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「のぞき見」を戦略的にデザインする


オレと1時間勉強する

という動画があるんですね。

世界的には

「#StudyWithMe」

というハッシュタグまであって、
累計視聴回数は2億回を突破している模様。

一緒感

という潜在ニーズを刺激したようですが、

たくさんの関連動画
に目を通しているとふと、

のぞき見

という需要もあるのでは?
と思ってしまった今日この頃。


■「のぞき見」

と書いてしまうとちょっと
犯罪系の匂いがしなくもありませんが、

ここでいう「のぞき見」は
そんな悪趣味なものではなく、

たとえば

レストランのオムライス、中華料理屋のチャーハン、
屋台のたこ焼き、すし屋のカウンターなど、

一昔前までは

「門外不出」
「秘中の秘」

だった技術の露出。

いまやYouTubeを通して
丸見えとなり、

誰もが簡単にアクセスできて
大人気です。

僕にとってはそんなに重要ではなくても、
見る人によっては貴重な情報。

視点と切り口を変えたら
「売り物」になりました。


■さて、

この「のぞき見」需要に
可能性を感じている僕は、

スポーツクラブにも
横展開できないかを模索中。

たとえば、

プロモーションやイベント、
試合運営を前にした

会議

が公開(ライブ配信など)されたら
どんなリアクションがうまれるでしょうか。

どのようにコンセプトがきまり、
企画が固まり、

どこにどれだけの予算が配分されて、
誰がどこで何を担当して、

といった「建設現場」が
可視化される仕組み

一定の需要がありそう。

会議がのぞき見できるだけではなく、
参加もできるのであれば、

月額1000円の登録料は
お買い得に映る人もたくさんいるはずです。

ももクロのイベント舞台裏
がのぞけるのであれば、

モノノフ(※ももクロのファンのこと)
の興奮はハンパないでしょうし、

リバプール(英国のサッカークラブ)
のマーケティング会議に参加できるのであれば、

僕はわりと高い課金でも
難なく支払う自信があります。


■ももクロ

で思い出しましたが、

ライブ終盤のバンドメンバー紹介では、
最後に必ずモノノフが紹介され、

客席がビジョンに映し出されます。

ライブ会場は異様な一体感
に包まれるわけですが、

モノノフは単なるお客さんではなく、
ライブの作り手のひとり

という成り行き。

毎回いろんなチャレンジを行うももクロは、

「俺たちががんばればなんとかなる!」

というモノノフの心理をくすぐり
巻き込んでいきます。

身内」として扱い、
ともに価値を上げていくスタイルです。


■忙しくなると

常連さんがカウンターの中に入って
手伝う居酒屋があったりするのですが

何を隠そう僕の行きつけの居酒屋も
いつもそんな状態。

店長がすぐ酔っぱらって寝てしまうので、

勝手にビールをついだり、
洗い物をしたり。

ところが僕を含めた常連たちの
うれしそうな顔といったら。

客観的かつ常識的に考えたら
異様そのもの。意味が分かりません。

でもどういうわけか

お客さんは身内であり、仲間であり、
居酒屋の重要な登場人物

という不思議な世界観が
ちゃんと成立している。

そして

そんな「嬉々として手伝ってくれる」仕組みは、
店長の「余白」がもたらしたもの。

傍から見るとどう考えても
ネガティブなだらしなさ(余白)が、

「手伝いたい」

という気持ちを生むのです。

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■サッカークラブ

でもなんでもいいのですが、
企業や人もふくめて、

そんな「愛しき余白」が持つ魅力
は戦略的にデザインできそう。

完成したパズルに用はありませんが、
未完成のパズルに人は熱狂します。

それが難しければ難しいほどに
魅力は倍加されていきますし、

欠けているピースがあれば
作るしかありません。

未完成品を完成させるとは
たとえていうならば、

赤ちゃんが

寝がえりをうって、ハイハイができて
つかまり立ちができて、声をだすようになって、

歩き出し、なんとなく会話ができて
感情を表現できるようになる「過程」を

まるで親のような感覚で
見守り、助け、ともに成長していく感覚

それがファッションブランドなのか
イタリアンレストランなのか、

アイドルグループなのか
サッカークラブなのか。

自分の「推しメン」を支え

一緒に価値を上げていくことを
喜び、手助けする。

そんな世界に熱狂するお客さん(ファン)
が集まりやすいように、

あえて余白をつくり
未完成のまま世に出すこと

戦略的に行うわけです。


■クラブ名や

エンブレムやユニフォーム、
何にもきまっていない

手あかのついていない
ピッカピカのサッカークラブがあってもいい。

建設中のお城は

建設中という
今しかない価値を包含
しています。

ファンとともゼロからたちあげて
一緒に大きな夢をつかむ

そんなコンセプトで経営される
サッカークラブはおそらく唯一無二。

今のところ「正解」とされている
サッカークラブのあるべき姿は

すでにコモディティ化され
差別化がとても困難になってきました。

どのサッカークラブからも
金太郎あめのように似通った正解が提案される。

しかしながら

経営は本質的に
差別化を追求する営みです。

常識的なことをして
石橋をたたいて渡った先には

大勢の似たもの同士が漂う
真っ赤なレッドオーシャンしかありません。

「正解」に価値がない
という厳しくも楽しい時代。

後出しジャンケン的に
いつ改定されるか分からない常識を所与のものとせず

自分の内側に確固としてある
世界観を判断基準としつつ

未完成品を
ファンと一緒に完成させていきます。


■テクノロジーが

のぞき見を日常にして
情報の民主化を加速させています。

その流れにあらがって
今までの常識に固執するのではなく、

お客さんと一緒に。

非常識に寄り添って
あたらしい価値をつくっていきます。


もう少ししたら
フォロワーの皆さんにもお知らせします。

結果が出せるよう
がんばりたいと思います。

今日も最後まで読んでくれて
ありがとうございます。

それではまた明日。
おつかれっした!




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