もらっているのだ。

地底世界の住人たちが宝物をつくりだすさまを、たまたま見たという人間がいる。

ある地質学者だ。
彼は、子どもの頃、地底世界の存在たちが見えていた。

「どうやらほかの子どもたちや大人には、地底世界の存在たちを見ることはできないらしい」。そのことに気がついてからは、地底世界の存在たちのことは、誰にも言わずに、黙っていることにした。

地質学者はその能力を封印して生きてきたが、成人してから間もないころに、「そういえば」と、はたと気がついたのである。

「どうやら自分の関心事は、小さい頃に見た不思議な光景の真実を明かしたい」ということに尽きるのだと。

地底世界の住人たちは、自在に土を操っていた。
それもとにかく不思議だったが、もうひとつ少年の心を惹いたことがあった。
彼らはときたま、きらきらと光る粒をあちこちから集め、それを練り、とても奇麗な宝石のような、金塊のような、素敵なものに変えていた。

ひるがえって見てみると、地底世界の住人たちの見た目は、人間の美的感覚からすると、決して望ましい容姿ではなかった。

しかしながら、彼はこう思った。

美しいものをつくり出す知的な存在たちの姿は、その形はどうあれ、「美しい」と感じるものなのだ、と――。

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