幸せの3段階、あなたのレベルは?
FROM 安永周平
イエローハットの創業者である鍵山秀三郎さん曰く、人間には3つの幸せがあるそうです。最初は「してもらう幸せ」です。典型的なのは子供です。子供は、親から何かをしてもらうと幸せに感じるでしょう。オモチャを買ってもらったり、洋服を買ってもらったりすると、子供は誰でも喜びます。誰もが子供の頃には「してもらう幸せ」の段階だったのではないでしょうか。
次に、もう少し成長すると「自分でできる幸せ」の段階になります。親にやってもらわなくても、自分でできることに喜びを感じるようになります。小学校の高学年くらいになると、何でも自分1人でできた方が嬉しいでしょう。難しい算数の問題を自分で解けた時、喜びを感じたことが、きっとあなたにもあるはずです。
幸せの3段階、最後は何?
さらに、その先にある段階が「してあげる幸せ」です。これは「誰かの力になってあげる」「誰かを助けてあげる」ことによって、実は助けてあげた相手以上に自分が幸せになるということです。親になるというのは、まさにこの「してあげる幸せ」でしょう。子供に何かしてあげたいと思うのは、子供のためではなく、自分が「してあげる幸せ」を味わうためなのです。
僕ら人間は、成長する段階でこの「してもらう幸せ」→「自分でできる幸せ」→「してあげる幸せ」という階段を順番に辿っていきます。そして、自分が感じる幸せの大きさも、上の段階にいくほど大きくなっていきます。人としての成長とは、まさにこのプロセスを辿るなのかもしれません。ところが…
「自分でできる幸せ」止まりな人
こと仕事においては、自分でできる幸せにとどまり、その次の段階にいけない人がいます。特にマネージャーをはじめとした上司の立場にいる人は、部下に対して「してあげる幸せ」を感じられなければとても苦しい状況に立たされます。そして、エースピッチャーの快感に浸り、マネージャーとしての喜びを知らない…そんな人が上司だと部下はかわいそうです。
マネージャーがマネジメントを放棄し、自ら成果を上げるプレーヤーの快感に浸っていたら、チームの成長は止まります。恥ずかしながら、僕は4年前、まさにそんなマネージャーでした。デキる人間がいない。成果を上げる方法を教えても、その通りにやらない。だから教える時間ももったいない。そして…
「自分でやった方が早い」
そう思って、結局は自分が”プレイング・マネージャー”としてガリガリ仕事をやって成果を上げていました。それで一時的には売上があがりますが、チームとして成長している気が全くしませんでした。マネージャーとして希望が持てず、本当に我慢してばかりの毎日でした。悪循環、ここに極まれり…という感じです。
今思ってみると、根底には「自分のプレーヤーとしての能力を周囲に示したい」と思っていたのでしょう。周りはダメな奴らばかりで、自分だけが頑張っている…というアピールをしたかったのかもしれません。本当に最低のマネージャーでした。お恥ずかしい限りです。
「名選手、名監督にあらず」
チームとして成長していくためには、自分がエースピッチャーであってはいけないのです。昔の快感が忘れられずに、いつまでも自分がマウンドに登り続けていれば、若手のピッチャーは成長しないでしょう。若手の活躍できるチャンスをみすみす奪っていることに他なりません。「名選手、名監督にあらず」とはよく言ったものです。
ですから、もしも部門が目標を達成して表彰されるとしたら、上司が表舞台に立ってはいけません。部下を立たせるようにしなければいけないのです。祝辞を述べたり、成功体験を発表したりする時も、上司がしゃべるのではなく、部下にしゃべらせるようにする。上司は上手く影に回って目立たないようにする…そんな姿勢が必要です。
これまで、プレーヤーとして周りからチヤホヤされてきた人は、急に部下に晴れ舞台を譲ることに自尊心が揺らぐでしょう。いつまでも自分がトップで活躍していたいですし、わかりやすい形で「スゴいね」と褒めてもらいたいわけです。しかし、そう思うのはマネージャーとしての喜びを知らないからです。
まずは「適切な行動」をしてみること
部下を育てるというマネージャーの気持ちは、経験をしなければ理解しにくいものです。ですから、新米マネージャーは先のような過ちを犯しやすい。それでも、最初はそういうものかと思って行動してみるしかありません。プレイヤーに逃げても問題は解決しません。自分が求められているマネージャーの役割に応えることでしか、チームや自分の成長はないのです。
ですから、ちょっと無理してでも「適切な行動」をしてみることです。やっている中で実感していくものです。そして、ひと度マネージャーの喜びを経験すると、プレイヤーの喜びはちっぽけなものに見えてきます。それほど「自分でできる幸せ」と「してあげる幸せ」には差があるということでしょう。
してあげる幸せ…まさに GIVER ですね。もちろん僕もまだまだ道半ばです。というか、先ほど「人が本当に変わるには、年齢の半分の時間が必要」という情報が入ってきました。4年前の僕は32歳…つまりは本当に変わるのには16年かかるということ。あれから4年しか経っていません。まだまだ鼻タレ小僧ですね(笑)
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参考:最低のマネージャーだった安永の失敗談
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