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「会社」のラベリング方針【クラウド連結会計こだわり仕様シリーズ】

こんにちは!「マネーフォワード クラウド連結会計(以降“クラウド連結会計”)」のプロダクトマネージャーをしている、HORI です。

こだわり仕様シリーズ第5回

クラウド連結会計のこだわりシリーズの第5回です。第4回は会計期間にフォーカスして解説しました。今回は「会社」にフォーカスしてこだわった部分を説明していきます。


連結決算における「会社」の特徴

親会社と子会社を合算して重複分を消去するというのが連結決算の処理であるため、多くの単会会システムとは異なり、連結決算においては「会社」が複数登場します。
そしてグループの大きさによっては似たような名前の会社がいくつもできる&増えていくことになります。(マネーフォワードだとマネーフォワードXXという会社がいくつもある感じです)。
これらの会社は名前が似ていたとしても、独立した別の会社なので、それぞれの会社から財務データを受け取り、並べて、消去仕訳を等を追加して合算するという作業が必要になります。

まずは略称が必要になる

連結決算業界の慣習としては、まずは会社の「略称」を持つことが普通かと思います。
最初は会社数が少なかったとしても、何回も登場する会社の名前を正式名称で記載するのは面倒という話と、レポートとしてみる時も会社名を正式名称で表示する必要はないので、連結精算表で金額を横にならベた時に見やすいような「会社を表す短い文字列」を作ることがほとんどです。

成長するとコードも必要に

会社が増えてくると、連結決算業務の効率化のためにシステム導入に至ります。この時、システムとしての都合上「コードを採番してください」となります。
ここで「システムだからコードを使うのが当たり前」で済ますのではなく、「なぜ、システムだとコードが必要なのか?」を考えることにします。
名称の視認性については上記のように、大概の場合で略称を使い始めているので、別に略称で問題ないはずです。また、以前、勘定科目がコードを持つようになる理由を説明した際の大きな理由であった、業務効率や引継ぎの上での必要性も略称があれば不要なはずです。

最終的にコードを使いたい理由は「他のシステムとのデータ連携」がメインとなります。他にも会社の特性に応じた分類、並べ替えなどもコードを持つことのメリットにはなります。

会社コードの採番時の悩み

皆さんは、いざ「会社コードを付けてください」となったとき、「すぐ付けられます」と回答できますか?
会社の背番号みたいなものなので、もし担当者レベルなら「勝手につけていいかわからない」、「どういうルールで分ければいいかわからない」、「似たような会社が増えた時どうしよう」と考えだすと、なかなか決められないと思います。まだ略称であれば、会社の名前をショートカットするなり、頭文字を取ってくるなりで何となく決められそうではありますが、コードの採番となると、途端に難しくなります。

略称と会社コードを同時に考えられるとしたら?

ここまで、会社略称と会社コードの二つを別のモノとして説明してきましたが、上述の通り会社略称と会社コードの両者が登場する理由は「必要となったタイミングが違ったから」という背景がご理解いただけたかと思います。
となると、「会社略称と会社コードを同時に付与する」というような状況であれば「会社略称と会社コードを統合したモノ」を付けられる可能性が出てきます。
クラウド連結会計では「初めて連結」するようなユーザーも想定しているので、「会社略称と会社コードを同時に付与する」というような状況も多いと想定しました。

会社略称と会社コードの差分

会社略称ではカバーできなかった会社コードのメリットは上記にも記載しましたが
①データ連携時のキーとしての利用
②会社の分類、並べ替え
が大きな理由になります。ただ、このうち②は並べ替えが柔軟にできる機能があれば、略称であっても問題はなくなります。
最終的に残るのは①の役割になります。
①の役割を持たせるためには、データ連携時に文字化け等を起こさない半角英数字(一部の記号を含む)で作られた文字列であることが望ましいので、略称の文字列を自由にしてしまうと①の役割は難しくなってしまいます。

会社略号という新概念

このような背景から、クラウド連結会計では会社略称と会社コードを一つに統合した「会社略号」という概念を導入しました。
半角英数字(一部の記号を含む)を使いつつ、会社の特徴を表すような文字列にしていただく、一定の文字数以下にしていただくという感じで、会社略称に一定の制約を加えることによって、以下のような効果を実現しています。

  • 会社を多数並べた時の視認性向上

  • データ登録時等の作業効率向上、表記ゆれによるミス防止

  • 会社コードは検討不要(ただ、既存のコードがある場合は略号にコードを使っていただいてもOK。ルールは半角英数字なので)

  • データ連携等における障害にならない(インポート、エクスポートどちらの方向でも)

  • 開発的にもコードと名称のどちらを使うのかという検討がなく開発効率化に寄与

なお、業界初の概念(たぶん)なので、「いや、コードと略号両方持ちたいんだ」というケースもあると思い、念のため、略号とは別に名称、備考も持てるようにはしています。

最後に

いかがでしたでしょうか?
私たちはこだわりを持ってプロダクトを作り、連結会計の世界を変えていくつもりで日々の開発に取り組んでいます。志を叶えるにはまだまだ遠い道のりですが、このこだわりに共感し、一緒に未来を作っていくメンバーを募集しています。共感された方、気になった方は、ぜひエントリーをお願いいたします。



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