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薄皮に含まれる栄養素を愛おしく感じる件

3月のアタマから福岡市と小倉市の連泊、その翌週末には尾道市に宿泊と、珍しく出張が続き、ビジネスホテルのモーニングビュッフェを楽しむ機会がありました。(英語読みでブッフェと言う人が増えていますが、ここでは仏式にビュッフェとしておきます…)

たまご料理が好きなもので(説明すると話しが長くなるのですが、玉子でも卵でもなく ひらかな表記とします)、ビュッフェ形式の時は、洋食に揃える場合はスクランブルエッグとフライドエッグとボイルドエッグ、和食で揃える時は生たまごと温泉たまごと茹でたまごをトレイに載せます。幾つ食べるねん!という声はさておき、要するに、和洋どちらのパターンでも茹でたまごは必須としています。

昨年春まで東京と名古屋でつごう10年間の単身生活を楽しんでいましたが、前半の5年間は茹でたまごの茹で方、つまり喫茶店のモーニングセットのようにツルン!と綺麗に剥ける茹で方を試行錯誤した5年間でした。
お湯の量を変えたり、水からとかお湯からとか、鍋でクルクル回すか静置するか等の試行錯誤を繰り返した結果としては、結局のところネット上に転がる情報どおりなワケですが…

●産みたて、買ってきたばかりのたまごではなく、5日以上経過したものを使う
●茹でる前に数時間、室温に置く
●底(丸い方)に針穴を開けておく

この3点に落ち着きました。

後半の5年間は、私の食生活を気遣ってくれた部下が何人かで出し合って、誕生日に『ヨーグルトメーカー』をプレゼントしてくれたのですが、その『ヨーグルトメーカー』に『温泉たまご』機能がついていたもので、隔日毎にヨーグルトと温泉たまごを自作するのが日課となり、茹でたまごは部下面談時の喫茶店でしか食べる機会がなくなってしまいました。

で、話しは冒頭のビジネスホテルに戻ります。
その某ビジネスホテルのモーニングで、いつもどおりに茹でたまごを確保し、おもむろに剝き始めたのですが、昨今珍しく、人生で稀に見るほど剝きにくい!
悪戦苦闘の末、外の固い殻だけを取り除き、全体が薄皮に包まれた茹でたまごとなりました。
毒を喰らわば皿まで、茹でたまごを喰らわば薄皮まで!とばかりに意地になって食べてみましたが、やはり食感が悪いですね。味は食塩で誤魔化したものの、口内に引っ掛かりやザラつきが残り、美味しくは感じられず…

ただ、後になって調べたのですが、この薄皮、正式には『卵殻膜』ですが、人間の皮膚によく似た構造のアミノ酸でできており、美肌効果の高いヒアルロン酸やコラーゲンを含んでいるとのこと。
食するだけでなく、スキンケア用品やサプリメントの原料に使われたり、傷口に貼って絆創膏のような働きも期待できるそうです。

因みに、茹でたまごでは気になりませんが、生食(すき焼きやTKG)の時に多くの人が箸で取り除こうとする『カラザ』。
これ、私は学生の頃から取り除かずにそのまま食べています。
免疫力を高める効果のあるシアル酸のほか、カルシウムやビタミンB1・B2等の栄養が豊富に含まれているとのことで、数十年に亘りなんの抵抗もなく食しております。

さて、このたまごの薄皮やカラザのように、多くの人が取り除くのに私が敢えて食べるようにしている部分、いわば『食前廃棄物』が他にもいろいろありますね。

まずは、みかんの白いすじ。
いや、人によってはみかん1粒1粒を包む薄皮さえも丁寧に吐きだす方もいらっしゃいますが…

この白いすじは正式名称『アルベド』(維管束の一つ)と呼ばれ、まずは食物繊維(ペクチン)、そしてヘスペリジン(ビタミンP)が豊富に含まれているとのこと。
ポリフェノールの一種であるヘスペリジンは、高血圧や動脈硬化を予防し、中性脂肪を分解する効果があると言われています。
子どもの頃は、いやつい数年前までは、みかんを剥いて食べる時にこの白いすじを時間を掛けて丁寧に取り除いては自己満足に浸っていましたが、ここ数年は外の皮を剥いたら中身を幾つかに割って、白いすじは取らずにそのまま口に放り込む食べ方をしております。

次は、ぶどうの皮。
ここは一応、『ソムリエ』の資格も持っておりますもので、ちゃんとお話しできないといけませんね。

ブドウの皮には、食物繊維のほか抗酸化物質であるレスベラトロール、プロアントシアニジン、クエルセチン等のポリフェノール、そしてカリウム等が豊富に含まれています。
レスベラトロールは、心臓病のリスクを減らす。
プロアントシアニジンは、血の流れをスムーズにし、健康なコレステロールレベルを保つ。
クエルセチンは、アレルギー症状を和らげたり、免疫系を強化する助けとなる。
これらの抗酸化物質(ポリフェノール)は、身体を守り、老化をゆっくりさせる力を持っています。
またカリウムはナトリウムの排出を促し、むくみ解消に役立つと言われています。

上記のポリフェノール類は、俗にいう『赤ぶどう』(巨峰やデラウエア、ピオーネ等)により多く含まれますが、マスカット等の『白ぶどう』には有機酸が多く含まれます。

因みに…
私が最も好きななブドウはピオーネですが(お高い…)、一方で『アイス・デラウエア』も大好きです。
お手頃価格のデラウエアを房ごと冷凍室で凍らせて、1房まるごと浴室に持込み、湯舟に浸かりながらシャーベットみたいに摘まんでいます。
もちろん皮のまま…
極上のバスタイム!

さて、次はリンゴの皮。
小さい頃は、母親にリンゴを『ウサギ型』に切ってもらって、赤い皮を食べるのが楽しみでした。
大人になってからは、ウサギ型に興味がなくなったのか、それとも皮に付着しているであろう農薬やワックスが気になるからか、リンゴの皮を食べる機会がとんと少なくなりました。
単身生活の時はリンゴの皮をペティナイフで剥いてくれる人が居ないので、買ってきた赤いリンゴを丸かじりしたりしましたが、結果、差し歯の前歯がグラついたり犬歯の歯茎から出血したりとロクなことはありませんでした…

ただ、リンゴの皮には、果実全体の半分に相当する量の食物繊維が含まれています。
加えて、免疫力を高めるエビカテキン、美白効果やアレルギー改善のプロシアニジン、視力の改善作用のあるアントシアニンの3種類のポリフェノール。さらには、タンパク質を活性化させるビタミンKや、血圧を下げて動脈硬化などを予防するケルセチンも、果肉より皮の方が多く含まれています。

また、なんとなく不安を感じる残留農薬も、実際には安全性が確認されており、また雨水で流れたり紫外線で分解されたりと、まぁ通常に食する範囲内に於いて全く問題はないとされています。
さぁ今後、リンゴは皮つきでいただきましょう!

さて最後に、穀物です。
米の場合は、『白米(精米)』に対しての『玄米』。
小麦粉の場合は、『強力粉きょうりきこ』に対しての『全粒粉ぜんりゅうふん』。
蕎麦でいうと、『更科さらしな』に対しての『きぐるみ』や『全粒粉を使った田舎そば』といったところでしょうか…

いずれも、外皮(米でいえばもみ)や薄皮(米でいえばぬか)を取り除いて精製した後のものがより白く、皮や殻を残したものがより茶色っぽくなりますね。
栄養成分としては、玄米や全粒粉についてはビタミンやミネラル、脂質が豊富。
ビタミンB1・カリウム・鉄・マグネシウム・食物繊維等は、精白したものの3倍とか4倍の量が含まれるそうです。

以上、さるビジネスホテルで久々にツルンと剥けない茹でたまごと出逢ったことから、自身の『薄皮志向・薄皮嗜好』を紐解いてみた件でございました。
皆さんもどうぞ、今後は薄皮を残さずに食してみられては如何でしょうか?

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