見出し画像

スキル偏重の画一的なサッカークラブはいずれ淘汰されていく


ファンの声に従うのか、従わないのか。

その判断は
己の「ビジョン」による。

どこに向かうのか。
明確な指針があれば、

約束された利益を捨てて、
光の当たらない道を進むという選択

をすることだってありえます。

それが、一般的には
非常識な選択だったとしても、

ファンの不満を逆に
力に変えて、

ファンを巻き込んで「エンタメ化」する
したたかなセンスをもってすれば、

集客を落とすことなく
安定した経営を実現できるのです。

変化のスピードが速く、
複雑で不確実なビジネス環境下において、

知識や分析などのスキル
のみに依存した思考
は、

進化したモノやサービスが
人々の課題を解決しつくした現代社会で、

その希少性や価値
を失うことになります。

一方で、

直観的に物事をとらえる
センス

潜在的な課題を
独自の切り口で発見、創造して解決する能力

の重要性が
注目されるようになります。


■スキルとセンスの調和

ロジカルシンキング
であるところのスキルは、

KPIやPDCAに代表されるように、

対象を正確に把握して、
秩序を与えるという意味で非常に重要です。

ただしその重要性は、

感性や直観に支えられた情緒的思考
を調和させることによってはじめて認められ、

多様性や個性、創造性に富むアウトプット
を生み出す源泉となります。


サッカークラブだからといって、
サッカーの試合や選手の質を向上させる

という表層的な思考
プロモーション(課題解決)するのではなく、

応援してくれる人々の
人生や生活における課題はどこにあるのか、

事実をありのままに
徹底的に観察して言語化を図り、

潜在的な課題を発見して、
創造的に解決する深層的な思考

これからの時代に求められる
能力であると考えます。


■未知の体験でもあせらず、冷静に

細部を詰めることも大切ですが、
全体を俯瞰してとらえる感性とのバランス

がビジネスを加速させます。

論理的に、
左脳で処理する仕事をしつつ、

感覚でつかさどる右脳的な感性
で対象をとらえることが欠かせません。

たとえば、

フランスの街並みをデッサン
するときに、

凱旋門
ばかりに気を取られていると、

バランスがいびつになったり、
遠近法が不自然になったりするように、

全体を見て細部を見て
その繰り返しによって

エラーが見つかれば
素直に修正するバランス感覚が大事です。
描き直すことが大事です

また、

さまざまなビジネスシーンにおいて、
必ず結果を振り返り、

目に見える出来事の
「骨組み(ロジック)」を言葉にしてストックし、

ストックを増やす意識をもっていれば、

次々に訪れる
あらたな局面に対して

ストックを引き出し、
組み合わせて対応する能力

が備わっていきます。


結果は論理化して、
課題解決のネタ
として

ストックしておくこと。

それが俯瞰と主観というバランスを
維持する役目を果たし、

未知の体験でもあせらず
冷静に対処できる力になります。


■ビジョナリーなサッカークラブを目指して

そして

「とことん自己表現に徹する」

こと。

これからの、
あたらしいサッカークラブのあるべき姿は

この精神をベースにして
発展していくと信じています。

1を2に、3を4にするという

既存の価値観に
情報を追加してアレンジするという

従来型の経営、

つまり、画一的で
没個性型のサッカークラブ

は淘汰され、


ゼロをイチに

経営者の心の奥底に眠る
想いや感情を吐き出して表現した

ビジョンに根ざす経営

差別化されたサッカークラブの
生存戦略となります。


豊かで便利な世の中では、
目に見える課題はおおむね解決されました。

にもかかわらず、

顕在化した課題をむりやり掘り起こして
社会に提案したその「解決方法」は、

すでに
そこかしこにあふれている

安価で高品質な、
競合となるサービスに埋もれてしまい、

人々の記憶に
残りにくくなっている。

サッカークラブは
もはや特別な存在ではなく、

多々ある選択肢のひとつ
に過ぎないのです。


週末はスタジアムでサッカー観戦!
と言われても、

興味のないサッカーより
BBQしたり、買い物したり、

週末に何をするのか(という課題
について人々は

そもそも
全然困っていません(課題は解決済み


サッカー好きな人にとっても

天候が不安定な屋外よりも
いつでもどこでも使える

DAZN

という代替え選択肢
可処分時間を奪う競合相手

が超お手軽価格で楽しめる。

わざわざスタジアムに行く意義
が見出しにくい、というのが本音です。


人々の脳内は今、
たくさんのライバルで占拠されてる、

そんな群雄割拠で厳しい
ビジネス環境下において

サッカークラブは
その存在意義を問われています。


既存の価値観を打破して、
今までにないあたらしい価値観を創造し、

人々が潜在的に持っていながらにして、
その価値に気づいていない、

もしくは言語化することができない
課題を抽出し、

世の中に問うていく
センス、感性。


今後100年、
いや未来永劫、

より多くのお客さんに応援される
サッカークラブになるために、

既存の常識にあらがって、

創造性ある課題発見能力をもって、
課題を言語化して、

ビジョナリーに経営する
アートのようなセンス

が求められるようになると思っています。


※本稿は以下文献を参考にしました。
ビジネスの限界はアートで超えろ!
(増村岳史)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?