サッカークラブは「ラブレター」を書いているか?
「もらったらお返しする」
この「ルール」に対して
100%否定する人は
そんなに多くはないでしょう。
なんとなく小さいころから
染みついている暗黙の了解。
ルール違反をする人は
嫌われるかもしれません。
「あいつはもらってばっかり」
セコい奴、
というレッテルを貼られてしまうのは、
「もらったらお返しする」
というルールが
人のDNAに埋め込まれて、
「もらったらお返しするのが当たり前」
として処理される
からだと思われます。
■大昔、
果物と陶器を交換するなど、
お金という発想がない時代に人々は、
物々交換で
生活をしていました。
果物を育てたり
収穫するのが得意な人はその「能力」を、
陶器づくりに長けた人の「能力」
と交換することで、
効率的に労働を分担
していたとも言えます。
もらったお礼に何かをあげる、
という相互依存のルールを採用して人は、
高度な文明を築いてきました。
■僕は
このルールが、
物質的なものだけではなく
精神的なものにも当てはまる
と考えています。
たとえばビジネスにおいて、
あの会社は、僕のことを
大切に思ってくれている
と感じたら、
その会社がつくるサービスや商品に
親近感を覚えるでしょう。
物質的な恩恵を受けることで
親近感はより大きくなって、
次第に「ファン」になっていく。
サッカークラブも同じで、
人々に対する感情を
ちゃんと表現しているクラブに
人は興味を持ち、
その感情が伝わるサービスが提供
されていれば
興味は次第に
好意に変わっていくはずです。
具体的なプレゼントがなくても、
異性から「好き」という感情
を伝えられれば
言われるまでは意識しなかったのに
言われた後は急に気になってしまう。
このように、
「精神的」な施しを受けた場合、
お返しをという「感情」を
人は(無意識に)抱いてしまいます。
■ラブレターのように、
(もう「死語」ですかね…)
人々に「好意を伝えるツール」
企業、もしくはサッカークラブにとって
それは「企業理念」ではないかと思っています。
一会社にとっても
「好きなタイプ」はちゃんとあって、
タイプの人が喜んでくれるであろう
「好み」を言葉にしてウェブサイトに掲載する。
ラブレターは、
人々に届けられなければ
読んでもらえませんので、
ウェブサイトに掲載するだけではなく、
経営者やスタッフが対面で、
もしくはSNSを通して人々に伝えます。
受け取った人が「自分ごと」として
とらえられなければスルー。
読んで、企業の意図が
理解できた人たちだけが
「興味」という感情をお返しする。
そんな「感情の交換」の発端は、
とにもかくにも、
ラブレターを書くかどうか、
によるということがわかります。
■「もらったらお返しする」
難しい言葉では
「返報性(へんぽうせい)の原理」
と呼ばれていたりもします。
もらったらお返しをする
という義務感を
たくみに利用して
商売に悪用するケースもありますが、
ここではもう少し
「純愛もの」として扱っています。
僕はこういう人がタイプで
こんなことをあなたにしてあげます!
(そして喜ばせます!!)
「世界の中心で愛を叫ぶ」
ではありませんが、
そうやって心の底から
愛情表現をするかららこそ
「私のことかしら?!」
という(感情の)反応
が得られるんだと思います。
逆にいえば、
好みのタイプも
喜ばせる方法もあいまいな会社に
人は寄ってきません。
「誰でもOKっす!」
のような八方美人に
人は魅力を感じることはありません。
■突然ですが、
イングランドのサッカークラブには
Charter(憲章)という
企業理念のようなものがあります。
結構、文字数があるので
抜粋して一例をあげると、
■ウェストハム
スタジアムだけではなく日常生活においても新しい価値(最高のサポーター体験)を共創します。
■ワトフォード
ワトフォードは家族クラブであり、地域社会における中心的存在です。(中略)そして顧客サービスを卓越させることをビジネスの中核に据え、このビジョンを共有し、スタジアムに訪れるすべてのサポーターに最高級のスポーツ体験を提供します。
■マンチェスターシティ
クラブは、我々のフットボールに対する情熱を未来につなげるために、サポーターとともに活動していく。また、サポーターの声に傾聴することが進化するための唯一の方法であり、何が重要で、何が良くて、何を改善すべきなのか。課題を知るために、サポーターのポジティブ、もしくはネガティブなフィードバックをシェアできる場所を創造します。
■一方
Jリーグを見てみると
■FC東京
サッカーを通じて青少年の健全な心身の発達および都民の健康や喜びづくりに寄与し、スポーツ文化の振興ひいては地域社会の発展、国際交流・親善に貢献する。
■横浜F・マリノス
私達は、ホームタウン「横浜・横須賀・大和」の代表としてサッカーの普及・選手の育成活動を通じ、青少年を含むあらゆる層の方々の健全で豊かな生活を応援し、地域に貢献できるクラブになることを目指します。
■ラブレター
という観点で考察してみると
どちらが「刺さる」文章でしょうか?
感じ方は人それぞれなので
正解、不正解をいうつもりはありませんが
僕個人の意見をいうと
誰に対する(タイプ)
どんな価値提供をするのか(どう喜ばせるのか)
について、
具体的で分かりやすいのが
イングランド。
抽象的すぎて
読み取りにくいのがJリーグ。
そんな感想を持ちました。
受け取って、
なんかとても気になってしまうのは
イングランドのラブレター
ですかね。(あくまでも個人的な感想です)
■世の中は
いろんな情報が氾濫
していますので、
多くの人々が「情報処理」に
苦労していると思います。
「考える近道(ショートカット)」
を探している人も
多いのではないでしょうか。
できるだけ考えずに、
パターン化して物事を処理する。
「空気を読む」とか
「雰囲気を察して」と言われて
素直に応じるほど、
時間的余裕はないかもしれません。
そんなとき、
情報処理を容易にする工夫があれば、
特にビジネスにおいては
人々の関心を集めるという意味で
効果的ではないかと
思ったりしています。
そのロジックとしての
「もらったらお返しする」
という感情のやりとりが
今の時代における集客のコツ
になるのではないかと感じました!
今日も最後まで読んでくれて
ありがとうございます!
それではまた明日。
おつかれっした!
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