小説探訪記07:高村光太郎『智恵子抄』など
小説は読めても詩が読めないのがコンプレックスだった。中身を味わうどころか、字面を追うことすら難しかった。
倍速視聴に慣れ切った現代人には、韻文特有の音楽的なリズムは遅すぎる。視覚的に読もうとしても、頭の中で声が響いてしまう。そのせいでつっかえる。走ろうとしても足がついていかない。そういう感覚に似ているかもしれない。
1.高村光太郎『智恵子抄』を読む ただ、最近は詩も読めるようになってきた。高村光太郎『智恵子抄』を読み返した。中学校のとき以来だ。久々に「レモン哀歌」を読