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『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海』で印象に残った場面
はーい、テツガク肯定です。
個人的、独断と偏見で選ぶ。
『呪われた海賊たち』で印象に残った7つの場面。
1つ目は。
ホントの話をしても
信じないと思ったら言うだろうな(吹き替え版の台詞)
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映画14分頃。
なぜ、ポートロイヤルに来たか、と訊ねられ。
ここで船を奪って、暴れまくってやる、と答えたら。
それが、嘘か本当かで言い合う兵士に言いました。
案外、キャプテン・ジャック・スパロウは。
嘘は言わない人のような気がします。
勝手に疑ってくれるのを利用する策士。
ホンモノの詐欺師。
2つ目は。
不思議なことにその二つは
必ずしも矛盾しない(吹き替え版の台詞)
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映画45分頃。
二人でボートを被って水中を歩きながら。
これって間抜けななんだか
利口なんだか
そう呟くウィルさんへの返事です。
不思議なことにその二つは
必ずしも矛盾しない(吹き替え版の台詞)
字幕だと、頭がいいのか、バカなのか。
それに、その2つは区別をつけにくい、と。
これは吹き替え版の方が個人的には面白いです。
頭がいいバカがいても、矛盾しない。
そういうことだと思えるので。
3つ目は。
だったら、俺にとっちゃ
フェアにやる意味ないな(吹き替え版の台詞)
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映画49分頃
負けちゃいない
あんたは卑怯な手を使った
フェアにやってれば、アンタは死んでる
そう意気込むウィルさんに。
キャプテン・ジャック・スパロウが返したのが。
だったら、俺にとっちゃ
フェアにやる意味ないな
ルールや掟は守るべきだ。
そう教え説かれてきた、今まで。
だけど、もし……。
それらによって、死んでしまうのなら。
全くフェアにやる意味はない。
自分にだけフェアであればいい。
最近、そんなことを切に思います。
今は昔、竹取の翁ありけり。
これは誰かにとってフェアな話。
夢は今、月のワガママ娘、お迎え。
これが今の私にとってのフェア。
まさに、1作目はこの台詞通りの結末。
エリザベスさんのパーレイって海賊の掟から始まり。
その後も登場する、様々な海賊の掟。
ですが、最後には掟はただの心得だという結末。
この世のゲンジツなんてものは。
ただの幻想って心得です。
自分にだけフェアなあの世へ帰るための。
4つ目は。
自分に何ができて、何ができないか、だ(吹き替え版の台詞)
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映画49分頃
再び不意を突かれ。
ブーム(帆げた)に掴まるしかないウィルさんに。
男にとって大切なことは一つ
自分に何ができて、何ができないか、だ
でも、言っとくが
お前が海賊の息子だってのは事実だ
俺はお前を海に落とせる
ところが、独りでトルトゥーガまで
船を操っていくのは無理だ、おわかり?
そこで……
海賊の指示に従って旅ができるか、できないか
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字幕より吹き替え版の方がわかりやすいです。
最初に大切なことを教えて。
そのうえで、それができるか、できないか。
それを選ばせる、キャプテン・ジャック・スパロウの帝王学。
5つ目は。
北を目指すわけじゃない
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映画1時間3分頃。
誰にも見つけられない島へなんて行けるのか?
コンパスも壊れているのに
というウィルさんにギブスさんが答えます。
そう、アレは北を指さない
でも、北を探してるわけじゃないだろう
吹き替え版のやり取りです。
昔、私も相方とこのアイディアで物語を楽しみました。
今思うに、この『北を指さない羅針盤』というのは。
誰もが持っているモノだと思います。
別に北を知りたいわけではありません。
自分が望む、ITが。
どこにあるのか、示してくれるのなら。
北を指さない、壊れたように思える羅針盤でも構わない。
アメリカの映画というのは。
誰もが持っている普遍的なものを。
具現化させながらも抽象的に保っている。
それが、もの凄く上手いと思います。
日本の場合、普遍的なものを具体的に盛るので。
それは選ばれたヒーローだから、と言い訳になる。
ですが、アメリカの映画を観ていると。
愚かにもこう思えてきます。
もしかしたら、私にもできるんじゃないか?
きっと、できる……私のITが何か、もう気づけたから。
君の髪は春の空、4月のあけぼの、僕の夢も……僕の、夢も……。
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そんな馬鹿げたことを。
マジに夢中に信じられるから不思議です。
6つ目は。
キールや船体、帆や甲板じゃない
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映画1時間37分頃
エリザベスさんと炎を囲みながら。
キャプテン・ジャック・スパロウは語ります。
行きたければどこへでも行く
それが船ってもんだ
キールや船体、帆や甲板じゃない
それは船に必要ってだけ
それじゃ船とは……
ブラックパールとは――何か?
自由だ(吹き替え版の台詞)
まさに、これも普遍的で抽象的。
私の相方ならこう言いそうです。
やりたければなんでもやる
それが人ってものです
頭脳や肉体、立場や容姿じゃない
それは人に必要ってだけ
それじゃ人とは……
個人とは――何か?
我がままです
キャプテン・ジャック・スパロウって個人。
その我がままは、永遠の自由。
今の私にとって、その我がままは。
愛しの相方、ワガママ・クイーン。
7つ目は。
俺はいい加減だ
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映画1時間52分頃
キャプテン・バルボッサが。
キャプテン・ジャック・スパロウを。
全く予測できない人だと言って。
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それに対する、キャプテン・ジャック・スパロウの返事が――。
俺はいい加減だ
いい加減なやつは
いつもいい加減と思って間違いない
ホントに
むしろ、注意しなきゃいけないのは
いい奴だ
完全に予測不能
たまに、おそろしく
バカな真似を……やらかす
これは私の感想ですが。
おそらく、キャプテン・ジャック・スパロウは。
いい加減な人で、いい奴だと思います。
一番、最初に紹介した台詞でも描きましたが。
映画を観ていると、基本的に嘘は言いません。
相手が勝手に嘘だと勘ぐってくれるので。
それを上手いこと活用する策士、ホンモノの詐欺師。
そして、信じられないほどいい人。
だから、最後には笑っている。
まだまだいい場面はあります。
もしかしたら、いつか追加を描くかもしれません。
それから、これを描きながら気づきましたが。
字幕もいいのですが、吹き替え版の台詞を考えた方は。
素晴らしいです。
唯一、一つだけわかり難い台詞がありましたが。
この世の者ではないから
死ぬことは許されない
だが、死んでもいない
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映画の1時間頃。
キャプテン・バルボッサの台詞。
死ぬことは許されないのなら。
死んでいないのは……当然?
字幕だと
この世の者ではないが
かといって死人でもない
とてもわかりやすいです。
まあ、こんなのはどうでもいいことです。
それよりも圧倒的に面白く。
映画を楽しませてくれる台詞回し。
おわかり?
私の中でキャプテン・ジャック・スパロウの代名詞です。
どうも『サヴィ』というようですが。
それを上手く日本語に訳したと思います。
世界三大ウサギのバッグス・バニーみたいなやつですね。
ワッツ・アップ・ドク?
これを、どったのセンセー? と訳したのと同じように。
素晴らしい職人の仕事だと思います。
それでは、また次の機会にお会いしましょう。