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人間とは何か これまでの気付き(1)

今回は、これまで長い間、私的なテーマとなっている人間とは何かについてこれまで考えてきたことを振り返ってみたいと思います。

私たちはどこから来たのか 私たちは何者なのか 私たちはどこへ行くのか                     ポール・ゴーギャン


考える意味

この答えのない問いを考えることに意味があるのかという点について。確かに答えは人によってさまざまです。では何が重要なのでしょうか。それは答えに至るまでのプロセスではないかと思います。そのプロセスの中に学びがあります。人間は考える生き物です。また、パスカルが言うように、

 人間は考える葦である  パスカル

人間は確かに葦のように弱い存在なのかもしれません。しかし人間は何かを知ろうとすることができる存在でもあります。そして考えることができる。ここに人間の尊厳があります。だから葦は折れることなく立っていることができる(心折れずに生きてゆくことができる)のだと思います。

生物としての人間

人間は神様が創造したと言ってしまえばそれでおしまいですから、ここは科学的に考えなければなりません。生物学的に人間というものを考えると人間を形づくる基となっているものつまり、人間の設計図としての遺伝子が大変重要な要素となっています。

遺伝子と言えば、生まれか育ちかという問題がありました。人間は遺伝子で決まるのか、その後の環境で決まるのかという問題です。現在はその両方ということで決着しています。
ここで私の気付きは、遺伝子は人それぞれ違っていて同じ人間はいません。人間の能力にはばらつきが存在します。この点を考えると人間は平等ではないと言えます。私はできるだからあなたもできるではないということです。人間で平等なのは人権です。

生物進化における遺伝子中心の視点を与えたのはリチャード・ドーキンスです。彼は生物学書『利己的な遺伝子』の中で遺伝子を以下のように表現しています。

生物は遺伝子によって利用される"乗り物"に過ぎない
リチャード・ドーキンス

利己的な遺伝子

人間も生物の一つですから、人間は代々遺伝子を伝える生き物であるということが一つの答えになるわけです。

生物から宇宙へ

地球上に生物はいかにして生まれたのかという問題はまだ解決していない問題の一つです。最近の宇宙探査などを見ると、水やアミノ酸の存在が明らかになっています。これは生命の宇宙起源説を支持しています。最近は、生命は宇宙からやってきたと考えるようになりました。

宇宙はどうやってできたのか

生命が宇宙からやってきたとすると今度は宇宙はどうやってできたという疑問がわいてきます。
1940年代にジョージ・ガモフらがビッグバン理論というものを提唱します。初期の宇宙は非常に高温高密度の状態で、それが大きく膨張することによって低温低密度になっていったというものです。宇宙開始時の爆発的膨張はインフレーション理論とよばれています。

これらの宇宙論のポイントは、宇宙が無から爆発によってはじまり現在でも膨張しているということです。宇宙は定常ではなく、空間自体が時間の経過とともに膨張していることが明らかになっています。
つまり、時空は絶対的なものではないということになります。

相対的世界 相対性理論

そんなことが分かる前、一人の理論物理学者が時空に関する理論を完成させます。アインシュタイン博士です。1916年相対性理論を発表しました。簡単に言うと、時間と空間がともに伸たり縮んだり曲がったりすることです。ここでの私の気づきは、この世界に絶対的なものなど存在しないという考え方です。

ミクロとマクロ

宇宙は約138億年前に誕生していますが、時間を巻き戻すと宇宙が膨らむ前に存在した無限に小さな点(特異点)にたどり着きます。宇宙のはじまりは小さな量子の世界です。この世界はマクロな宇宙とつながっています。小さなものと大きなものは一見して全く別の世界に見えますが、それらはよく観るとつながっているものも多く存在しています。ここでに気づきはミクロ的な視点とマクロ的視点で考えることが大切であるということです。

国立天文台 宇宙図
https://www.nao.ac.jp/study/uchuzu/index.html

私たちは星屑のかけら

人間は宇宙の中の一つの存在であり、その中に存在する星の生成消滅のサイクルの中にあります。星はやがてバラバラになって宇宙空間を漂いそれが集まってまた星ができます。私の中での輪廻とはこのような宇宙での物質循環が基になっています。マクロの視点から観れば、
私は星屑のかけらなのです。

つづく


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