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花澄
2023年6月8日 14:46
目が覚めてから10秒くらいはたいてい寝ぼけて混乱していて、場所も時代も、何もかもがわからなくなる。目覚めた瞬間はいつも実家の2段ベッドの上にいて、右側の壁に窓がないことに驚き、光の速さで考えながら、あ、ここは今東京で、2段ベッドじゃなくてロフトベッドに寝ていて、もうわたしは大人なんだった、と整理しながら世界に降りてくる。床で昼寝なんてしてしまうと、さらに迷子になる。ここは実家じゃないから、ただい
2023年5月15日 20:40
なぜ俳優になったのかという質問に、大女優でも有名でもないわたしが大それたことは言えないけれど、ある映画にクランクイン直前の今、思いなどとりとめもなく書き記しておこうと思う。多少ざわついているので、まとまらなかったらごめんなさい。まずなんというか、周りの俳優を見渡してみて、わたしは女優よ!俳優だ!みたいな人って、あまりいないというか、自分も含めて、わりと普段は控えめなひとが多い印象がある。昔みた
2023年5月6日 17:58
食べ物のはなし。第二章。菜食になった話です。「試しにさ、動物食べるのやめてみようと思うんだけど。」と母が言った。大学を卒業して東京に出てから数年経った頃だった。ん?なに?急に?と一瞬思ったが、なんとなく、それいいね、とも思った。それまでも積極的に食べたいなと思う方ではなかったし、食べると体調良くないなあとも思っていた。胃がもたれて身体も重いし、肉を食べたあとはうんちもおならも臭い。ああ
2023年4月27日 21:31
よし、要望もあったので、いったん写真の話を離れて、食べ物のはなしをしよう。どういうわけかわたしは現在、食べることが大好きなので、どこから書いてよいものやら迷ってしまう。どの時期を切り取るかによって食に対するスタンスが全然変わるので、書きながら整理しようと思う。幼少期、団地に住んでいた頃は身体が弱く、とにかく食が細かった。保育園の帰りに寄るたまの外食は嬉しかったが、日常での食事は苦手だった。
2023年4月15日 22:18
「すいません…これの電源は、どこでしょうか…?」2015年秋、3度目に行った家電量販店のカメラ売り場で、やっと店員に向けて発した言葉である。舞台千秋楽のあと、あまりの喪失感に耐えられず、色々考えた結果、よし、カメラでも見てみよう、と電気屋さんに行ったはよいものの、ちんぷんかんすぎて見方がまったくわからない。相場もわからなければ、どんな種類の何があるのかもさっぱりである。1度目は一体いくら位す
2023年4月10日 23:03
好きな演出家は?と聞かれて、必ず答えるひとが1人だけいる。ジャムセッションの西沢栄治というひとだ。かれこれもう10年以上は言い続けている。今でこそ頻度はかなり減っているが、わたしはキャリアの中で一番多くの時間を舞台に費やしてきた。たまたま入った事務所が舞台の制作もやっていたからで、入所当初やっていたレッスンも舞台向けのものだった。稽古も含めると1年の3分の1から半分くらいは関わっていた時代もある
2023年4月8日 13:29
いつの時代も恩師に恵まれている。わたしの話を聞き、理解し、導き、寄り添ってくれるひとのことだ。わたしは拠り所とするひとを見つけるのが上手い。保育園、小学校、中学、高校と、いつを切り取っても必ずひとりはいてくれて、わたしを助けてくれた。わたしは多くの人に心を開かないが、心を許しているひととはとことん近い。何かをして欲しいと望むわけではないが、わりと何でも話してきた。大学だけはあんまり好きになれなく
2023年4月7日 20:37
どんな子供時代だったかを語るとき、どこから話したらよいやら困ってしまう時がある。どう話したらいいんだろう。いまのわたしが、結果マルだ、というのを踏まえて読み物として読んで欲しい。わたしがあまり人に語らなかった方の子供時代だ。表向きには、街中のいろんなおうちやお店が遊び場で、学校帰りにはみんなに挨拶してまわり、近所のおばあちゃんのうちに勝手に上がりこんではおばあちゃんの帰りを待ったり、一緒に相撲
2023年4月6日 15:46
noteでわたしから何の話が聞きたいか尋ねたところ、撮影秘話などの類より圧倒的にわたし自身についての質問が多かった。わたしは今までなるようにしか生きてきていないし、これからもそうなので、人に興味を持たれるような人間だとは思っていなかったのだが。わたしは何かに逆らったり、闘ったり争ったりするのが好きではない。これといった反抗期も記憶にない。めったに怒ったりしないし、強引に何かをお願いするこ