演題査読の裏側を少しだけ
2025年2月23日(日)に【第28回福岡県作業療法学会】が行われます!
このnoteでは学会の運営側からの目線で【第28回福岡県作業療法学会】の学会長である私が、学会が出来上がるまでの課題や奮闘についてを書いていきたいと思います。
今回のテーマは「演題査読の裏側を少しだけ」です。
さて、昨日当学会に演題登録してくださった59演題に「採択通知」の連絡があったと思います。
みなさんが頑張って作成していただいた演題は大切に査読者が読ませていただきました。
今日はその査読の裏側を少しだけ公開しますね。
今後、学会運営される方の何か参考になれば幸いです。
※このnoteの記事は私自身の見解であり、関連する組織とは無関係であることをご理解いただきたく存じます。
演題と向き合う”査読”
査読と聞くと、「審査される」という感覚を覚える人も多くいると思います。
実際、学会で発表して良いかどうかを判断するという要素も含むため、審査という側面も否定できないと思います。
査読を行う際はできるだけ平等性を担保するために、
発表者の個人情報を全てマスクされた状態で査読担当者が決まります。
その振り分けは演題担当者が行い、各査読委員の方に振り分けていきます。
査読の際には、一定の基準が学会によって設けられており、各項目に対して点数をつけて、その合計点を出してから採択かどうかが判断されます。
各査読委員は、様々な分野に長けた人が選出されており、その視点は多くの知見のもとに成り立っています。
また、査読者は一人ではないため、複数人で見た演題の点数を総合的に見て採択かどうかは判断されます。
学会によって、この査読の基準をどう持ってくるかで、その学会のスタンスが見えてきます。
このように、査読自体は平等性を担保するための手順を作られています。
ここまでがシステムの話。
査読の中身を少しだけ話すと、査読をする人たちは、その発表者が伝えたいメッセージを汲み取るように見ていきます。
例えば、
この発表で何を伝えたいのか?
その発表の裏にどんな思いが隠れているのか?
それはどのように表現されているか?
※上記は審査項目とは異なります。
そうやって、査読者は発表の足りない部分や長けている部分に目を向けながら、その発表者としっかりと向き合っています。
査読は「審査する」という側面も持っていますが、その発表の真意を確認し、発表者自身の作業療法の視点を大事にしています。
査読者がその発表者と向き合った結果が採択通知にあるコメントです。
発表者にとっては複雑な意見もあると思いますが、少ない文字数の中で、発表者の思いを汲み取ろうとしている査読者の思いも少しだけ考えてもらえるとありがたいです。
査読が進まないと運営も進まない
少しだけ学会運営と査読の関係を話しておきます。
演題を担当している人は、各演題に対して査読者を振り掛け、その集計まで行います。
演題数が増えれば必然的に、演題担当者の業務は増えていきます。
今回の当学会では多くの演題が集まり、演題担当の方には大変な努力をしていただきました。
演題登録者とのやり取り
演題の個人情報のマスク
査読者の振り分け
査読者ごとに添付ファイルの作成
査読結果の集計
採択通知の連絡
学会誌に載せる演題の集計 など
演題担当者の難しい部分は、この作業を、演題登録〜演題締め切り〜採択通知までの短期間で全てこなさないといけないことで、
演題の採択が決まる時期はとてつもなく忙しくなります。
多くの査読者との連絡のやり取りは特に大変ですし、メールするにしても気を遣う部分も多かったと思います。
尽力してくださった運営スタッフには大変感謝しています。
全ての演題に敬意を表して
このように、発表する側に焦点が当たりがちな学会発表ですが、
実はその裏には、査読者や運営スタッフの大変な努力があるんです。
それもこれもすべて、
演題登録を頑張ってくださった、発表者の皆さんの思いがあってこそだと思います。
当学会は全ての演題に敬意を表します。
忙しい日々の臨床や業務の中で、前に進むための当学会での発表を決めて、そこに向かって数ヶ月思い悩んだみなさんの努力が少しでも形になるようにお手伝いできたなら幸いです。
ぜひ、発表だけでなく、学会自体も大いに楽しんで参加していただければと思います。
学会に対する意見をください
学会長として、この日記を読んだ方の意見をお聞きしたいと思っています。
全ての意見に応えられるかわは分かりませんが、取り入れられるものは参考にさせていただきたいと思います。
下記に学会へのご意見をお書きいただければ、必ず拝見しますので、良いも悪いも含めてご記載いただければ幸いです(匿名で問題ありませんが、経験年数だけいただけると背景を考慮しやすいです)。
よろしくお願い致します。
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