見出し画像

【こころ #52】必要な支援情報が平等に届く社会を願って


⭐ ファン登録のお願い ⭐

 Inclusive Hubの取り組みにご共感いただけましたら、ぜひファン登録をいただけますと幸いです。

 このような障害のある方やご家族、その課題解決に既に取り組んでいる研究開発者にインタビューし記事を配信する「メディア」から始まり、実際に当事者やご家族とその課題解決に取り組む研究開発者が知り合う「👀ミートアップ👀」の実施や、継続して共に考える「🤝コミュニティ🤝」の内容報告などの情報提供をさせていただきます。

🔽 ファン登録はこちら 🔽



佐藤 朋美さん


精神障害当事者会ポルケ」の副代表として当事者活動に勤しむ佐藤朋美さんは、統合失調症に気分障害を伴う「統合失調感情障害」と、身体の痛みが出る「身体表現性障害」と上手く付き合いながら生きている。


就活をし始めた大学3年生の頃、佐藤さんは面接が連日続くという緊張感の中で激しい頭痛を感じるように。気持ちもふさぎ込み、食が進まず体重は減少。親の勧めで神経内科を受診し検査をしてもらうも、異常は見つからなかった。


心因性の頭痛であるかもしれない。医師にそう言われ、佐藤さんは紹介状を持って精神科へ。すると、「気分障害」であると診断された。


そこで、処方薬を飲み、無理をしない生活を意識。心の状態はゆっくりと回復していったが、やがて体調のアップダウンに苦しみ、転院を決意。転院前の最後の診察時、母親が病名を尋ねたところ、「統合失調症」と告げられ、佐藤さんは自分の病名が変わっていたことを知った。


その後、住む場所が変わるなどし、病院を転院しながら治療を続ける中で、佐藤さんの病名は「統合失調感情障害」に変わったそう。佐藤さんは主治医が書いた障害者手帳の申請書などを見て、自分の病名が変わったことを知ったという。


「自分の状態を知る説明は欲しいとは思いましたが、主治医は積極的に、会社へ提出する書類や診断書の作成に協力してくれ、休みの指示を記載してくれたので心身をすり減らさずに済みました」


また、主治医は佐藤さんが居宅介護のサービスのひとつである「家事援助」を受けたい時にも、必要書類の準備に協力。家事援助は妊娠前半に利用を辞めたが、出産後、佐藤さんが訪問看護を利用したいと相談した時も主治医は協力的で必要書類を作成し、無理せず日常を送れるようにアシストしてくれた。


「月1回、通院していますが、不安定な時には診療時間を伸ばすなど、柔軟に対応してもくださるので、ありがたいです」


現在、佐藤さんは週1回、訪問看護を利用。子どもが赤ちゃんの頃は助産師の資格も持っている看護師が週2~3回来てくれ、沐浴なども行ってくれた。


子育て中は大人と話す機会が減り、「母親としての自分しかいない」と感じ、苦しくもなったが、訪問看護師に母親としての相談事だけでなく、自分の病気に関する話もできたため、精神の安定をキープできた。佐藤さんにとって、訪問看護師との会話は「自己の振り返りや思考の整理」に繋がったのだ。


だが、その一方で居宅介護を受けた時には戸惑いを覚えたという。居宅介護では、サービス受ける当事者と一緒に暮らしている家族へのケア(家族の分も含んだ食事の用意や家族の分も含んだ洗濯を行うなど)は、行えないのが決まり。中には、家族分の家事も当事者に必要な援助と考え、“好意”で対応してくれるヘルパーもいるが、事業所によっては厳密に禁止されているなど、グレーゾーンなサポートとなっている。


頼る事業所は相談支援の方が探すため、当事者は選べない。「本人の力が及ばないところで、ヘルパーさんや事業所によって対応が違うことに戸惑う方はいるはず」と佐藤さんは訴える。


また、そうしたサービスは自力で情報を得るのが難しく、申請には勇気がいるのが課題だ。市役所や年金事務所など行政の窓口対応をする人のスキルには個人差があり、意を決して相談をしても、逆に心が傷つけられてしまうこともある。実際、佐藤さん自身も適当にあしらわれ、病状が悪化したことがあるという。


「窓口で対応されている方にも苦労はあると思いますが、誰もがお互いに気持ちよくやり取りできるようになってほしいです」


今の日本は、声を上げなければ支援やサポートからはじかれてしまうのが現状。佐藤さんは3~4年前、身体表現性障害を発症した際にも、そんな歯がゆさを感じたことがある。


当時、佐藤さんは体の痛みを診てもらうために内科に通院し、治療を受けていたが、診察代や薬代が高く、頭を悩まされた。医師との関係性が悪くなるのが怖い…。そう感じながらも勇気を出し、主治医に「頻繁に通うことが難しい」と伝えたところ、自立支援医療の対象病院であることを知った。


その後、1割負担で治療が受けられるようになったが、それまでに払った治療費は戻ってはこない。本来、そういう情報は知らない人がいてはいけない。自身の経験から、そう感じたからこそ佐藤さんは「該当するみんなが等しく利用できるよう、必要な情報が入ってくる仕組みが作られてほしい」と願う。


“情報を知っている者勝ち“な社会は、人と人との間に壁を作ることにも繋がるのだと教えてくれる佐藤さんの半生。ネット社会な今だからこそ、誰かの命を紡ぐことに繋がる情報が得られやすくなるような仕組みを、みんなで考えていきたい。





ここまで読んでくださった皆さまに‥


⭐ ファン登録のお願い ⭐

 Inclusive Hubの取り組みにご共感いただけましたら、ぜひファン登録をいただけますと幸いです。

 このような障害のある方やご家族、その課題解決に既に取り組んでいる研究開発者にインタビューし記事を配信する「メディア」から始まり、実際に当事者やご家族とその課題解決に取り組む研究開発者が知り合う「👀ミートアップ👀」の実施や、継続して共に考える「🤝コミュニティ🤝」の内容報告などの情報提供をさせていただきます。

🔽 ファン登録はこちら 🔽


「👀ミートアップ👀」の様子はこんな感じ


「🤝コミュニティ🤝」の様子はこんな感じ


⭐ Inclusive Hub とは ⭐


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?