読書感想文その5~子育ては心理学でラクになる~

マシュマロテスト

マシュマロテストという実験を皆さんは知っていますか?

被験者である子どもは、気が散るようなものが何もない机と椅子だけの部屋に通され、椅子に座るよう言われる。机の上には皿があり、マシュマロが一個載っている。実験者は「私はちょっと用がある。それはキミにあげるけど、私が戻ってくるまで15分の間食べるのを我慢してたら、マシュマロをもうひとつあげる。私がいない間にそれを食べたら、ふたつ目はなしだよ」と言って部屋を出ていく。(Wikipedia)

というものです。

私はこういう実験について読んだり聞いたりするのが苦手。子供が子供らしく生きて何が悪いの!?と思ってしまいます。ちなみに、この実験の結果は、我慢できた子供が33%ぐらいで、その我慢できた子供たちの方が大人になっても賢くまた収入も多く成功を収めるとのこと。

人権教育

他にも子供らしさに関して苦手なことと言えば、人権教育。

学校の先生は、例えば子供が人間を描いた時に、耳がない、指が5本ない、鼻がない、などの絵は、そのような障害をもってしまった人に対しての配慮、ということで、掲示をする際には描き直させたり付け足しをさせたりします。

賛否両論あると思うのですが、例えば空間認知能力が低い子供や視覚が弱い子供は、顔から手が2本出ていて、鼻や指がない胴体もない、みたいな絵を描きます。それでも、その子が頑張って描いた絵なら、全然描き直させる必要はないのではないか・・・と私は思っています。子供が子供らしくのびのびと絵を描く権利を侵害しているような気がしてしまうのですが、複雑でデリケートな話だと思うので、このへんで。

さて、こんな本を読みました。

子育ては心理学でラクになる

子供に意志力を付けるには・・・「親が意志力をもつことが大事」という話に始まり、ここから親としての自己啓発についての話が進んでいきます。

では、親としてどんな力が必要なのか。DaiGoさんは3つの力を挙げています。

3つの力

「やる力」「やらない力」「望む力」

私には、自己啓発本を読んだり、休職している間もお勉強をしたり、仕事をしていた時もたくさんと押し寄せてくる仕事をスケジューリングしたり、授業の流れや板書計画をノートに書いたり、「やる力」はあったのかなぁと思います。

しかし、次々と押し寄せてくる仕事から、この仕事は重要じゃないから手抜きをしようとか、この授業は流れが目に見えているから計画をノートに書くのはやめようとか、今はちょっと振られた仕事は断ろうとか、この仕事は後輩に任せようとか、「やらない力」が著しく欠けていました。すべての仕事をなんとかスケジューリングしてやろうとして、気を張っていたらスイッチがオンのまま、オフにすべき時もオフにできず眠れなくなりつらくなり鬱になり・・・という流れも「やらない力」不足だったのかもしれません。

(最近、いつも読んでいるサッカー雑誌の興味のないページを、ようやく読まずに飛ばせるようになりました!)

さらに、鬱々として自己肯定感の低い私は、自分が嫌いで自分は無力で自分はいない方がいいと暗い部屋で体育座りをし続けるぐらいですから「望む力」が欠けていることは言うまでもありません。

素朴なカリスマ・・・

そんな私は、仕事をしている時には、素朴なカリスマを目指していました(無理無理)。

素朴なカリスマ:何でもできるくせに雑用や誰もやりたがらない仕事もこなし、かつ話しかけられやすく、先輩からは雑用を頼まれやすく、後輩からは仕事について分からないことを聞かれやすい人(私が考えました)

(こんなん目指してるから、なれる訳なくて自分が嫌になって鬱になるんだ・・・)

DaiGoさんは、この本で以下のように書いています。

目標を立てるときはあれもこれもと欲張らず、自分が最も優先したいことにしぼることです。
得意なことを見つけて伸ばしていく。他の誰かよりも優れていることを見つけることができれば、それはその人の「個性」になるし、個性を伸ばして生きることは幸せに繋がります。それが「比較優位」です。対して「絶対優位」とは、すべての面で圧倒的に優れることを目指す考え方です。

私が考える「素朴なカリスマ」は、目標を完全に欲張った、圧倒的「絶対優位」であり、メンタリスト的にもまったくお勧めされていません。このような考えをもち、メンタルを壊した私。私がこのままでは、私の子育ても、あれもこれもと子どもに要求し、すべてが100点でないと親が満足しないみたいな、親も子供もお互いに良いことがないのは目に見えています。

自分が優先したいことを決め(やらなくていいことを削ぎ落とす)、自分に望みをもって生きていくことを心掛けないと、知らず知らずのうちに、子供にも「カリスマ」になることを強制してしまう・・・と痛感しました。自分の考え方生き方を改めて、1つだけ「これが得意!」というものを見つけたいと思います。そして、それで満足すれば良いじゃん!と自分へのハードルを下げる・・・いや、今までたくさんのハードルを用意していた自分自身の、ハードルを減らしていき、それを跳び越えて素直に喜べたら良いなと思います。

習い事についての文章なのに・・・

また、以下の文章は、子供の習い事についての文章なのですが、私自身についても大いに考えさせられるものがありました。

僕が提案したいのは「3回やめたいと言ったら、もう限界」とする方法です。どんな習い事でも、1回は「やめたい」と言うはずです。そうしたら、なぜやめたいのか、その理由をしっかりと聞いた上で「壁」の存在を伝えるといいでしょう。そしてしばらくがんばらせて、2回目に「やめたい」と言ったら、再び「もう少しがんばってみたら?」で、続けさせます。これで壁を乗り越えることができたら、その習い事はしっかりと根づくことでしょう。しかし、それでも「やっぱりやめたい」と言ったとき。同じ訴えを3回するということは、もう限界を超えています。すっぱりとやめさせましょう。

私は5年前に1回目の休職。4年前に2回目の休職。その後3年間は辛い時もありましたが、休まず続けることができたので、壁を乗り越えることができたのかな・・・とちょっと思っていました。抗うつ薬や睡眠薬もこの3年間で少しずつ段階を経て減っていきました。しかし、今、3回目の休職。さて、自分の今後はどうすべきか・・・。子供の習い事の文章なのに、この文章を読んで胸がズキズキと痛みました。

こんな親になりたい!

我が子には、自分がやりたいと思うことをさせてあげたいし、できないことがあっても個性を認めてあげたいな。そして、私がそのような親になれる心の余裕をもちたいな。と切実に思いました。


最後まで読んでいただきありがとうございます!

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