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『耐えることを学ぶ』

one learner
Charles Bukowski

耐えることを学ぶことは耐えないことによって世界がひっくり返りオレたちがカス以下の存在になるからだ

耐えるということは単純に耐え抜くということであり状況が困難であればあるほど勝利の味は格別だ

人々は自由のために戦えと言う
それはわかっている
ただオレは自由のために日本人、イタリア人、ドイツ人あるいはロシア人とは戦わなかった
オレはアメリカ人と戦ってきた:両親、学校の校庭、上司、路上にたむろする女たち、友人たち、社会システム

もちろん、戦いに終わりはない
新たな困難が時間通りに到着する電車のようにやってくる
もはや2日酔いの朝や工場での組み立てラインの仕事もどうでもよくなるかもしれない
その代わりに裏切り、詐欺、偽りの希望がその場所を占める
オレたちは眠っているあいだも試されることになり、
それはたいていの場合致命的なことになる
オレたちにはそれを笑い飛ばすことしかできない

耐えるには運と知識とそれなりのユーモアのセンスが必要だ
寒さはより厳しくなり、強さはより力強くなり、
かつて果敢だったものはそうでなくなる
オレたちに残されたことは
森の中で静かに死を待つ象の姿を思い、
男たちが何度も迷い何度も挫折し何度も落ちていくことを思い、
祈りの言葉を忘れた司祭のことを思い、
愚かさに転じた愛のことを思い、
冷たい雨がモーツァルトの墓を濡らすことを思う
これらのことやその他多くのことがあろうと
オレたちは最終的には耐えることを学ぶ

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