マネーフォワード クラウド連結会計 プロダクト概要紹介
こんにちは!「マネーフォワード クラウド連結会計(以降“クラウド連結会計”)」のプロダクトマネージャーをしている、HORIと申します。
先日、クラウド連結会計のプロダクトビジョンを紹介させていただき、また、その後から「こだわり仕様シリーズ」を書き始めているのですが、「プロダクトの概要」の紹介がないと説明のバランスが悪くなってきましたので、細かい仕様の上位にあるコンセプト的なこだわりと併せて、プロダクトの概要を紹介していきます。
(コンセプトは絞っていったほうが良い。という話はあるのですが、まだリリースして間もないプロダクトであり、実現したいこともいっぱいあるので、あえてプロダクトの特徴を抜粋して列挙というカタチにします)
成長企業、中堅企業向けの連結会計システム
連結会計システム業界の始まりが、そもそも大企業の連結決算の自動化から始まった経緯もあり、これまで市場に存在していた連結会計システムは総じて「大企業向け」のシステムばかりでした。
ただ、近年ではM&AやIPOの増加を背景に「企業成長に伴い、連結が必要になる」という状況が増えてきています。
こういった企業では「グループ会社が増えやすい」、「連結を知っている人が少ない(いない)」、「担当者の交代が多い」ということが多く、大企業向けのがっちりとした作り込みや複雑なロジックによる自動化システムが適しません。
そのため、連結ベースで経営判断したいとマネジメント層が思っていても、作業工数の問題で作れていないかったり、やむなくExcelでの連結を選択するという状況が数多く発生しています。
クラウド連結会計では、このような企業に対して、手軽にシンプルに連結会計を始められるプロダクトを提供し、グループ経営でさらなる成長を実現していけるプロダクトを目指しています。
グループ各社の単体会計システムは何でもOK
「マネーフォワードグループの連結会計システム」であれば、単体会計システムはマネーフォワードの会計システムが前提と思われがちなところですが、クラウド連結会計は「グループ会社の会計システムはなんでもOK」のスタンスを取っています。
各グループ会社の単体会計システムは紆余曲折を経て、現状の状態に至っているわけであり、そこの事情を全て無視して全社の会計システムを揃えることを必須、とすると、全社の単体会計システムが揃うまで使えない連結システムになってしまいます。
特に成長企業の買収などでは、「会計システムをいますぐ変えてください」なんて簡単には言えない、という状況が発生しやすいので、会計システムを変えてもらうのを待っていたらいつまでたっても連結できません。
そのため、クラウド連結会計は、「グループ会社の会計システムがどんなシステムでもすぐに連結できること」をコンセプトに開発しています。
単体会計システムと連結会計システムの新しい連携のカタチ
グループ会社の単体会計システムはなんでもOKの前提でありつつも、グループ会社の単体会計システムがマネーフォワードであれば、当然ダイレクト連携はできるようにしています。この場合の連携方法はDB連携やCSV連携という形ではなく、クラウドサービス同士のAPI連携で実現します。
家計簿アプリが、カードや銀行の明細データを取得して自動的に家計簿を作るのと同じような感覚で、単体会計システムのデータを取得して連結財務諸表を作成できます。
単純作業のペインを撲滅。AIも活用
専門知識がたくさん必要と思われがちな連結決算ですが、実は作業ベースで見た時に圧倒的に時間を使っているのが、グループ会社からのデータ収集、最新データ管理、データ成形、転記といった単純作業になります。
クラウド連結会計では、深い業務理解と最新のテクノロジーへの知見を土台に、ユーザー体験を徹底的に考え抜いて「単純作業を撲滅」することを目指しています。
例えば、子会社からのデータ取り込みにおいては、API連携によるデータ連携や、AIを利用した科目変換といった新しい技術を最適なシチュエーションで駆使しつつ、柔軟なExcelからのインポートも備えることで単純作業の徹底的な排除を実現しています。
API連携を活用した柔軟なレポーティング
スプレッドシート連携
レポーティング機能としてはAPI機能を活用したスプレッドシートアドオンを準備しているため、各社で作成したいレポートをスプレッドシート上で実現しつつ、そのデータをクラウド連結会計からダイレクトに連携できるようになっています
開示システムとのAPI連携
上場企業での開示に必要な開示システムへのデータの受け渡しにもAPI連携を活用可能です。(2023年11月時点では宝印刷様のWizlaboのみに対応)
上場企業様向けの単体会計システムであるクラウド会計Plusと同じ操作感で連携できるようになっているため、連単で統一的な開始資料の作成業務を行るようになっています。
多種多様な連結業務に対応
連結決算は上場会社が四半期開示の時にだけ使うものと定義されがちですが、マネジメント層や投資家、債権者、金融機関は常に連結ベースでの情報を欲しています。
そのため、月次ベースでの管理連結や予算連結といった、管理会計としての連結決算を必要とされるケースも非常に多いです。
予算ができるようになったら見込みの連結、見込みの連結ができるようになったら円安シナリオシミュレーション連結といった感じで利害関係者が欲しい連結数値はどんどん増えていくことが想定されます。
むしろ、今までこういった連結をしていなかったのは、単純に「仕組みがなかったから」というだけで、簡単に連結ができるなら「常時連結ベースで実態をとらえていきたい」という流れになっていくと思っています。
事実、上場開示の世界では連結>単体の優先順位がどんどん明確になってきている状況なので、連結データの作成ニーズは増えることはあっても減ることはない状況です。
ただ、こういった管理連結の特徴は「スピーディにざっくりと」というのが定番であるため、「慎重に正確に」作成しないといけない制度連結とは求められる要素が違うという側面もあります。
クラウド連結会計では、こういった特徴の異なる連結業務の片方だけに絞ることはせずに「共通で必要となる部分」を重点的にシステム化することで、どちらのニーズにも対応していけるようにしています。
セグメント会計への対応
グループ経営を行っている場合、会社をまたがって複数の事業を営むケースが多くなってきます。この場合、会社単位での経営成績が見えるだけでは事業ごとの状況をつかむのが難しくなっていきます。
クラウド連結会計では、マネジメント・アプローチでのセグメント会計を追求した様々な機能を持っているため、今利用している経営管理資料をそのまま生かしたセグメント会計を実現することが可能になっています。
連結決算担当者の孤独を解消
ピュアクラウドであることにより、サーバーのメンテナンスが不要、クライアント端末へのインストールが不要、リモートで作業、複数人での作業が可能というメリットが享受できます。
クラウド連結会計ではここに「誰にでも直感的に使える操作性」を追加することで、連結会計システムを利用可能な企業形態、企業ステージを拡げると同時に、様々な関係者が連結決算に参加しやすいようにしています。
今までは「大手上場企業のエキスパートのみが使う」という前提であった連結会計システムを「手軽に始める。みんなで作業分担・共有する」という位置づけで使うことができるようにしています。
成長企業、中堅企業での連結決算でよくある構図として
①連結決算がわかる人は一人だけ
②Excelで連結決算を組んだが、関数が複雑で分担不能
という状態から連結決算担当者が孤独な作業をする状態となり、誰も手伝えないという状況が発生しやすいのですが、クラウド連結会計は、この孤独を仕組みで解決していきたいと思っています。
なお、2024年1月にはグループ会社の方が海外の方でもデータ登録ができるようになり、分担&共有の幅がぐっと広がっています
最後に
特徴な部分をかなり絞って記載しましたが、「マネーフォワード クラウド連結会計」にはまだまだ魅力的な機能がいっぱいございます。
お客様の課題に合わせた豊富な導入支援プラン等もございますので、気になった方は下記のリンクよりお問合せをお願いいたします。
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