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『オレたちは誰1人孤立していない』

no man is an island
Charles Bukowski

オレは競馬場では優先駐車サービスよりも3ドル余分に払い代行駐車サービスを利用することにしている
オレはレースにはいつも遅れていくが入場口に車を残して入れる:
炎の中を突き進み続けるには合理的で思慮深い計画が必要だ

その駐車係たちは毎日オレに会いオレが常連で献身的で信用できる競馬師だと知っている
だかオレはやつらとは最低限の会話しかしない
やつらの技術と機敏さを賞賛するためにやつらがオレの車を持ってくる際に2ドルのチップを渡す
最終レースのために馬がゲートに入れられる時間になるとオレは競馬場を後にする

近頃、やつらは車のダッシュボードに置いてある奇妙なタバコについてオレに聞いてくる
オレはやつらにそれはキンマの葉から作られたインド産のエラルディネッシュビーディーズだと告げる

ある日の午後425ドル勝ち越した素晴らしき日に
駐車係は車を持ってきてダッシュボードのほうに頷き聞く、「1本貰っていいですかね?」

「勝手にやってくれ、」オレは言った「これもだ、アンタの相棒にもやりな」
オレはやつに箱ごと渡した

数分かけてシートベルトをし、サングラスをかけ、サイドミラーを調整し、ラジオをつけた

立ち去る前にオレはやつらに目をやった
3、4人の駐車係は黄色い長いベンチに腰を下ろしエラルディネッシュビーディーズを吸っていた
「気分よくハイになってくれ、ロクデナシども!」オレは叫んだ
やつらはオレに手を振り、笑っていた

オレは右に曲がり、
出口を探す、
競馬に勝つことよりももっと重要な
些細な瞬間があることにオレは気づいた

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