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【けつえき #3】理解されなかった脳卒中の後遺障害


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山口 貴子さん


 「大好きな仕事だし、頑張ってきた」

 「でも、ここ3か月は、ほとんど睡眠とれずに疲れて、パワハラのストレスもあって」

 こう話す山口さんのように、日々仕事を頑張る女性は世の中に何人もいるだろう。


「主人の転勤が決まったことで、やっと辞められる」

 山口さんが会社の送別会をしてもらった日の夜。「全ての緊張から解放されたとき」だった。後頭部をハンマーで殴られたような痛みが走る。「すぐに脳卒中だとわかった」


 経験したことのない痛みに「このまま死ぬな、、と思った」。ほふく前進で携帯電話までたどり着き、出張中の旦那さんに電話するもお酒を飲んで寝てしまっていた。「このまま死ぬかもしれない」とだけメッセージを残して倒れこんだ。


 翌朝から体を動かせず、嘔吐を繰り返した。しかし、それ以上に辛いことが待っていた。病院に行っても自身の症状が理解されなかったのだ。

 山口さん自身は、めまいはもちろん、光を見るのもつらい。それゆえに、PCのスクロールも読めず、テレビも見ることができない。頭皮は焼けるように痛く枕に頭をつけることも出来ず、座って眠る毎日。立ち上がることもしんどく、家事もできない状態だった。しかし、後でわかることだが、山口さんのケースは非常にレアな症状だった。

 「訴える症状と脳の画像が一致しなかった」ために、医者は「ストレスでは?」の一言で済まし、家族は理解できない故に先生の言うことを信じる環境に、山口さんは苦しんだ。

 ご自身の症状を理解してくれる先生や病院を探して彷徨う「病院ジプシー」が始まる。しんどい体をおしてネット検索しても、「似た症状はあってもどれも当てはまらない」。自分の症状を紙に時系列で書き出して説明し続けても「余計に頭がおかしい人だと思われて」、見てもくれないし話も聞いてくれず、「うつ病扱いだった」


 そうして「毎日死にたいと泣いてしまう」日々が半年続いたある日、テレビに頭痛外来の名医が映っていた。旦那さんの勧めでその先生を頼ると、画像を見るや「脳卒中だね。死ななくてラッキーだったね」と診断してくれた。「やっとわかってくれた」

 痛み止めや漢方などの処方薬もありがたかったが、何より「診断をしてくれたこと自体で、精神的にものすごく楽になった」



 山口さんは、「当時は医療が頭を占めていて、当事者コミュニティなんて頭に浮かばなかったし、診断後も同じ当事者に出会うことはなかった」と振り返る。

 ご自身の経験から、当然「医師にもっと話を聞いて診断をして欲しかった」と思う一方で、「同じ症状のある患者同士で話ができるだけで救われたし、その先に医療との接続もあればなおよかった」とも話してくれた。

 また、当時は都会に住んでいたが、現在は地方に暮らす山口さんとして、「都会でも適切な病院や同じ当事者に出会えないのだから、その時地方にいたらもっとしんどかっただろう」とも感じている。間違いなく、地方にはかつての山口さんのように話をできず苦しんでいる患者がいるだろう。


 そんな地方で偶然出会ったのが、第1話でご紹介した、同じ脳卒中サバイバーであるグラント愛さんだった。グラント愛さんは現在、脳卒中サバイバーの当事者コミュニティを準備中だ。

 山口さんもご自身の経験からその必要性に共感し応援するとともに、これまで意図して外に発信してこなかった「しんどかった負の経験」も、他の当事者の力になるのであれば、積極的に出していくつもりだ。


 冒頭でお示ししたように、山口さんが直面した脳卒中は、誰にでも起こりえる。それがもし起きてしまったら、「同じ障害に苦しむ人と出会い話せること」がとても重要だ。 

 Inclusive Hubとしても、少しでもそういった出会いを生めるように貢献していきたい。




ここまで読んでくださった皆さまに‥


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