見出し画像

サッカークラブが最も大切にすべき「サポーター」という存在


即物的な成果を求めず、
時間コストを先行投資として

ファンベース拡大を図る。

マネタイズのポイントは後ろにずらして、
まずは「信頼」の獲得。

信頼はあとで換金して
投資コストを回収するという

「長期戦略」

歴史的な要因もあって
日本では定着しにくい概念である。

昨日はそんな感じで
いろいろ考察してみました。

ファンベースの構築は
クラブの生命線。

一朝一夕に成立しない
コアファンとの信頼関係は、

日々の地道な行動、努力を要します。

共感、愛着、信頼を獲得するためには、
現代のビジネス環境を前提とした

「サポーター」

に対する正しい認識
を持つことが欠かせません。


■「情報爆発社会」に生きるということ

「1分間に300時間」

私自身すごくびっくりしたのですが、

この数字、何の数字か
皆さんお分かりでしょうか?

なんと、
世の中にアップされる動画の総時間。

1分間に300時間もの、
あたらしい動画が生み出されている

というから驚きです。

この驚愕の数字、
もちろん動画に限った話ではないでしょう。

ブログやSNSの投稿数、
文字数といった情報量も

ありふれた表現ですが
「ものすごい数」になっているはず。

現代は「情報爆発社会」といわれ、

動画、テキスト、音楽、ゲームなど
さまざまな情報であふれかえっています。

スマホやパソコンにアルゴリズムが働き、

自分好みの情報に収れん、
最適化してくれる機能が発達する所以。

その恩恵を受ける私たちは、
情報の荒波に溺れることはありません。


一方、企業は、

この過酷な環境下で自社の情報を、
効果的に人々に届ける方法に頭を悩ませています。

適切な「準備」なしに

いったい誰がピンポイントで
探し当ててくれるのか?

偶然、情報に触れたとして、
記憶にとどめてくれるでしょうか?

砂漠の中から砂金を探すような環境で、
消費者に振り向いてもらうために

「何をすべきか」

サッカークラブも違わず、
難しい課題に直面していると言えます。


■情報をピンポイントで探し当てる存在

人々の生活における課題を解決し、
ひとつでも多くの笑顔を増やすという

「社会貢献活動」

サッカークラブの使命でもあります。

では、
クラブが大切にする価値はいったい、
誰に支持されているのでしょうか?

言わずもがな、
それは「サポーター」ですね。

感覚的には、

ファンよりもちょっと上位にいる、
コアファンがサポーター。

年間チケットを購入し、ユニフォームを買い、
毎試合スタジアムに行って応援する人たち、

に当たるでしょうか?

クラブが持つ顧客データに占める
サポーターの割合は約20%

そして彼らがクラブに支払う売上は、
対顧客ベースで80%を越えると言われています。


どんな荒波にさらされようと、

自ら、わざわざクラブの情報を探して、
取りにきてくれる人。それがサポーターです。

彼らを、どんなお客さまよりも
優先して大切に接して、

時代の変化に合わせた意見を取り入れ、
ビジョンまでの道のりを修正、改善し、

ともに未来を夢見る。

クラブの、彼らに対する「正しい姿勢」は、
共感や愛着、信頼を育み、

ポジティブな口コミを促します。

必要以上に迎合するのではなく、
ともにクラブの価値を発展させる身内のような存在。

彼らとの関係は、

何を差し置いても最優先で重要視し、
常に接点を持つ工夫をすべきでしょう。


■バズによる新規顧客獲得は「全体構想」を

就職や転勤、転職、結婚
などによって、

ロイヤリティの高いサポーターであっても、
スタジアムから足が遠のくことは往々にしてあります。

つまり、
彼らとの良好な関係づくりと並行して、

新規顧客の開拓
をおろそかにはできないということ。

そして、サポーターの口コミという宣伝活動は、
その課題を解決してくれます。


芸能人やシンガーと一緒にコラボして
バズを狙う施策は、

実施して損はないと思いますが、

サポーターとの「共創」を含む全体構想
がデザインされていることが大前提。

拡散を狙うキャンペーンは
効果が限定的。

一過性で瞬間風速的であり、

サポーターでもない限り、
あっという間に人々の記憶から抹消されます。

意図的に、計画的にバズを活用し、
サポーターの入り口に誘って

適切な情報を提供すること。

クラブの想い、チーム作りに関わる人、
サッカースタイルの構築、言語化に費やした

苦労、時間、試行錯誤、努力。

サッカー以外の側面で、
どんな問題意識を持ち、
課題解決のためにどんな取り組みを行い、

誰がかかわって、
数多い失敗の歴史、成功したときの喜び、

何をすべきで何ができて、
どんな志があるのか。

人々を感動させるドラマを用意、
アクセスしやすい位置に掲載しておくことで、

サポーターへの入り口に
足をかけてくれる可能性が高まります。

全体構想を意識したバズ。
ぶつ切りの単発施策を意図的につなぐ設計。

新規顧客獲得は

「部分」に傾斜しすぎず、
「全体」に目を向けることが大切です。


■共感、愛着、信頼をデザインする

すべての人に好かれようとせず、
常連(サポーター)を大事に。

サポーターの言葉に傾聴し、
企画に反映させ、

一緒にクラブの価値を向上させる。

そのプロセス、
クラブの施策に関わるというプロセスによって、

サポーターであることに
誇りと自信が蓄積されていきます。

彼らを喜ばせることによって
共感」が醸成されます。


クラブとのコミュニケーションの場を増やし、
コミュニティを活性化させる。

どんなプロジェクトに関わり、
試行錯誤を繰り返し、

どのように
クラブと共創しているか。

苦難のストーリーを共有することで
愛着」も高まっていくことでしょう。


そんなサポーターに対して、
クラブは常に公明正大で、

失敗も不祥事も、
何もかもを開示する。

細部をさらけだして、丁寧に説明し、
できないことはできないと正直に告白し、

手伝ってもらう謙虚さ
を持つべきでしょう。

それが「信頼」となり、
クラブの発展に貢献し続けることになります。


どんなときもサポーター本位で。
ただしへりくだることのない平等な関係で、

時代の変化と
彼らの想いとともに

一緒に価値を変化させ、
発展させる挑戦
を続ける。


ときに匿名の
誹謗中傷を向けられることもあるでしょう。

サポーターとの活動が、
閉鎖的で利己的だと

揶揄されることだってあります。

それでも人を愛して、
自分が信じる道を突き進まなければなりません。

ビジョンを信じ、サポーターを頼り、
クラブ自身が胸を張って、誇りをもって

日々、たゆまぬ努力を重ねることが、
なによりもの社会貢献になる。

偏執的な熱狂者(クラブ)は、

サポーターという最強の「共犯者」とともに、
歴史を重ねていくのです。


※本稿は以下文献を参考にしました。
ファンベース─支持され、愛され、長く売れ続けるために(佐藤尚之)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?