焙煎直後のコーヒー豆って、実は美味しくない!? 【スペシャルティコーヒー豆知識】
こんにちは。THE COFFEESHOPです。
焙煎直後のコーヒー豆って、実はあんまり美味しくないってご存知でしたか?
ここ数年の流通の進展もあり、朝に収穫した野菜や、朝に水揚げされた魚がその日のうちに、遅くても翌日にはスーパーなどの小売店に並ぶのがほとんど当たり前になっています。
それもあってか「新鮮=美味しい」ということがまるで当たり前のように多くの人たちの間に浸透しているような気がしています。
しかし、焙煎したコーヒー豆に関しては、だいたい焙煎後2〜3日から美味しくなってきます。より正確にいうなら「美味しく淹れやすくなってくる」が近いかもしれません。
今回のnoteでは、どうしてそうなるのか。少し掘り下げてお話してみようと思います。
■コーヒーを淹れるときに起こっていること
焙煎したコーヒー豆は、例えていうなら炭のような小さな穴がたくさん開いている『多孔質状』の構造をしています。小さな部屋がたくさんあるような感じを思い浮かべていただけるといいと思います。
その部屋の中には、二酸化炭素を中心とした気体の成分(※以降 "ガス")がたくさん詰まっています。
焙煎直後は部屋の中にそのガスがパンパンになっているような状態です。このガスには、コーヒーのいい香りの成分ももちろん含まれています。
焙煎から間もないコーヒー豆を使ってコーヒー淹れると、お湯を注いだ瞬間に大きく膨らみますよね。これはこのガスが一気に外に出てくるために起こる現象です。
それは確かに新鮮な証拠ではあるのですが、実はこれによってコーヒーの抽出状態(※お湯によって効率よくコーヒーの成分を取り出せる状態)があまり良くない状態になってしまうんです。
■焙煎当日のコーヒーは『落ち着いていない』味
要は「コーヒー豆の部屋の中にお湯を入れていってコーヒーの成分を溶かし出したいのに、一気に大量に出てくるガスがそれを邪魔をしてしまう」と言うとわかりやすいでしょうか。
これはどんな淹れ方でもそうで、圧力をかけてコーヒーを抽出する『エスプレッソ』などはよりその影響が大きくなってきます。
カッピングですら焙煎直後は正確にフレーバーを感じることは難しいです。
一言でいうと「落ち着いてない」感じの味になりがちですね。
■飲み頃となるのは焙煎後〇〇日後
では焙煎したコーヒーはいつが飲み頃かというと、一般的には焙煎3日後くらいから14日後までが飲み頃とされています。
コーヒーの風味が安定する焙煎3日後から、香りの抜け始める14日後くらいまでという認識です。
ここまで読んで頂ければもうお分かりかもしれませんが、焙煎から少し時間が経つことによってガスが程よく抜けてきだすことで、良い抽出状態を作りやすくなります。
それによって、コーヒーの味もよくわかるようになる訳ですね。
▼挽いてしまったら早めに飲むこと
ただし、上記の飲み頃期間が当てはまるのは、豆の状態で保存した場合のみ。
挽いてしまった場合は、表面積が大きくなる分、酸素と触れる部分が多くなり、劣化のスピードが急速に早まります。
スペシャルティコーヒーで特別な時間を楽しむためにも、飲む直前に飲む分だけ挽くことができるコーヒーミルは、ぜひ持っておいてほしいところです。
▼THE COFFEESHOPおすすめのコーヒーミル
■できるだけ新鮮な豆をお届けしています!
THE COFFEESHOPでは、お客様には新しいコーヒー豆(焙煎から時間があまり経っていないもの)をお届けしたほうが、お客様のもとでコーヒーが美味しい期間が長くなるので、できるだけ焙煎日の近いものをお渡しするようにしております。
店頭でもオンラインストアでも変わらず新鮮なお豆をお届けしていますので安心してお楽しみください!
■まとめ
コーヒーはとにかく新鮮なものが良いと思われていた方にとっては、衝撃的なお話だったかもしれません。
コーヒーの美味しさにまつわる話はいくつもあって混乱するかもしれませんが、神経質になりすぎず気軽にスペシャルティコーヒーをお楽しみください。
もちろん、美味しさを追求することも楽しみ方の一つですので、ご自分のスタイルでスペシャルティコーヒーを楽しみましょう!
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