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漢詩

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漢詩 行路難 李白

漢詩 行路難 李白

李白は中国盛唐の詩人です。生地は明らかではありませんが、少年時代は四川で過ごしました。揚子江流域の諸都市を放浪し、途中、玄宗に仕えましたが、宦官の讒言によって追われ、多難な人生でした。その後、長江を上下しながら余生を送りました。

「行路難」は天使を補佐することや、文学で名をはせるといった志を遂げられず、鬱屈した心情を吐露した李白の心情がうたわれています。

ではその後半の一部を紹介します。

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漢詩 鹿柴 王維

漢詩 鹿柴 王維

鹿柴  王維
空山不見人 但聞人語響
返景入深林 復照青苔上

空山人を見ず
但人語の響くを聞くのみ
返景深林に入いり
復た照らす青苔の上

閑散とした山に人の姿はない。
ただ耳を澄ませば、人の話し声が、こだまして聞こえる。
夕日の照り返しが深い林に差し込み、
また、青い苔の上を照らし出す。

「鹿柴」は野生の鹿の侵入を防ぐ柵。

王維(699?―761)
中国、唐代の詩人で画家。盛唐期の大詩人の

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