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『麺や七彩』さんがラーメンの『三たて』に挑戦する件

そうそう、土曜日はブログ更新の日でした(苦笑)
そして今日は第4土曜日、去年まで毎週金曜日に書いていたように、グルメ関連の四方山話を書いてみますね。

東京で仕事があって、丁度いいタイミングでプライベートで参加したかったイベントもあったもので、前乗りにて上京しました。
いや、私は京都人だから上京とは正直言いたくないのですが、みんながそういうので我慢しておきましょう。

そのイベントが日本橋であって…、
あ、東京の人はこれをニホンバシと読むそうですね。
私は関西人だからニッポンバシと読んだら、東京駅の駅員さんに優しく訂正されました。ま、そこも本筋には関係なさそうなので我慢しましょう。

で、そのイベントが終わってから知人と会うのに時間があったもので、そうそう確か5年ほど前にこの近くのドーミーインに泊まった時に珍しいラーメン屋さんがあったなぁと思い出しながら八重洲方面に歩いて行くと、なんと嬉しいことにそのラーメン店がすぐに見つかりました。

『麺や七彩』さん、
もうすっかり有名店で、食べログポイント3.79!
何年も連続で『名店100選』にも選出されているようですね。

こちらの特徴は、客の顔を見てから製麺!
究極の『打ちたて』ラーメンを楽しむお店です。

前回は延々40分ほど並んだ記憶がありますが、今回は夕方早かったこともあってサッと入れて、麺打ち場の真正面、カウンター特等席をゲットしました。

5年前の記憶どおり、こちらの注文を確認してから粉と水の分量を量り、捏ね合わせ、拡げて畳んで、また拡げて畳んで、その『麺帯』を何度か繰り返した後は『麺線』に切り、それをダンゴ状に固めて手揉み、そしてようやく茹で始めます。
紛れもなく、『打ちたて、切りたて、茹でたて』を味わうことがこの店の醍醐味!

さてここで、本来ならそのラーメンの食レポを書くべきなのでしょうが、気になることがあります…
ラーメンに於ける『打ちたて』って、どうなんでしょうか?
言ってみれば、究極の『熟成ゼロ』麺ということになります。

まず、『打ちたて』と聞いて思い起こすのは、蕎麦ですね。
俗にいう『三たて』、つまり『挽きたて、打ちたて、茹でたて』が美味しい日本蕎麦の条件とも言われています。
製粉してすぐの粉を使い、打ったばかりの生地を包丁で切り、ゆで上げ、素早く水切りして出す。蕎麦は少しでも時間が経つと香りも味もどんどんと逃げていくので、全ての作業が素早い方が望ましいということでしょうか。
さらには、蕎麦の実も農産物ですので『収穫したて』の蕎麦が格別に美味いことから、『四たて』とも言える『新蕎麦』の季節が有難がられるということにもなります。

もともと蕎麦は、信州の農村で自家製の蕎麦の実を挽いて麺を打ち、茹で上げてすぐに食べた、或いは客に振る舞ったのが最初であって、自ずと『三たて』・『四たて』しかなかったわけですね。

ただ、ネットで幾つかの蕎麦屋さんのホンネを探ってみると、実は、包丁で切ったあとしばらく時間をおいて寝かした方が、麺を打つ時に加えた水が馴染み、茹で上がりが均一になってより美味い蕎麦になると書かれています。
つまり、『三たて』とは言われているがうちの蕎麦は茹でる前に少し寝かせていますよ、という蕎麦屋さんが実際には多いということです。

一方、同じく日本人に馴染みの深い麺類である饂飩うどんは?と言えば…
言うまでもまく『熟成ねかせる』期間が重要であることが知られていますね。
もうすっかりお馴染みの『丸亀製麺』さんで、店内入口にビニル袋にくるまれた幾つもの大型の鏡餅のような塊りが並べてあるのを見掛けたことがあるかと思いますが(え、ないですか…)、それらが前日に捏ねて打たれた麺生地なのです。

そして一般的にはラーメンの麺もまた、うどんと同様に熟成、つまり一定期間寝かせる工程が非常に重要であると書かれた記事が大多数派であるのは事実であり、今回訪問した『麺や七彩』さんのように寝かせナシというのは少数派ということになるでしょう…

うどんにせよラーメンにせよ、一般的には下記の3段階の熟成工程があります。
1.麺塊熟成(粉と水(うどんなら塩も)を混ぜて捏ね合わせたそぼろ状で寝かせる
2.麺帯熟成(打ちながら帯状に拡げてから寝かせる)
3.麺線熟成(線状に切ってから寝かせる)

科学的に言えば、それぞれの段階でグルテン(タンパク質の一種)がどうのこうのとあり、それが麺のコシや延びに影響すると言われています。
ただもっと素人目線で言えば、
1.麺塊や麺帯の状態で寝かせることで、手で捏ねた状態よりも水分が全体に馴染み、麺の食感が均質になる
2.麺帯や麺線の状態で寝かせることで、生地が締まって内部の細かい気泡から空気が抜けていき、生地が緻密になって麺のコシや透明感、滑らかさが増す
と考えることができそうです。

熟成に必要な期間は、製麺所や自家製麺のポリシーによっても幅がありますが、うどんで1日、ラーメンで2日というのが多いようです。
それを考えると、やはり『麺や七彩』さんは熟成ゼロであのコシを実現しているのですから、独特と言えますね。

そうそう、武道の修行で有名な言葉を思い出しました。
守破離しゅはり
一般的な熟成期間をしっかり守って、普通に美味しい麺を作る。
そしてその熟成期間のセオリーを破ってみる。
さらに、熟成という概念そのものから離れて、独自の麺を作る。
『麺や七彩』さん、そしてその他の『打ちたて』ラーメン店は、もはやその境地に辿り着いたということかもしれません…

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