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「芸術は値段じゃない」

土曜日の夜、
池袋で、ギターを弾きながら
弾き語りをする若い人がいた。

タイプでいったらまさに尾崎豊。

叫びながら弾き語り、
メッセージ性の強い音楽であった。

僕の好きなタイプであった。

________

僕はギターケースの中に、
小銭250円を入れた。

入れすぎてもバカにしてるような
感覚が好きではなくて
いつも500円が金色で好きだから
500円を入れたかったが小銭がなかった。

路上アーティスト感のある
ギターケースには、
すでに千円札と、500円玉と、
他の小銭があった。

僕は、あそこに入った小銭やお金は、
誰かが入れたのかどうかは知らない。

マーケティングの手法として
はじめからお札や小銭を入れといて
次の人が入れやすいようにすると
聞いたことがある。

別にそれでもよかった。

投げ銭した時に目があった。

若い人といっても
多分、同い年ぐらいである。
顔でなんとなくわかった。

彼の目は、狼のようであった。
優しい少年のような目ではなかった。

決して悪い意味ではなく
強い怖い目をしていた。

_________

※ここからは言葉が荒れます。
ご了承ください。

その日は池袋の芸術劇場で
舞台をやっていたらしい。

ちょうど20時に舞台が終わって観覧者が
多くの人達がホールから出てきていた。

その若者らがいるところは
多くの人達の駅まで帰り道であった。

だが、誰も道で立ち止まって
音楽を聴いたり、
彼らを見ることすら少なかった。

※初めて見た僕には知らない
何か理由があるのかもしれないので
勝手な解釈になります。


土曜日の20時に
人の音楽を聴く時間がない人
ほぼなんていないだろう。

もちろん、立ち止まれと
言いたいわけじゃない。
興味がないなら、別にいい。

汚らしい服装や容姿で、
路上で歌を歌っている若者の
彼らに人を惹きつける
魅力がないのかもしれない。

でも、舞台を見るような奴らだろ?
今さっき見てきたあなたたちだろう?

芸術的な部分に惹かれてんじゃないのか?
作品に感動するんだろう?

ほとんど舞台見ない僕には
舞台の魅力や気持ちなんてわからない。

でもよ、路上で自分の武器を
世の中の人に伝えようとしていることは
形になっていないだけで十分な、

芸術だと思うんだ。

それとも僕の解釈がヅレている?

僕は、かっこいいと思うんだ。
見てるだけじゃなくてやってる人って。

勝手な意見だけど、
所詮、芸術、舞台とかミュージカルが
好きなんて言っているやつらは
そういったオシャレな高いものに
手を出している自分が好きなだけなんだよ。

そういう優越感に酔いしれているんだろう。
S席12,000円だよ。
綺麗でかっこいい服装やバッグ、
アクセサリー、SNS投稿…

そんなものより大事なものはあるだろう。

路上で歌う若者に立ち止まってあげる
ぐらいやってあげもいいんじゃねーか?

S席12,000円だぜ?


日本って、残念なところあるよ。

夢を応援できない人が多いこと。

夢を応援できる人って少なくて、
しかも夢を見る人を否定する所がある。

だがその人たちが活躍し始めてから
手のひらを返すように
応援し始め、ファンヅラをする所もある。

そして、はみ出し者は除外されること。

一人では弱い、群れると強い。
出る杭は打たれる。しっかりと。

もしかしたら興味はあるのに、
そういうのを見る自分がダサいと思って
他の人が誰もいないところに
立ち止まるのが嫌な人もいるのかもしれない。

非常に残念。残念です。
力になれない自分にも残念。

結局、その二人の若者の前には
僕らは15分ほどいたが
他に立ち止まる人はいなかった。

夢を応援するのが
当たり前になる人でありたい。

_______

学生の頃、資格を取ろうと
必死になっていた頃を思い出した。

なかなか点数が伸びなかった僕は
自分の立ち場を忘れ、
友人が目標の点数を取った時に
めちゃくちゃ喜んで拍手をしていた時に

え、悔しくないの?大丈夫?と
隣の女性に冷たい顔で言われたことがあった。

その当時、僕には
その言葉の意味が理解できなかった。
最近は、理解できる。

人を応援できない人が多いんだよね。

それが日本なんだ。
日本は好きなんだが
残念なところもある。

大事なものは、金じゃない。
芸術は、値段じゃない。




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