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音楽家になれずに大人になってしまう理由

今何歳?

この記事に辿り着いた方は音楽家を一度は目指したことがあるでしょう。

今何歳でしょうか? 

未成年ならいいのですが、20代、30代、40代ならなぜ音楽家になれずに大人になってしまったのでしょうか? 

50代、60代の人はなぜ音楽の道を進むことなく、老後を迎えるのことになったのでしょうか? 

70代以上の諸先輩方はなぜセカンドライフを音楽家として過ごさないのでしょうか?

理由

音楽家になれずに大人になってしまった理由は「自分が投げ込まれた時間に目を背けていたから」です。

これからも音楽家になれない理由は「自分が投げ込まれた時間を見ようとしないから」です。

つまり、死の存在を見ないふりしているからです。

今の時代

今に始まったことではないのですが、第二次世界大戦以降を今と考えます。
今は「存在忘却の時代」なのです。

世の中がどんどん便利になって、個人の存在が「どうでもいいもの」と思い込まされて、平均化させられて、労働力を確保して、働けば働くほど良いと考えさせられて、頑張ることが正義と思い込まされています。

この生き方を「没個性化」と呼びます。

別の言い方

「没個性化」を別の言い方で「非本来的な生き方」と言います。こちらの方が突き刺さるのではないでしょうか? つまり本来は個性的に生きるべきなのにそれを押し殺して平均化した状態で働かされているのです。

抜け出す方法

この「没個性化」「非本来的な生き方」「平均化」から抜け出す方法は、自分が投げ込まれた時間を直視することです。

時間はどこに向かっているか? 100%死に向かっています

つまり、死を覚悟して、自分が今と言う時間でできることを、自分で選択して、自分で決断して生きるのが本来のあるべき姿であり、本来的な生き方なのです。

そもそも

そもそも私達は何も分からずにいきなり、今の時代に生まれた・・・つまり投げ込まれたのです。「生まれたい」と思ったわけではありませんよね。で、確実にいつかは死ぬのです。致死率100%です。つまり、100%起こる出来事を怖がるように今の時間に投げ込まれた・・・おいおいって思いますよね。

だから

だから、その死を恐れて、考えるのを避けるために、目を背けて、周りに同調して気を紛らわしながら生きてきたから音楽家になれていないのです。

孤独で不安

そりゃ皆が中小企業に就職していく中で自分だけが音楽家を目指すと、周りの目は冷たいですし、家族も反対しますし、自分でも結果が出ない時期に疑いの念を持ってしまいます。ここを覚悟しないといけないんです。

まとめ

詳しくは述べませんが、人間をあえて「現存在」と言い換えて、自分の存在をこの時間の世界の中で生きている「世界内存在」と考えて、望んでもいない労働者で人生を終えようとしている人を「世人」と呼びます。

死を不安と感じるのではなく、死の覚悟によりはじめて生を「躍動」させられる。

これが私が崇拝するハイデガーの音楽家的利用法です。

このような音楽哲学を学べば音楽家になれます。

音楽哲学の学習なくして世人として平均化して生きながら音楽家を目指すのは服を着たまま自転車に乗りながらプールに飛び込むようなものです。

今年は10年ぶりに指導します。くわしくはこちらへ

津本幸司




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