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感動は言葉に乗って伝わる。あるnoteを読んで泣いた話。

泣いた。

久しぶりに、noteを読んで泣いた。


「酒造りの神様」、「杜氏界のレジェンド」と呼ばれている農口尚彦さんに、フリーライターのKaoriさんが取材をしたときのことが書かれているnote。

たぶんだけど、涙を誘おうなどという意図はまったくなかったと思うのね。

日本酒が大好きで、唎酒師の資格までお持ちのKaoriさんが、レジェンドに会うことができた。そのときの感動や喜びや学びを、ただひたすらに書きたかっただけなのではないかと、勝手に推測している。

だからこそ、なのかな。そのあふれる感動が言葉に乗り、ひたひたと波のように伝わってきたのかもしれない。


「お客さんに美味いと言ってもらうこと。ニッコリ笑って飲んでもらうこと。それが何とも言えない喜びです」

それを聞いたとき、この取材で知った農口杜氏のさまざまな行動が、すべて「もっとおいしいお酒を造りたい」というとてもシンプルな思いによるものだということを実感した。

Kaoriさん『89歳の「酒造りの神様」から学んだこと』より


私の涙腺が決壊したのがココ。

「お客さんに喜んでもらう」という願いはめちゃくちゃシンプルだけど、対してこれまで重ねてこられた努力は、シンプルとは真逆の複雑で困難な道のりだったんだろうなと思うと、鼻の奥がじーんとしてしまった。

日本酒の材料となる米は自然の産物であり、毎年変化するもの。この道70年のレジェンドでありながら、まだ「酒造りはわかった」とは言えないらしい。

米の違いに対応するため、これまでの酒造りで収集してきたデータを元に、微調整や軌道修正を杜氏ご自身で行っているそうで、ここは機械や他人に譲れない大事な部分。とてつもなく奥の深い世界なんだなと感じる。

職人さんって、熟練された経験と勘を頼りに、素晴らしい作品(商品)を生み出しているように思うけど、実は違うんよね。その裏には、膨大なデータと緻密な計算がある。


日本を代表する土鍋づくりのスペシャリスト、雲井窯の中川一辺陶さんも、確か似たような感じじゃなかったかな。

0.5度単位で制御できる電気窯を用いて焼き加減をコントロールしたり、羽釜の羽のわずかな大きさの違いも、すべて計算し尽くされたもの。職人ではなく、「科学者」と称されていたような記憶がある。

ものづくりの裏側を知れば知るほど、尊敬の念しか湧いてこなくなるよね。同じ日本人として、誇りに感じる。

農口杜氏の現在の夢が、世界中の人に自身の日本酒を飲んでもらうことだそうで、その夢がぜひとも叶ってほしいと、心から思う。




そして、私は歴史に弱いなぁと、つくづく思った。その人の歩んできた道や、時の流れを感じられるものに、とことん弱い。想像したら、また鼻の奥が・・・。


農口尚彦研究所のサイトを見て、こんなに自然豊かな美しい場所でつくられているのか……と思ったら、また涙が出てきた。

あかん、涙腺が壊れとる。


雲井窯のリンクも貼っておきます。

こちらの御飯鍋に惹かれつつも、なかなか決心がつかず。高級炊飯器を買うより、お値段も安いんやけどね。


私に感動の涙を届けてくださった、Kaoriさんのnote。

ライティングのお仕事を20年以上もされていて、文章がものすごく読みやすいです。他のnoterさんと比べると「1行アキ」が少ないイメージだけど、それでも読みやすくて、スーッと頭に入ってくる。

私もそんな読ませる文章を書けるようになりたい。


ではでは、また!






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