読書記録 むらさきのスカートの女(今村夏子)
やってしまった。普段家にいる時よりも電車とか移動時の方が読書が捗るのに、出張に本を持ってくるのを忘れてしまった。
積読を増やしたくはないので、1泊2日で読みきれそうな本を空港の本屋で探す。原田マハさんが大々的に取り上げられている中を物色する。すると、前から気になっていた本が。分量もちょうど良さそうなので購入。
むらさきのスカートの女(今村夏子、2022)
意図せずに、今村夏子さんの本を連続で読むことに。ななんと芥川賞受賞作だと!(無知ですみません)
ざっくりあらすじは、
近所に「むらさきのスカートの女」と呼ばれている女がいる。私はその女を日々観察しており、どうにか友達になりたいと思う。そこで、彼女を自分と同じ職場で働かせるように誘導していき…。
タイトルからなんとなく伝わる、不穏な感じ。「紫」を「むらさき」と平仮名表記しているのも何か理由があるのでは、と思いながら読み進める。恐らく子供たちがそう呼んでいるから平仮名なのかな???
以前、Twitterで、「江國香織さんの詩に平仮名が多用されているのは、何か深い意味があるのだと考えてしまう〜」的なツイートを見たことがある。それと同じくこの「むらさき」にと意味があるのだと思う。
とにかく終始、しっとり不穏。何か大きな事件が起こることはないが、ずっと気持ち悪い。だんだんと変わっていくむらさきのスカートの女。
結局、むらさきのスカートの女と私は、同一人物だったのだろうか?むらさきのスカートの女とは、なんだったのか?最後の1ページにもやもやさせられる。
本編とは関係ないが、この本を購入する際に、本の帯に「TikTokで話題!」と書かれていたのを覚えている。ああ、最近のTikTokは本の紹介などもするんだなと思った。筒井康隆さんの「残像に口付けを」もそんな感じで再ブレイク(?)したそうだし。
本の広がり方もまた、変わってきたのだと感じる。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?