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腸活は大人だけでなく、乳幼児から始めることが大事だとわかった話 Part2

こんにちは、かっちゃんです!


本日は先日の投稿に続いて、いよいよ核心に迫る記事となります。
ぜひ楽しんで読んでみてください!


それでは目次から!!


6. 腸内細菌ってどうやってできる?

腸内細菌は現在、胎児のときから現れる、出産してから現れると意見が割れていますが、現段階では出産してから現れるというのが通説のようです。
出産の過程で母親の膣内細菌叢に触れ、生まれた後は触れるものすべてに細菌があるので、そこから細菌との出会いが始まります。


時系列順に見てみましょう。


①新生児(生まれてすぐ)
新生児はほぼ無菌状態と言われています。ただし、新生児の最初のうんちの胎便は無菌だとされていましたが、何らかの種となる細菌が母体から受け継がれているのでは?とわかり始めたという最近の研究もあります。


②生まれてから7-10日程度
母親や周りの環境の菌に触れるため、3-4時間後には細菌が出現し、哺乳後には急激な増加がみられます。生後1日目にはほとんどの新生児のうんちに細菌の存在が確認できます。そこから母乳育児等が始まっていくと生後3日目でビフィズス菌が現れ、4-7日目にはビフィズス菌が一番多い状態、すでに出現していた菌は減少していき、7日目ごろ以降はビフィズス菌が全フローラのほぼ100%近くを占め、安定が見られ始めます。


母乳にはオリゴ糖が含まれており、これがビフィズス菌の増殖を促します。そのため、ビフィズス菌が優勢になっていくのですね。


③3歳くらいまで
母乳育児も終わり、離乳食も安定していき、徐々に成人と同じような食事になっていくにつれ、成人と同じような腸内細菌環境になっていきます。ビフィズス菌は減っていき、他の菌(バクテロイデス:日和見菌)等が増えていきます。


よく「腸内環境は3歳までに決まる!」と言われていますが、
成人と似たような腸内環境になっていくのが3歳くらいだから、ということだと思います。


少し余談になりますが、3歳児神話もそうですが、あまりにも3歳までに〇〇しなきゃ!と思うのは違うと思うんですよね…そんなこと言ってたら育てる側が疲れちゃうと思うので、そういう研究もある!ということで、頭の片隅に置いて、腸内環境を整える環境を少し意識するだけで相当変わるのでは?と思っています。何事も押しつけはよくないです。


少し脱線しましたが、上記の理由で幼児期までに腸内環境の原型が作られるというわけです。そして1人1人育ってきた環境が違うので、成人後も腸内環境が1人1人異なるというわけです。生まれてから触れるもの、食べるものもみんな異なります。それらが腸内環境を左右しているのですね。


例えば、自然分娩だと先程も書いた通り、膣内細菌に触れるので、赤ちゃんの持つ細菌は膣内細菌叢に似る、帝王切開だと皮膚の常在菌に触れるのでその細菌叢に似るといったような感じです。



自然分娩の方がビフィズス菌の検出率は高いようですが、だからと言って必ず自然分娩を推奨するわけではなく、出産の事情というのもあるので、事実としてそういうことがあるというだけです。その後の成長過程で腸内細菌はいくらでもよくもできるし、悪くもできるので、そこの理解が大事だと言えると思います。


腸内細菌がどのように増えていくのかがわかったかと思います。では一体どんな腸内環境が理想的なのでしょうか?



7. どういう腸内環境がよい?

〇〇菌が多いことがよい!というよりも、多様性のある環境でかつ、「善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7」のバランスを保つことが、いわゆる良い腸内環境と言われています。


①多様性のある腸内環境を育むために
菌はいたるところにいます。身体の表面はもちろん中にもたくさんいます。
家の中にも、外にもどこにでもいます。空気と同じような感じで、人は常日頃細菌と接しています。多様性のある状況にするためにはたくさんの菌に触れることで、多様性を生み出すことができます。


たくさんの出会いが好奇心を育てる!
という記事を出しましたが、たくさんの最近との出会いが腸内細菌に多様性をもたらす!といっても過言ではないかもしれません。外に出てたくさんいろいろ触って、菌を取り込んでいく…そうすることで多様な菌がある腸内環境を育むことができますね。


反対に高層マンションで空気洗浄機がある部屋にずっと過ごしている子どもは、菌に触れることがあまりなく、腸内環境の偏りが見られる可能性があります。高い階ほどアレルギー発症率が増えるということと腸内環境には関連性があるという研究もあります。「きれいすぎる」ので、多様性が育たたないというのが一つの原因だと言えそうですね。


だからこそ、散歩や外遊びでたくさん手で触って、歩いて、走って、転んで…汚いからダメ!というのはすぐ言うのではなく、汚いからこそ触っても良い場面もあるかもしれません。砂場やどろんこで砂まみれ、泥まみれになることは確かに洗うのは大変ですが、子どもにとっては遊んだ証ということで…


②腸内細菌バランスを保つためには?
そもそもバランスが良いというのは善玉菌が悪玉菌よりも多い状態だと言われています。乳幼児の場合はビフィズス菌量が多い状態ですね。


このバランスを保つためのキーワードが…
「プロバイオティクス・プレバイオティクス・バイオジェニクス」という3つの言葉です。これらはまとめて機能性食品と呼ばれたりすることもあります。


プロバイオティクスとは、健康に良い影響をもたらす善玉菌を含む菌や食品を摂取することです。プレバイオティクスとは、善玉菌の働きを助ける食品を摂取することです。


具体的に言うと
②-1. プロバイオティクス
ヨーグルトやみそ、しょうゆ、チーズ、納豆など、こちらは発酵食品が多く、腸内環境を整えるという意味では想像しやすいですね。


②-2. プレバイオティクス
オリゴ糖、野菜・フルーツ(食物繊維)、海藻類等があげられます。


②-3. バイオジェニクス
魚や大豆、ごまに含まれる成分があげられます。有名なところだとDHAやEPAといった成分です。


腸内環境を整える、となるとどうしてもプロバイオティクスのイメージが先行しますが、それをサポートするプレバイオティクス・バイオジェニクスの存在も欠かせないことがわかります。


ヨーグルトのみではなく、無糖のヨーグルトにオリゴ糖をかける、味噌汁の具に野菜を増やす、などということで効果的に腸内環境バランスを整えることができると言えそうです。


乳幼児の場合は離乳前後まではビフィズス菌が優勢ですが、その後はどんどん減っていきます。これば別に自然の流れなので、悲観することはないです。ただ、上記のような食事を意識的に摂取することで、バランスのよい腸内環境を育むことができ、成人になっても続けることが大事だとされています。


少し雑な言い方にまとめてしまいますが、やはり、たくさん遊んで(触れて)、たくさん食べて(プロバイオティクス・プレバイオティクス)、たくさん眠る、ということがよりより腸内環境を育てる最大の近道なのかもしれません。



8. 腸内環境バランスが悪いと起こりうること

①アトピーと腸内環境
アトピーの子どもは大腸菌、黄色ブドウ球菌などが増加し、善玉菌の乳酸菌は減少しているケースが多いという研究があります。プロバイオティクスは有効性が見られていますが、予防効果にとどまっており、治療効果の有効性ははっきりしていないのが現状です。ただ、何らかの関係性はあるのでは?と個人的には思っています。早くこうした研究が進んで真実がわかる日が来ることを祈るばかりです…


②自閉症と腸内環境
自閉症の方は腸内細菌の乱れがあり、プロバイオティクス治療で改善傾向がみられるというものです。腸の細胞と細胞の間にすきまがあり、そこに毒素が入り込んでしまうことが一つの原因とされ、腸内環境を整えることで、毒素の入り込みを防ぎ、改善を促すということです。


③その他
腸内環境バランスが悪いことが、糖尿病、肥満、心疾患等にも関わっているということが、最近の研究で徐々に明らかにされています。


余談ですが、抗生物質も腸内バランスを悪くする原因ではないか?と言われています。風邪等をひいた際に抗生物質をもらうことも多いですが、これが原因で善玉菌含め、腸内の菌を減らしてしまう、という研究もあります。そうすることにより、バランスはおろか、菌そのものが減ってしまうという状況に陥ることも…もちろん、少量の抗生物質であれば問題ないようですが、日ごろから常に飲んでいる場合は要注意と言えそうです。


上記はあくまで研究結果の一部で、様々な要因の一つとして腸内環境があげられています。一つの参考程度でとらえていただきたいです。



9. まとめ

・腸内環境は乳幼児期から育まれるもの
・腸内細菌の多様性とバランスが大事
・プロバイオティクスとプレバイオティクスを摂取すること
・よく遊び、よく食べ、よく眠ることが腸内環境を育む近道


ということです!!
今回は非常にいろいろな論文やサイトを参考・引用させていただきました。いつも通り、下記にリンクを貼り付けますので、興味のある方は元データもぜひ見てみてください!!


最後に、Covid-19の影響もあり、正直多様性のある状態にするには少し難しい状況もあります。触れるものは感染予防のため消毒したり、殺菌したり…本当に1日でも早く収束することを願うばかりです。


また次回の投稿もお楽しみにしてください!


おわり


〇今回参考にしたもの〇
小児におけるプレバイオティクス・プロバイオティクスの活用
ヒトフローラ研究
腸内細菌叢の歩み
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新生児・乳幼児の腸内細菌叢とその形成因子
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腸内細菌の変化
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乳児腸内フローラの形成機構
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