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【こころ #51】アート×福祉から安心して暮らせる社会へ


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髙橋 圭さん


 孔子は「十五にして学に志し、三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を知る」と言った。


 髙橋さんは、高校に入学して福祉コースを志す。その後、大学卒業後に保育士として5年間働いた後、縁あって、福祉・保育・介護の専門の労働組合『全国福祉保育労働組合』に勤めた。

 当時は、生活保護の受給廃止で「おにぎり食べたい」と書き残して餓死したタクシー運転手さんのニュースが世間を騒がせた時代。業務を通じて福祉の視野が保育以外にも広がっていく中で、髙橋さんは障がい者雇用の「工賃」という言葉も知る。「労働者も障がい者も大変。今すぐ手を差し伸べないといけない人がいた。法律が変わるには数十年かかる。だったら実践だ」と思い立った。


「30歳までに起業すると紙に書きだして、29歳で起業しました」

 福祉施設が作る商品を販売するECサイト。しかし、そこは、仕入れ値という概念さえない特殊な世界。「無知だった」以上に、「自分は弱く、一人ではダメ、仲間がいないとダメだった」ことを痛感した。

 そんな髙橋さんに、「(福祉施設の商品を扱うECサイトを)やろうと言う人はいても、本当に退路を断ってやっている人は初めて」と声をかけた未来の仲間がいた。グラフィックデザイナーの福島治氏。大企業でユニバーサルデザインに取り組んだ経験がある磯村歩氏も加わり、3人で立ち上げたのが『FUKUFUKU+(ふくふくぷらす)』。

 工賃引き上げも含めて「障がいのあるなしに関わらず、安心して、可能性を発揮できる社会へ」というビジョンを掲げて、一般企業商品の購入特典として福祉施設の商品が抽選で当たる『お福わけ』や、障がい者アートのメンタル効果に着目して、オフィス向けの『アートレンタル』、さらにコンシェルジュも派遣して対話をしながら鑑賞を深める『対話型アート鑑賞法』を提供していった。


 そして、40代に差し掛かるにつれ、福祉の現場に戻り、そして施設によってレベルが全然違う福祉施設の底上げに取り組みたい気持ちが固まっていく。立ち上げたのは、その名も『FUKU・WARAI』。ビジョンは惑わず、「障がいの有無に関わらず、誰もが安心して暮らせる社会へ。」

 引き続きアートレンタルにも取り組むが、描いた本人がオフィスに届け、企業側とも接点を持つ形に変えた。さらに「アートで社会と福祉をつなぐ」就労継続支援B型事業所『アトリエにっと』も今年1月に開所した。

 さらに髙橋さんは、これを自社だけ、東京だけのモデルにするつもりはない。全国どの就労継続支援事業所や生活介護でも、アート作品をデジタル写真で撮ってクラウドに上げてもらい、こちらで色補正して印刷して郵送し返すスキームも整えている。それにより、「地産地消で同じビジネスができるようになる」



 最後に、髙橋さんが話してくれた。「でも、アートに特化していくわけじゃないんです。どこでどう育った人でも、そこで安心して暮らしていける社会を実現したい」

 髙橋さんのお父様は、シェフを目指して、名古屋の有名ホテル『キャッスル』で修業した後、これから自分の店を出そうという30代で急に高熱に見舞われ、病院で起きた時は「テレホンカードの穴ぐらいしか見えない視野狭窄になっていた」。髙橋さんに苦労した覚えはないが、お父様は生活保護をもらわず、お母様はパートを3つ掛け持ちしていたことを覚えている。

 髙橋さんはお父様の障がいが理由で福祉の道に進んだわけではないと話す。恐らく、それは間違いではないのだろう。でも、「どこでどう育った人でも、そこで安心して暮らしていける」というキーワードが見え隠れするのは私だけだろうか。

 最初から今の仕事は天命だったのかもしれない。髙橋さんが50歳に向けて疾走した先に見える景色が楽しみだ。





ここまで読んでくださった皆さまに‥


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